梅雨も終盤戦,西日本は結構降っているみたいですが,関東は天気がすぐれない日が多い割には,意外と降っていない感じです。
写真は,梅雨の晴れ間に撮影した畦に咲くツユクサ,惚れ惚れするような青です。
このツユクサ,「月草」と呼ばれ,万葉の人々も魅了していたようで,万葉集には沢山の月草を詠んだ歌があります。
例えば
「月草に 衣は摺すらむ 朝露に 濡れてののちは うつろひぬとも」
「月草の うつろひやすく 思へかも 我が思ふ人の 言も告げ来ぬ」
詠んでいる内容は違いますが,どちらにも「うつろう」という言葉が一緒に歌われています。
このツユクサの青を手に入れられないだろうかと考えたのは,万葉の人々も同じだったようで,確かに一時は布や衣などに青を移すことは出来るのですが,ツユクサの青はアントシアニン系の化合物で,染まっても直ぐに退色してしまうそうです(花そのものも朝顔と同じく明け方に咲き,昼には萎んでしまう)。
ただ,この儚さ,うつろいやすさも万葉人の琴線には触れたようで,沢山の歌が詠まれることになったという訳です。