徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

お裾分けのみどり

2005年10月30日 | 朝顔・金魚・花・園芸・ アクアリウム
パソコンやプリンタなどのOA機器が所狭しと並ぶ職場,少しでも潤いを…と思い,観葉植物を置いている。ポトスに,アイビー,ドラセナに,オリヅルラン,・・・いつの間にか増えてしまった(^^;

彼らのハビタットの拡大は,私のデスク周辺に留まらず,伸び過ぎてしまった茎をこんな感じで,ペットボトルにさしておくと,ちゃんと根が出て,元気に育つ。たまに研究室を訪ねて来る人が「これいいですね」と声をかけて下さるので,「どうぞ持って行って下さい」と答える。

こうして,私発のお裾分けのみどりが,いろいろな所に広がってしまっている訳で…。ちなみに,ライムポトスとオリヅルランは,私もお裾分けでもらったもので,ライムポトスは大学の時,所属していた研究室から,オリヅルランは,遙々大阪の実家から持って帰ってきたもの。

丈夫で栄養繁殖が容易な観葉植物ならではの「お裾分けのみどり」,私の手元では増える一方ですので,ご希望があればもらって下さい(笑)
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背高泡立草にまつわるエトセトラ 前編

2005年10月28日 | その他の記事
この黄色い花に見覚えがない人はいないのではないだろうか。

セイタカアワダチソウ,北米原産のキク科の多年草,空き地や河原で群生する様子は,誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。

ところで,この花に対して,皆さんが抱いている印象はどんな感じでしょうか。概してあまり良い印象は持たれていないのではと思います。

その印象がちょっと変わるかも知れないエトセトラを,前後編2回に分けて紹介

『圧倒的な繁殖能力』
セイタカアワダチソウは,戦後,各地で都市化等によって生じた空き地(裸地)や耕作放棄地などを中心に広がりました。彼らが一気に勢力を拡大することが出来たのは,空き地や耕作放棄地などで生育するのに適した,極めて優れた競争力を持っていたからです。例えば,根から周囲の植物の成長(種子発芽)を抑制する化学物質を分泌し,群落の形成を優位に進める他感作用(アレロパシー)や,大量かつ広範に種子を散布出来る種子散布能力,ロゼットによる越冬,急激な生長,地下茎による物質貯蔵,栄養繁殖による株の増殖など。こうした特徴に裏打ちされた,他の植物に入り込む余地を全く与えないほどの圧倒的な繁殖力こそが,セイタカアワダチソウがあまり良い印象をもたれていない理由の原点。 

『蜜源植物』
あまり知られていませんが,セイタカアワダチソウは優秀な蜜源植物。(写真をよく見てもらえれば蜂が蜜や花粉を集めに来ているのが,分かると思います)広がった理由の一つに,養蜂業者が積極的に散布を行ったからという説があるほどです。セイタカアワダチソウ蜂蜜は,見たことありませんが(^^;

『喘息の元凶?』
圧倒的な繁殖能力に加えて,セイタカアワダチソウの印象が極めて良くない理由の一つに,一時期,喘息や花粉症の元凶だと言われたことがあったことがあります。高度経済成長期,身の回りで急速に広がる,見慣れない黄色い花に抱いた不安感と,時を同じくして広がった原因のはっきりしない喘息という病が結びついた結果が「セイタカアワダチソウ=喘息の元凶」だった訳です。ただ,これは濡れ衣だったと言われています。上記の蜜源植物の話からも分かるように,セイタカアワダチソウは,花粉を虫によって運んでもらう虫媒花,風によって花粉をばらまく風媒花ではないため,広く花粉が拡散することはありません。現在では,喘息や花粉症とは無関係と考えられています。
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暖色のカーペット

2005年10月26日 | 朝顔・金魚・花・園芸・ アクアリウム
四月,青空が透けるようなライトグリーンを纏っていたケヤキの葉たちも,今はやさしい暖色のカーペット。

緩やかに曲がった遊歩道をわざと離れて,小気味のいい音を奏でるカーペットに歩を進める。この時期だけの贅沢。
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日本の伝統色

2005年10月21日 | 本と音楽の話題
正直,色彩感覚は無い方から数えた方が早い

だが「色」を楽しむことは好きである。
小さい頃,沢山の色鉛筆や色絵具を前にして,胸躍らせことを思い出す。

日本の歴史を振り返ると,こうして庶民が様々な「色」を楽しむことが出来るようになったのは,江戸時代に入ってからのこと。それまでは「色」を楽しみ,身につけるという行為は,貴族など一部の者だけ許された特権だったようです。

とはいえ,表情豊かな四つの季節を持つ日本で育まれてきた色彩の歴史は長く,古くは平安,奈良,飛鳥の頃にまで遡る・・・

そんな日本の四季と先達の感性が育んできた色と,その謂われを楽しむことが出来る本を紹介。

→ 長崎盛輝『日本の伝統色-その色名と色調』青幻舎


さて,最後にクイズです。以下のRGBで再現される日本の伝統色の名称は?

Red:148 Green:182 Blue: 31

→ 色見本の館

→ 日本の伝統色
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【実り・食欲の秋】栗

2005年10月17日 | 日本酒・ワイン・酒・食材・旬
「実り・食欲の秋」シリーズ。ちょっと間が空いてしまいましたが,3回目は「栗」

名字や名前に食べ物の名称が付くものの宿命が「共食い」(笑) 昔から栗を食べるときは,ちょっぴり複雑な心境でした(少し変でしょうか?)。同時に,一番親近感を覚える食べ物でもありました。この栗,数ある果物の中で,育てるのに,一番手間のかからない果物であることはご存じでしょうか。農林水産省の統計調査では,10a当たりの平均作業時間は38時間と最も短く,片手間にでも育てることが出来る果物が栗ということになります。(このことが,果樹としての栗の栽培に暗い影を落としているのですが,その話は追々) ちなみに最も手間のかかるのは枇杷(びわ)。10a当たりの平均作業時間は449時間,実に栗の10倍以上。なるほど値が張る訳です(^^;

手間がかかっても,かからなくても,秋の実り…

美味しく頂きました(程よい甘さと,しっとりとした食感がgoodでした!)
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JAXA

2005年10月09日 | その他の記事
知人に誘われて,JAXA(宇宙航空研究開発機構)の見学ツアーに参加。

JAXAと言われて,ピンとこない人もNASDAと言われれば,毛利さんとか,向井さんとかがいるところ?みたいな感じにはなるのではないでしょうか。

つくば暮らしも6年目に突入しているのに,筑波研究学園都市のシンボル的な存在でもある筑波宇宙センターに,一度も足を踏み入れていないことに気付き,誘いに乗った次第。HPを見る限り,科学少年向け?って感じで,それほど期待はしていなかったのですが。

なかなかどうして,面白かった。

予約制のツアー見学には,しっかりガイドがつき,国際宇宙ステーションの実験施設一部である「きぼう」の製作現場も見学出来る。

面白かったのは,ちょっと風邪気味のガイドさんの語る蘊蓄の数々

「宇宙飛行士になるために一番大事な素質は,体力でも,知力でも,語学力でもなく協調性」

「国際宇宙ステーションの実験棟きぼうは,土浦学園線を通って,霞ヶ浦から船でアメリカに向かった」

「人工衛星を宇宙の過酷な環境から守る保護シートは,マジックテープでついている」

トリビアの泉ではないが,実物や模型を前に,語られると思わずへぇーボタンを押したくなる。

個人的には,一番気に入ったのは

『国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」は,宇宙に浮かぶ前に霞ヶ浦に浮かんだ(87へぇー)』

でしょうか(笑)
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木犀の香り

2005年10月08日 | こよみ・四季・歳時記
まだまだ暑いと感じることはありますが,朝夕などはめっきり涼しくなりました。

秋も深まるこの時期,街中で場違いなほどの香りを漂わせているのが,このオレンジ色の可愛い花たち。“トイレの香り”なんて,可哀想な紹介をされることもありますが,個人的には,ちょっと鼻につく彼らの自己主張は嫌いではありません。決して先の方ではない枝に,所狭しと咲く花は何とも不思議な感じです(蕾が膨らんで咲くというより,ある日突然といった印象すら受けます)。雨風にはめっぽう弱くて,ちょっとした風や雨で地面に落ちて,暖色の絨毯に変わってしまいます。遅れてきた秋の長雨に,落とされてしまわなければいいのですが…。

写真は金木犀(キンモクセイ)
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逆番犬?

2005年10月03日 | その他の記事
“何処だがわからない場所の話は,長々と書くのに,あたしのことは2行で終わり?”なんて…言われてしまいそうなので,もも姫の話も少し…。

ウェルシュコーギーのふるさとはイギリス。もともと牧羊犬として飼われていました。何とも可愛らしい胴長短足の身体は,羊や馬,牛たちの足元を素早く駆け抜けられるよう改良されたもの,尾がない(生後1ヶ月以内に切ってしまう)のも家畜たちに踏まれないためのもの。

ってな訳で,もも姫の先祖は広い牧場で羊たちを追い回していた牧羊犬であり,彼女にもその血はしっかり流れいる訳で・・・(^^;

空き地も少なくなってしまった大阪のベットタウンに暮らす彼女にとって,取り仕切るべき牧場は,彼女が住む家そのものであり,頼れる牧場主は大好きなごはんをくれ,毎日散歩にも連れて行ってくれ,一緒にいる時間の一番長い母親となる。

で,彼女にとって追いかけるべき羊はいうと・・・。

羊A(父親)は,いつも決まった時間に牧場を出て行き,決まった時間に牧場に戻ってくる。彼女にとっては,あまり手のかからない優秀な羊ということになる。問題は,羊B(弟)の方である。夜中に出かけることがあったりと,よく牧場主を怒らせている。そんな問題羊を優秀な牧羊犬のもも姫が黙って見過ごすはずもなく・・・。

夜中にこっそり牧場を抜け出そうと試みようものなら,人間の何倍もの聴力でその気配を聞き分け,すぐさま牧場主に報告。牧場を勝手に抜け出そうとする羊に烈火のごとく吠えるのである。それは,さながら逆番犬。

“えっ,自分?”さしあたり,たまに牧場に遊びにくる遊び相手の犬ぐらいと思っているのかも知れません(笑)
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思いの重なり

2005年10月02日 | ちょっといいとこ,いい景色
先日,連休を使って,実家(大阪)の方に帰省してきました。いつものように実家のコーギー犬「モモ」と戯れた3日間でしたが,中日の一日を使って,滋賀県は近江八幡市を訪ねてきました。

今年の6月から「景観法」という法律が全面施行され,遅ればせながら,日本でも法律に基づく景観行政がスタートしました。これまで,独自に景観条例等を制定して行われてきた地方自治体の景観行政が,法律を背景に行えるようになったということで,各地で様々な取り組みが始まりつつあるのですが,その中で同法適用第1号となり,いち早く法律に基づく景観計画の策定,景観計画区域の設定を行ったのが,近江八幡市なのです。

最初に,法律に基づく景観行政をスタートさせることが出来た琵琶湖の畔の町を,この目で見てきたい!と思ったという訳です。

一日,市内のあちこちを歩いてみて感じたこと,それは,豊臣秀次が居城を構えた安土桃山の頃から現在に至るまで,近江八幡で暮らしてきた人の足跡が,損なわれることなく,しっかり残っているということ…。

湖と共に生きる水郷の暮らしの面影を残す西の湖の周辺
町を開いた秀次の思いを偲ばせる八幡山城址と八幡堀
近江商人の息吹が聞こえてきそうな古い商家の町並み
近江兄弟社を設立し,自ら建築家として沢山の欧風建築を残したW.M.ヴォーリズの足跡

町に暮らし,町を愛してきた人の思いが重なり,それが今も受け継がれているからこそ…

町の時を刻むかのように,ゆっくりと流れる八幡堀の流れは,至極当たり前の理由を教えてくれました。
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