徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

京都上賀茂のすぐき

2014年01月13日 | 日本酒・ワイン・酒・食材・旬
土地と作物と人とのディープな繋がりを楽しむ記事をもう一つ。

今回のターゲットは「すぐき」。場所は京都・上賀茂。年末年始に実家に戻った際にふらりと訪ねてきました。

すぐきは,日本では数少ない乳酸発酵の漬け物。京都の三大漬け物(残りは千枚漬けとしば漬け)の一つに数えられています。

上賀茂の酸茎菜(すぐきな)栽培、すぐきづくりの歴史は、上賀茂神社(賀茂別雷神社)に起源があり、それ故、上賀茂神社の境内にはすぐきが奉納されています。これは、上賀茂の冬の風物詩にもなっているすぐきの天秤押し、てこの原理を用いて、しっかりと漬け込みます。

すぐきの収穫の最盛期は11月末ですが、まだ結構植わっていました。ハウス内で育てられているものもありますが,どこも住宅に囲まれた小さな畑。賀茂川と高野川に挟まれた肥沃なデルタ地帯で育てられたものだけが、すぐきと呼ばれていました。

で最後に,写真が上賀茂神社のすぐ近くあるすぐきを中心に扱う漬物屋「なり田」さん(三百年以上の歴史があります)で調達した戦利品。丸すぐきは,こんな感じで,かぶっぽい部分はたくわんのようにスライス、葉っぱの部分は細かく刻んで少し醤油を垂らす。両方を合わせて細かく刻むといった感じでバリエーションも楽しめます。どれもご飯との相性がかなりヤバいです(笑)

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元祖グリーンツーリズム-甲州勝沼-

2014年01月11日 | 日本酒・ワイン・酒・食材・旬
なかなか更新出来ずにいました。十日も過ぎてしまいましたが,今年もどうぞよろしくお願いいたします。

新年の挨拶をしたばかりですが,少しタイムスリップして昨年11月上旬の記事。

春先に塩尻桔梗ヶ原を訪ねた記事を書きましたが,晩秋は甲州勝沼を訪ねていました。今回も葡萄とワインを介した土地と人との濃密な繋がりを堪能してきました。

葡萄畑やワイナリーをふらりと結構回ったのですが,その中でも印象に残った蘊蓄を記事にします。

写真は,勝沼に限らず,葡萄の産地ではよく見かける葡萄棚の下で食事などを楽しめるスタイルの観光園。この観光ブドウ園を考案したのは,勝沼で日本最初のワイン醸造会社(現在のメルシャンの前身)を設立した宮崎光太郎(自宅に整備された醸造所は,現在「宮光園」として甲州市の近代産業遺産にも指定されています),葡萄狩りをして,葡萄棚の下で葡萄やワインを楽しんでもらい,一泊してお土産に葡萄とワインを持って帰ってもらう,言わばグリーンツリーズムの元祖という訳です。感心させられたのは,お抱えの写真屋まで雇っていたということ・・,訪れた人に葡萄棚の下で当時はまだ珍しかった写真を撮ってあげ,これをアルバムにしてお土産として渡していたということ。写真を持ち帰った訪問者が写真を片手にあちこちでお土産話をしてくれることが,次の訪問者を呼ぶことに繋がると考えていたそうです。なかなかのアイディアマンです。

こうした先人達が刻んだ足跡がしっかり残る「勝沼」,まだまだ奥は深そうです。

追記:
最後に戦利品というか,あちこちでお話を聞かせてもらった代。左からシャトー・メルシャンの甲州きいろ香2012,山梨ワインのフォーシーズンズ2012(勝沼ボトル),シャトレーゼベルフォーレワイナリーのセミヨン ソーヴィニヨン・ブラン2012です。宮崎光太郎にならって,お土産や差し入れに使って,蘊蓄を語りました(笑)

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