ササユリの咲く季節です。わんだぁの森で,このササユリを見かけました。たった一輪,雑木の下でひっそりと咲いていました。純白の花が目に入ったとき,ほんとうにびっくり。
もちろん環境を入れて撮りたいので,魚露目レンズを使って撮影。
花が主役。清潔感あふれる花に見えます。小さなアリも写り込みました。
たくさんのササユリでなく,たった一つ。静かな環境にぴったり。それも,力いっぱいに開いているすがたにこころを打たれました。
ササユリの咲く季節です。わんだぁの森で,このササユリを見かけました。たった一輪,雑木の下でひっそりと咲いていました。純白の花が目に入ったとき,ほんとうにびっくり。
もちろん環境を入れて撮りたいので,魚露目レンズを使って撮影。
花が主役。清潔感あふれる花に見えます。小さなアリも写り込みました。
たくさんのササユリでなく,たった一つ。静かな環境にぴったり。それも,力いっぱいに開いているすがたにこころを打たれました。
今日は一枚の写真です。梅雨の合間の晴れ渡った今日,公園にトンボの写真を撮りに出かけました。トンボは,ありふれたシオカラトンボがにぎやかに飛び通っていました。
シオカラトンボの縄張り意識にはいたって強いものがあります。仲間同士でも容赦のない自己主張を繰り返します。縄張りを守るための監視位置を決めると,そこを拠点にして侵入者を追い出そうとします。
その監視位置にいるシオカラトンボにそっと近づいていきました。こうした撮影に慣れていても,なかなかうまくいかないのが常。この写真はかろうじてなんとかモノにできた一枚なのです。下から見上げる構図で撮ろうと思いました。ワーキングディスタンスは3㎝ほどです。中景に立つ高木はメタセコイヤ。
さらにもっと近づこうとしたのですが,気づかれてしまいました。残念!を
虫の目写真を撮ることはわたしの撮影テーマの一つです。被写体を思いきりでっかく,そして中景・遠景を入れる,その撮影ノウハウを追求し続けようと思っています。
森の径を歩いていて目に留まったのがこのチョウです。このときはまったく名を知りませんでした。初めての出会いだったのです。「ほっ,ほーっ。これはめずらしい」と思い,大慌てで撮ったのがこの写真です。この紋様と尾状突起の組み合わせは新鮮でした。
舞い上がったので追うと,雑木の梢高くに行ってしまいました。残念でしたが,この証拠写真が残ったのは幸いでした。
後で調べると,ミズイロオナガシジミとわかりました。翅の表側の色合いはほんとうに見たことのない地味なものです。里山にすんでいて,朝夕に活動するらしいのです。食草はクヌギとか。それなら,この時間帯に訪れたら,いずれ再会できそうです。そのときには,くわしく見てみようと思います。
話は翅の尾状突起のことになります。シジミチョウにはこれが付いた種がかなりいます。わたしの周りにいる種はほとんど付いていません。尾状突起の役目っていったいなになのでしょう。こちら側を頭に似せて,天敵の目をごまかす作戦だという話を聞いたことがあります。それなら,その部分を天敵が襲う場面を目撃した人があるのでしょうか。あって,証拠写真を残しているのでしょうか。あくまで想像にすぎないはずですが,真相はチョウに尋ねてみるほかありません。
同じ土地で,尾状突起を持った種とそうでない種があります。どちらが有利なのか,わたしにはよくわかりません。どちらであっても,あるいはどうでもよいのでしょうか。いずれにせよ,目立つ部分に無駄なデザインが施されているとは思えません。こんなことを考えると,ほんとうにワンダーな気持ちに誘い込まれます。
「わんだぁの森」とはたまに訪れる観察地で,わたしが勝手に付けた山麓の林間地です。意外に昆虫が多く,観察に事欠きません。しかも手入れが行き届いているうえに,人の気配がまずないというのがなんともいえないのです。手入れは地元自治会によって折に触れて草刈り程度の作業がなされ,結構気配りと心地よさの感じられる空間なのです。こういうところで,観察と撮影に没頭しているとハッピーな気持ちに浸れます。
植物ではハッチョウトンボが生息していて,モウセンゴケやイシモチソウが群落を形成しているという,なかなか魅力的なところでもあります。
昆虫では,このほどハンミョウを見かけました。ハンミョウは近づくことを許さないほどに警戒心が強く,距離感を保って動きます。それでいて,いつの間にかどこかに去ってしまうというほどでもなく,ほんとうに“道しるべ”の別名らしい行動ぶりが観察できる昆虫です。
このときは望遠レンズで追いかけてみました。からだの色合いがとても鮮やか。
間近に見たことがないので,もっとじっくり見てみたいなあと思いました。
そして,チャンスがあれば顔写真を撮りたくなりました。もちろん,獲物を捕獲して口にしているところだって撮りたい! わんだぁの森では,まだまだ出会いがありそうです。
ミドリカミキリがバラの花にいました。初めての撮影になります。それで,とにかくこの顔を撮っておこうと思いました。
動きが速いので,その動きが止まる瞬間がなかなかありません。ぞれで深度をある程度カバーするのがたいへん。
そんな中,とにかく撮っておこうと苦労して撮ったコマです。からだの表面はメタリック感が強烈です。
容器に入れ,そこから頭を出したときに撮りました。青緑に輝いています。
動く被写体を撮るのはとにかくたいへん。
6月に入ってからの話です。
アオクサカメムシの孵化場面を撮り損なって,がっかりしていたところ,再びその卵を発見。ジャガイモの葉裏です。ジャガイモにはテントウムシやカメムシの卵があちこちで見られるので,探しているうちに目に留まったのでした。卵は数十個かたまって産み付けられています。卵一つのサイズは直径0.8mm,高さ1.0mmです。
卵のついた茎をコップに挿して,孵化を待ちました。しかし,ふつうの変化を経ず,やがて全体が黒っぽい感じになってきました。「これは怪しいぞ」と思いつつ,観察を続け,ある日ふと見てみると,なんと卵から何ものかが出てきているのです。びっくり! じっと見ていると,それは寄生コバチに違いないと思われてきました。さらにじーっと見ていると,これは間違いなくタマゴヤドリコバチだと確信めいた感じがしてきました。
ところで,このシーンは孵化ではないということを忘れてはなりません。カメムシの卵の中に産み付けられた卵が,タマゴヤドリコバチのそれであり,卵内で孵化した幼虫が栄養分を吸収して成虫まで育ち,独り立ちして外に現れるという道筋です。したがって,誕生とはいっても,そのすがたがわたしたちの目に触れるという意味での,いわば脱出シーンなのです。
その証拠に,よくよく見ていると,卵内で成虫になった個体が様子が伺えます。
さて,孵化第一号のシーンに巡り合えたのはまったく幸運なことでした。触角の形状からオスとわかります。
出た瞬間はわたしのシャッターチャンス! したがって,この写真はお気に入りの一枚になりました。
生まれ出たオスは身を整えて,メスの誕生を待ちます。
ここからタマゴヤドリコバチの生態が見えてきます。この後の展開は次回に。
5月16日(火)。
前回の孵化と同じ時間帯です。先に孵化した幼虫は卵殻をほとんど食べて,どこかに行ってしまいました,その名残が右下に写っています。二匹目の幼虫の動きが慌しくなってきました。顎が盛んに動きます。
まもなく孵化。
ゆっくり,そして休むことなく出てきました。
これが誕生の瞬間です。「おめでとう」の瞬間です。
撮影者にとっては願ってもない連続の誕生シーンとなりました。
5月16日(火)。
撮影二例目です。二つの卵が並んでいます。中の様子を見ると,明らかに同じ成虫が同じ時に産み付けたものと思われます。
誕生!
ぐうーっとからだを伸ばします。
着地!
からだ全体が出てきました。
振り返って卵殻を食べ始めました。反対方向から撮影しました。
次回はもう一つの卵の孵化について書くことにしています。
畑を耕しているとの地中から,突然昆虫の"かたち"が現れることがあります。よくあるので,「土の中に,こんなに昆虫がすんでいるんだなあ」とついつい思ってしまうほどです。しかし,一定の知識がないと正体がわかりません。それでわたしのような素人は,じれったい思いをするのが度々。
今回はセマダラコガネの蛹の話です。
出て来たのは白っぽい蛹。薄い皮の殻から弾き出たすがたをしています。そして,グニャグニャとしきりに動くのです。たぶん,コガネムシかハナムグリのなかまだろうとは想像できるのですが,同定できません。
こういうときは,観察を続けて正体を突き止めるほかありません。コップに土ごと入れ,ラップで覆いをしておきました。
そして,四日後。見ると,成虫が誕生していたのです。傍にはきっちり殻が。この昆虫はセマダラコガネです。
この昆虫が地中から誕生したとは!
突き止めようとする作業は新しい知見を得ることにつながります。探求心をくすぐります。「なるほどっ!」と納得。
カラムシの葉がずいぶん食べられた痕,茎が食べられてできた縦状の溝,そうしたものがラミーカミキリの生態を物語っています。そうだとすると,卵についてもカラムシの葉か茎で何らかの手掛かりが見つかるのではないか,わずかな期待を持ちつつ観察を始めました。
飼育ケースに入れて数日後。「とにかく調べることだ」と思い,食痕を中心に見て行きました。卵のサイズや数などの情報はまったくなし。それで,ルーペで丹念に調べるほかありません。
調べているうちに,縦状の食痕の端に,一つの卵が突き刺さったように立っているのが見つかりました。「もしかすると,これが卵なのかも」。食痕に乗っかるようにして立っているのは,溝ができてから産み付けた証拠です。ラミーカミキリ以外の昆虫はいないのだから,もうこれはほとんどまちがいなくラミーカミキリの卵というほかありません。
これはラッキー! さっそく卵と出会えたのです。
その後もっとないかと,他を探しました。そうしたら,なんとあったのです。二つ目は同じく茎で,縦状にわずかにできた裂け目に無理やり押し込んだようにして立っているではありませんか。びっくり! よくもまあ,窮屈な隙間に産み付けたものです。これなら少々の刺激が加えられても落下の恐れはないでしょう。
近づいて見てみると……。
これで卵が二つ見つかりました。サイズは高さ1.8mm,直径0.7mm。卵は茎に一つずつ独立して産み付けられるようです。ただ、産み付けられ方はこの二例だけなのでまだいい切ることはできません。
畑の隅で自生するカラムシでも調べてみました。しかし,卵らしいものは見つかりませんでした。
今回出会った卵については,孵化を観察できるまで見守ることにします。今後目撃できる事実はわたしにはすべて新事実です。わくわくしています。