徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

教養としての酒学

2012年08月07日 | 本と音楽の話題
ワイン蘊蓄レベル強化中

ちょっと面白そうなワインに関する新書本を読んでみようかと思い,本屋を物色。

琴線に触れた本の副題が,この記事の表題。「比較ワイン文化考-教養としての酒学-」

「教養としての酒学」というのは,蘊蓄収集好きの私の波長にぴったり合う感じで,内容もなかなか興味深い。初版が1981年と30年以上前の本なのですが,西洋の食文化に根ざしたワインが,あまたある「酒」の一つでは決してないことを,様々な角度から述べていて,非常に含蓄に富んでいます。

例えば,ワインとは何か問われ,「ワインとはブドウからつくった酒」と答える日本人と,「ワインとは発酵したブドウ果汁」と答えるワインを常飲する民族との間に横たわるものは何かとか・・

収穫を祝うワイン(果実酒)と収穫時(醸造前)に祈る日本酒(穀類の酒)の違いは何によってもたらさせ,両者の違いは,それぞれの酒にまつわる文化をどう特徴付けているのか?とか・・

後で語りたくなる話が満載です。

写真は,日本のワインの父と呼ばれている川上善兵衛が創業した岩の原葡萄園のオリジナル。西洋の食文化に根ざしたものがワインであれば,移入され日本で育てられてきたワインは何なのか?気になりますね(笑)

→ 麻井宇介『比較ワイン文化考-教養としての酒学-』中公新書
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社会性昆虫

2012年06月04日 | 本と音楽の話題
子供の頃から社会性昆虫は大好物だったりします。

別に蜂の子が大好きとか,そういう意味ではなくて,興味の対象で,社会性昆虫に関わる蘊蓄は喜んで集めていたという意味です。これは実は私に限った話ではなく,生き物に多少興味を持った人間が大なり小なり,社会性昆虫の魅力には取り憑かれてしまうようです。

何が面白いか?

一般的な生き物に関する知識では想像出来ないような話が沢山あるからです。

例えば,私が子供の頃に衝撃を受けたサムライアリの話。

サムライアリの女王アリは単身,他の種(クロヤマアリなど)の巣に乗り込み一騎打ち,相手の女王アリを噛み殺し,女王になりすまして,巣(コロニー)を乗っ取る。ただ,彼女の生む子供は武闘派ばかりで,巣の補修も,卵や幼虫の世話も出来ず,クロヤマアリなどの働きアリがいないと自分ではエサも食べること出来ない始末,ちゃんと働く働きアリを生む女王アリはいない訳で,時間の経過と共に,おのずと働けるアリは減っていく。

で,どうするかというと,今度は,他のクロヤマアリなどの巣にサナギを調達に行く・・・「奴隷狩り」という訳です。

この現場を子供の頃に目撃し,それが何かを知って,子供ながらに衝撃を受けた訳です。

ってな訳で,久しぶり社会性昆虫蘊蓄を摂取しようと,以下の新書を購入。

→ 長谷川英祐『働かないアリに意義がある』メディアファクトリー新書

面白い話は,沢山あったのですが,個人的に一番気に入ったのは,本の主題にもなっている働かない働きアリの話(アリなどの巣のワーカーの7割は働いていない,働いているやつだけを集めても,働いていないやつだけ集めても,やっぱり7割は働かないといった話は聞いたことがある方が多いのでは?)。情報を収集し指示を出す者がいない,アリやハチなどの社会性昆虫のコロニーが複雑な仕事をこなしていくためには,働きアリの中に仕事に対する反応閾値の違いが存在していて(必要な仕事に必要なだけワーカーを当てることが出来るのはこの仕組みのおかげ),その結果,各仕事への反応閾値が高いモノが働かない(正確には働きたいけど働けない)という話。私は職場や研究室などでちょっとそっとの汚さでは,掃除をしようとはしない人が頭に浮かんてしまいました(笑)
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乙嫁語り

2011年07月30日 | 本と音楽の話題
ラジオで紹介していて,興味を持って,買ってしまう。

特段,珍しくないことだが,今回は少し違う・・・,“面白そう!”とか“ワクワクしそう!”とかではなく,“何で?”と思って買ってしまった。

同じ体験を皆さんにしてもらうために,私が買ってしまった漫画「乙嫁語り」を簡単に紹介すると,

「中央アジアのある村に嫁いできたお嫁さんの日常の生活を描いたもの」

これだけ聞いても全くワクワクの要素はない,多少事件ぽっい事が起こるとすれば,主人公の実家が主人公を「嫁を帰せ!」と連れ戻しに来るぐらい・・・

にもかかわらずに,評判で,いくつもマンガに関わる賞で入選しているとか。

“何で?”

もう少し物語の舞台について丁寧に説明すると,中央アジアというのはシルクロードの周辺,時代は19世紀の後半,伝統的な遊牧民の生活が残りつつも,徐々に定住するものも増えていくような時代を描いています。

絵も内容もとにかく丁寧に描き込まれて,作者が好きで好きでたまらない様子が読者にも伝わってくる。作中で描かれている衣装や刺繍,彫刻や装飾を見るだけでも,価値がある感じです(母から娘に代々受け継がれていく刺繍の柄の話とか秀逸です)。もちろん,主人公も含め,魅力的なキャラクターが沢山出てくることも評判になっているポイントだとは思いますが。

もし“何で?”と思ったら,読んでみて下さい(笑)

→ 森薫/乙嫁語り(コミックナタリー記事)
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未知の題材+王道

2011年07月03日 | 本と音楽の話題
漫画や娯楽小説,ドラマなどは,ジャンルと題材で分類することが出来る。ジャンルは,今も昔もあまり大きく変化していない気がするが,題材は最近かなりマニアックになってきているように思う。

例えば,スポーツや部活を題材とした物語(いわるゆスポ根もの),昔は野球やサッカー,テニスあたりが題材として選ばれていたが,今は,ルールもよく知らないようなスポーツが題材になっていたり,スポーツとはほど遠い文化系の部活などが題材になっていたりする(野球あたりになると視点を変えるなどの変化球も多い)。

特定の職業を題材にする物語では,刑事や探偵,医者あたりが定番だったが,現在は,これまた名前は聞いたことはあっても,具体的にどんなことをしているのか知らないという職業が題材になっていることが多い。指折り数えてみると,漫画やドラマなどで,はじめて詳しく知った職業が結構多いことに気付く。

これらの物語に共通する点は,未知の題材に対する興味と勝手知ったる流れ(王道)の安心感,実によくできていると思う。

ってな感じで,最近ハマったこの漫画も「未知の題材(競技カルタ)+王道(スポ根)」(のだめ以降,少女漫画もあまり抵抗なくなった感じです)

→ 末次由紀『ちはやふる』講談社
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3月12日

2011年06月25日 | 本と音楽の話題
3月12日,東日本大震災の翌日,博多から鹿児島までの九州新幹線が全線開通しました。本来ならば,九州はお祝いムードになるはずだったのですが・・・。

この九州新幹線の全通に関わるCMがカンヌ国際広告祭で金賞を受賞したそうです。上記のような事情で,3月9日からのわずか3日間(のちに4月下旬になって,再開されたみたいですが)のCMだったのですが,放映時から話題になっていました。私も噂を聞いてインターネットの動画をチェックしたりしていました。

今もJR九州のHPで各種バージョンが見れるので,是非チェックしてみて下さい。

→ JR九州「祝!九州」キャンペーン

前にも書きましたが,私はこの手のもの対する涙腺の抵抗力が極めて弱くて・・・。

とはいえ,元気になれるCMです。

CMソングも思わず,ネットで購入してしまいました。

→ マイア・ヒラサワ
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満月の夕

2011年06月06日 | 本と音楽の話題
今回の震災が起きる前から携帯プレーヤーには入っていて,よく聴いていた曲なのですが,被災地を訪ねてから,さらによく聴くようになりました。

もともと,阪神・淡路大震災の被災地の惨状と,復興に向けて逞しく生きる人々の姿を歌った曲。歌詞に描かれた被災地の厳しさと込められた思いは,今回の震災にも通じるところがあります。

‘いのちで笑える’日が一日も早く迎えられることを願います。

→ 満月の夕 (ゆうべ) / 中川敬 (with 伊丹英子)
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原点

2010年09月02日 | 本と音楽の話題
日本茶の品種にこだわったり,朝顔や金魚を育てたり,蘊蓄をこよなく愛したり・・・。

自分のこういう部分の原点は,何処にあるのかなぁ~と考えてみると,原因の一つがコレであるという考えに行き当たる。

写真は,実家に戻った際に,本棚にまだ残っていたものを引っ張り出してきたもの。懐かしい!

幼稚園の頃に,父が毎週?一冊ずつ買ってきてくれていた「図鑑」,買って来てくれるのを楽しみしていたことだけは,おぼろげに記憶している。

どうやら,お気に入りと興味がないものが結構しっかり分かれていたようで,一番ぼろぼろになっていたのは「昆虫」,次が「魚類」,その次が「鉄道」,一方で長くぴかぴかのままだったのは,「地球」,「宇宙」,今にしてみると以外だが「植物」も興味なしだったよう・・・。
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Lullaby of Muses

2010年06月26日 | 本と音楽の話題
個人的なはやぶさブームが冷めず,こんなCDを購入してしまいました。

甲斐恵美子/Lullaby of Muses 2

ネットで,はやぶさの地球帰還のライブ映像を視ていた時に,待っている時間に流れていた曲で,はやぶさ(MUSES-C)の打ち上げ前に甲斐恵美子さんをはじめ有志によって作られたはやぶさの応援歌的なJazz組曲,軽快かつmoodyなジャズピアノと二胡の旋律がとってもいい感じです。

はやぶさ要素抜きでも,楽しめるCDです。夏の夜空を眺めながら聴くと最高かと・・・
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100億光年のかなた

2010年05月15日 | 本と音楽の話題
そんなに詳しい訳ではないのですが,天体・天文に関わることには結構興味があって,流星群とかのニュースが出る度にちょっぴり胸が躍ります。

そんな中でずっと気になっていたものが「ハッブル望遠鏡」

何かのきっかけで,断片的に成果である画像を見つけては,見蕩れて,何とも言えない気分に浸っていました。なかでも,120~130億光年のかなたの光を捉えたハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールドと呼ばれる探査の成果画像は,美しさとは別に,自分の思考や想像力を完全に越えてしまっていて,考えようとするとちょっぴり変になりそうです(笑)

で,まとまった成果(画像)を見てみたいなぁーと思い,以下の新書を買ってみました。画像アルバムのDVD-ROMで付いていて,また,見蕩れてしまいました(笑)

→ ビハマンボ/小野夏子『ハッブル望遠鏡で見る宇宙の驚異』講談社
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菌が主役

2010年02月13日 | 本と音楽の話題
小説も好きだが,漫画も嫌いではない。
週刊や月刊の連載誌を買うことはないが,単行本は2,3集めている。

単行本を揃えていた二ノ宮知子さんの「のだめカンタービレ」,尾瀬あきらさんの「蔵人」がそれぞれ昨年に最終刊となり,楽しみが無くなってしまったので,新しくよむものを物色。

とりあえず1つ。

別にマイナーなものではなく,すでにそれなりに有名な漫画ですが,「もやしもん」を新・古取り混ぜ集めてみました。

「某農業大学で菌が肉眼で見えるという主人公があまり活躍しない」という,これだけ聞くとあまりよむ気をそそらない内容なのですが,ハマってしまいました。

作者が人ではなく菌が主役というだけあって,内容は極めてマニアックですが,酒類をはじめ,様々な発酵食品にまつわる蘊蓄と個性的なキャラクターが織りなす世界は,実に私好み。

まったりとした大学(研究室)での出来事を描いているのですが,ちゃんと盛り上がりどころはあって,フランスでのワインにまつわるエピソードを描いた6巻とビール(地ビール)に焦点を当てた8巻は秀逸です。

発酵食品の本丸「日本酒」をフィーチャーした話は,これからだと思うので楽しみです。

→ 石川雅之『もやしもん』講談社
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和の色(日本の伝統色)

2009年12月28日 | 本と音楽の話題
世の中はともかく,このブロク上では,色々なものにハマった2009年。

昨年末からの継続でハマっていた「日本酒」,夏頃からは「日本茶」,「万年筆」を中心とした「筆記具」にもハマりました。

で,今年の締めくくりは「色」,和の色,日本の伝統色。

モノではないので,ちと変化球ですが,日本人の見事なまでの色彩感覚と,自分の中で様々な知識(蘊蓄)が色という一つの視覚情報に集約されていく過程は,何とも刺激的で,どっぷりハマってしまいそうです。

例えば,上記の色,何色か分かりますか?



正解は「茜色」

朝焼けや夕焼けを表現するこの色,もともとの染料となっていたアカネという蔓性の植物(根がアカい(赤根)ことからこの名が付いた)に由来する。赤色の染料としての歴史は,紅花より古く,古代から親しまれてきた色で,東京の赤坂という地名の由来もこの赤根が関係しているという説もある。和の色を調べ始めて,個人的に気に入っている色です。

ってな感じ,私が気に入っているという無駄情報までが一つに色に集約されていく訳です(笑)

これからちょくちょく和の色ネタが登場するかと思いますので,とりあえず,色調も含めた知識(蘊蓄)の参考文献を2冊紹介。1冊は,4年前に一度紹介済み。

→ 長崎盛輝『日本の伝統色-その色名と色調』青幻舎 

→ 視覚デザイン研究所『定本和の色事典』
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ピアノとアコギ

2009年08月05日 | 本と音楽の話題
久しぶりにアルバムを当たってみようと思ったアーティストに出会ったので・・・。

きっかけは,インターネットの記事。現在,公開中の「サマーウォーズ」という映画に関連した記事。なかなか面白そう!

監督の前作が評判良かったということで,「時をかける少女」を借りて観てみる。爽やかかつテンポが良くて,なかなか宜し。

で,その映画の中で使われている主題歌と挿入歌が気に入った次第。

例によって,主旋律がピアノの女性ボーカル・・・。やっぱりピアノとアコギには弱い。

→ 奥華子 official web site
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学校の怪談

2009年06月10日 | 本と音楽の話題
梅雨にも入り,本格的な夏はすぐそこに・・・。夏と言えば!という訳ではないのですが,タイトルの文庫本を紹介。

決してクーラー代わりに怪談話を仕入れたかった訳でなく,職場の民俗学を専門とされている先輩に「民俗学という学問のことが知りたいのであれば,まず『学校の怪談』を読んでみたら・・・」と薦められて読み始めたもの。

著者が中学教師をしていた時に聞き取った学生達の話を中心に数々の怪談が,民俗学,「伝承」の視点から整理されていき,トイレの花子さんも,口裂け女も,メリーさんも,人面犬も,決して何の前触れも繋がりもない中で生まれてきたものではなく,脈々と続く人々が語り合うということから生まれてきたことが紐解かれていく。

学校という子供達にとっての社会はかつての伝承の場であった村落に,生徒達は伝承の主体であった村の人々に読み替えられることによって,学校の怪談は村の伝承と同じ視点,同じ方法で捉えることが出来る。

この視点と方法が恐らく「民俗学」という学問を知る上で重要なポイントなのだと個人的には理解しました。

→ 常光徹『学校の怪談-口承文学の研究Ⅰ-』角川ソフィア文庫
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酒は純米,燗ならなおよし

2009年02月21日 | 本と音楽の話題
酒は純米,燗ならなおよし

年は明けても,日本酒ブームは緩やかに継続中。
農村を仕事のフィールドとし,和と四季(暦)と蘊蓄をこよなく愛する自分にとって,日本酒は驚くほど親和性が高く,かつ奥が深い対象。

で,どちらかというと自分は日本酒の味にハマっているのではなく,日本酒にまつわる知識の系にハマっている感じで,それを改めて認識した一冊を紹介。

→ 上原浩『純米酒を極める』光文社新書 

実は,Amazon.comの送料を無料にするために,ついでに購入した新書なのですが,一気に読んでしまいました。

上原浩さんは,以前に紹介した尾瀬あきらさんの『夏子の酒』の中に登場する上田先生のモデルになった方,残念ながら3年前に亡くなられしまったのですが,日本酒,特に純米酒にかけた熱い思いは,文章を通して読み手の心に伝わります。
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たまには音楽も

2008年11月08日 | 本と音楽の話題
携帯オーディオプレーヤーを持ち歩かなくなり,
音楽を聴く機会は随分と減ってしまったのですが,
それでもたまにネットでの物色はしていて,
久しぶり自宅のFMV君上でヘビーローテーション
になっている格好いい曲を紹介。

→ MiChi/PROMiSE
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