震災時に飼っていた金魚達が亡くなってしまい,その後の節電等が求められ,停電等があるかも知れない状況下では,エアポンプやろ過装置,ヒーター,蛍光灯等など,常時電気を必要とする観賞魚の飼育は,困難かと思い,諦めていたのですが,省エネでも飼育できる魚がいることに気付き,水槽を復活させました。
復活した水槽を泳ぐ魚は目高(メダカ)
もともと日本全国に生息(北海道を除く)し,身体も小さく丈夫なメダカであれば,あまり過密な飼い方さえしなければ,エアポンプやろ過装置,ヒーターも要りません。
実は,メダカは2003年に環境省のレッドデータブックに載った頃から,秘かにブームだったりします。
どんなブームか・・・?
「品種改良」
褐色の普通のメダカではなく,薄黄色のメダカ(ヒメダカ)ぐらいは,ご存じかと思いますが,最近のペットショップには,白メダカだの,青メダカだの,楊貴妃メダカだの,ダルマメダカだの・・・・本当に色々なメダカが売られています。
上記のメダカは,絶滅危惧種に指定された普通の日本のメダカと,種としては同じもので,一時期問題となった遺伝子組み換えされたメダカ(発光する生物の遺伝子を組み込まれたメダカ)でもありません。
金魚や錦鯉などにおいても行われてきて,突然変異を固定化し,組み合わせていく,江戸の頃からある伝統的な品種改良の術でつくり出されたもの。
金魚みたい赤いメダカや胴が短くなり丸っこい体系になったメダカなど,「これもメダカ?!」と思うような品種も沢山つくり出されています。
で,メダカの品種改良の基となっているのが,4つの異なる色素胞を持っているというメダカが有する特徴。黒色,黄色,白色,そして虹色,これらの色素胞を上手く操ることによって,自然界のメダカは保護色をつくり出し,外敵から身を守っている訳です。
この色素胞があったり,なかっり,本来ある場所ではない場所にあったりすることで,メダカの色々な品種が作り出されています。例えば,お馴染みのヒメダカは,黒色の色素胞を持たない品種(普通のメダカ(クロメダカ)を沢山飼っているとたまに生まれる),こちらも江戸時代から知られている体の白いメダカ(白メダカ)は黒色と黄色の色素胞を持たない品種(ヒメダカを沢山飼っているとたまに生まれる),さらにクロメダカと白メダカを掛け合わせると,その子供は皆,見た目上はクロメダカになる(高校で生物を選択しなかったのですが,「メンデルの法則(優位の法則)」って奴みたいですね。)生まれた子供同志を掛け合わせると,今度は,クロメダカと白メダカが9:1の割合で生まれ,合わせて,ヒメダカと黄色の色素胞のみを持たない青メダカが3:3で生まれる(分離・独立の法則)。さらに,本来なら目の周りと腹の部分にある虹色の色素胞が背中に移ったヒカリメダカという品種(背中が光るだけではなく,背びれや尾びれにも特徴があります)もいます。・・・って感じです。
水田を中心とした農村の生態系を象徴する生き物であった,メダカが観賞の対象となり,金魚のように様々な形質の品種がつくり出されることの是非はあるとは思いますが,絶滅危惧種となり,保全のシンボルとなった時点で,メダカは「飼われるもの」になったと考えるべきなのかも知れません。増やして放流とかが良いこととして考えられるよりは,メダカは観賞魚,飼うなら責任を持って最後までの方がいいような気がします。
写真は,購入したメダカたち,金魚のような写真映りにはなりませんが,色々な色のメダカがいることは分かってもらえる思います。
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色々なメダカって?(メダカ図鑑:テトラジャパン)