徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

月暦-如月

2006年01月29日 | その他の記事
先月から始めたカレンダー付き画像,2月分です。

2月分には,高感度「春」受信機こと,梅の花を選んでみました。つくばに来て以来,2年に1度ぐらいのペースで訪ねている筑波山の梅林,筑波山の山裾に立地しているだけあって,眺めは見事です。眼下に見える広い農地(水田)は,関東ではちょっと有名な北条米の産地,秋には美味しいお米が実ります。

→ 「桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿」(050220)

→ 2006年2月:筑波山の梅林(640×480)
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雪掘り

2006年01月28日 | ちょっといいとこ,いい景色
再び越後妻有へ。連日,伝わる大雪のニュース,日本一の豪雪地帯と呼ばれる妻有も深い雪の中。調査に応じて下さった地元の方から,この冬はもう7回も「雪掘り」をしたという言葉が漏れる。例年3m以上の積雪があるこの地域では雪は下ろすものではなく,屋根の上に掘り上げるものなのだそうだ。本格的な雪の季節である2月を前に3m近い積雪。1月でこんなに積もるのは,56豪雪以来だという。「こんなに降ったら,もう掘り上げる場所もないよ」と言いながら,束の間の晴れ間を惜しんで,雪掘りに精を出す。雪国に住む人は強い。

→ 氷柱(つらら)もこんな風になります
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熱いお茶に干し柿

2006年01月20日 | 日本酒・ワイン・酒・食材・旬
今日は「大寒」,一年で一番寒いといわれている日。関東の平野部でも今夜から雪になるとか…。

そんな寒い日は,炬燵に入って,熱いお茶を飲みながら干し柿でも食べたい…。そんな訳で,我が家のベランダに並ぶ干し柿を紹介。上手く出来ているでしょ?!と自慢したいところなのですが,作ったのは私ではなく,母方の祖父。遙々伊予の国からもらって帰ってきました。

子供の時分は,正直あんまり好きでは無かった干し柿なのですが,最近はお気に入り。和菓子の甘さのお手本になるというあの程よい甘さと,心地いい食感は絶妙です。ちなみに,この干し柿の材料となった柿は,愛宕柿という品種。愛媛県の周桑地区では,有名な柿。見ての通り渋柿なので,そのままでは食べられないのですが,ちゃんと渋抜きをしたものは,甘くカリっとした食感でとっても美味しいです。母方の祖母の実家が栽培していた関係で,子供の頃は,柿といえば,この愛宕柿でした。それから,吊すための使われている紐は,シュロの葉を裂いて作ったもの。決して途中で切れたりすることのない優れものです。

一つ悩みどころは,干し柿は2つでセットであるということ。2個のバランスで吊されている干し柿は,1つ食べてもう1つそのまま吊しておくということが簡単には出来ません。ってな訳で,結局食べる時は,2つ一度に食べてしまっていたりします(笑)

追記:
この記事を書いてから知ったのですが,干し柿には大きく分けて2種類あるようです。一つは,乾燥歩合(水分含有量)50%程度のやわらかめの「あんぽ柿」。もう一つは,さらに乾燥が進んで,乾燥歩合25%程度になった「枯露柿(ころ柿)」。(白い粉をふいているのが「あんぽ柿」,ふいていないのが「ころ柿」って説もあるようです)ちなみに我がベランダの干し柿は,乾燥の程度を見る限り「ころ柿」って感じです。

→ 白く静かな土曜日の朝(060121)
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ネガのなかのポジ

2006年01月18日 | ちょっといいとこ,いい景色
昨年の大晦日に訪ねた遊子水荷浦の段々畑。周辺ではほとんど見られなくなってしまった段々畑が,どうして水荷浦には残ったのか?

もちろん,耕し続けてきた水荷浦に住む人の努力が,第一にあるのだろうが,それだけではない気がした。努力し続けようと思った理由や,努力し続けざるを得なかった理由があったのではないだろうか。

このブログのブックマークにも紹介しているHPの作者の方に尋ねてみたり,統計資料を調べてみたりしてみた。

地形や土壌,集落からの距離といった立地条件は,決して条件の良くないこの地域の段々畑の中では,恵まれている方だった。水荷浦の段々畑は,日当たりの良い南向きの斜面に立地しており,土壌の条件も含めて,馬鈴薯の栽培には非常に適していた。出来た早堀の馬鈴薯の味は格別という。加えて,段々畑は集落の真後に立地しており,車等を使わずとも畑に容易に赴くことが出来た。現在の地元の耕作者は皆,高齢だが,散歩がてら段々畑に赴き,草引きをするのが日課だという。

一方で,水荷浦にとって段々畑は,消去法の解であった。例えば,水荷浦は,同じ旧遊子村の集落に比べて,耕地面積に占める果樹園の割合が低い(低かった)。水はけの良い傾斜地を利用した農業として,ミカンなどの柑橘類の栽培が有名だが,水荷浦には長く続けていけるような果樹園に適した土地は多くはなかった。高齢者の仕事の場という面でも,段々畑以外の農地をほとんど有さない水荷浦にとって,海での仕事が手伝えなくなった時の選択肢は,段々畑しかなかった。

ネガのなかで築き磨かれてきたポジは,現在,耕作者の自信・自慢の種となり,地域の誇りとなっているという。
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素数・友愛数・完全数

2006年01月14日 | 本と音楽の話題
映画公開間近の話題の一冊を手に取ってみました。タイトルに惹かれてしまった感じです。80分しか記憶がもたない数学者と,その家政婦と息子の話,文章の中に数式が出てくるという何とも風変わり小説。

数学と文学,水と油のように感じるものが,何とも心地よく馴染んでいて,読後感のいい物語でした。

映画では,博士(数学者)の役を寺尾聡が演じるみたいで,「半落ち」で涙ぐんでしまった者的には,今度も映画館に足を運んでみようかと…。

→ 小川洋子『博士の愛した数式』新潮文庫
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カレンダー始めました!

2006年01月08日 | その他の記事
2006年の年賀状を見て頂いた方に,カレンダーを作ってみては?というアイディアを頂きました。個人的に,デスクトップの壁紙は,風景写真家の方のHPで公開しているカレンダー付きの画像を愛用していたのですが…,歳時や暦をテーマに書き綴ってきた,このblog発のカレンダーを,自分で作ってみるもいいかと思いました。

ってな訳で,旧年中に当blogで紹介した画像を中心に用いて,カレンダー付きの画像を,月一で公開していこうかと思います。もしお気に召しましたら,デスクトップのお供に使ってやって下さい。

さしあたり壁紙向けの風景写真を用いた普通のものを作っていこうかと考えていますが,後々は「旬の食材暦」や「七十二侯カレンダー」なんて,マニアックなものも作れると楽しいかな?とは思っています。

1月分は,昨年の11月にラムサール条約の登録湿地となった蕪栗沼の朝焼け。この写真を撮影した数分前にマガンの飛び立ちが見れました。無茶苦茶寒かったですが,感動的な眺めでした。

→ 「雁と朝焼け」(050121) 

→ 2006年1月:蕪栗沼の朝焼け(640×480)
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なずな七草,せりかちかち

2006年01月07日 | こよみ・四季・歳時記
昨年の秋に,秋の七草のことを随分書いたので,春も…。

秋は観て楽しみますが,春は当然食べて楽しみます。七草粥は,本来6日の夜に食べるもののようなのですが,一日遅れで食しました。「せりなづな 御形はこべら 仏の座 すずなすずしろ これぞ七草」という歌は有名ですが。母は「なずな七草,せりかちかち。唐土の鳥が日本の土地に,まだ飛び渡らぬ先に,なずな七草,せりかちかち。」という歌を歌いながら七草を刻んでいました。子供ながらに印象的だったようで,今でも節をつけて歌えます(^^)本来なら自分で畦道とかを歩き,探してきて食べたかったのですが,さすがにそこまで難しく…,近くのスーパーで売っているものを買ってきました。スーパーで買ってくれば分かるのですが,食す場合には,七草内でかなりの重み付けがあるようで,スーパーで売っていた七草セットの内訳を見てみると,中身の大部分は占めるのは,はこべら,見た感じ8割ははこべら(はこべ)。すずな,すずしろ,せりは普段からよく食べているものですの問題はありません。残ったのは,なずな,ごぎょう,ほとけのざ。この3つは,七草セット内では申し訳程度に入っているのみ。恐らくちょっと難ありの3組なのだと思います。個人的には,ごぎょう(ははこぐさ)が一番・・・だった気がします。恐らくですが,この重み付けを間違えて,七草粥を作ると,完食が困難なお粥が出来てしまうのだと思います。

本年の皆様の無病息災を願います。
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耕して天に至る

2006年01月01日 | ちょっといいとこ,いい景色
小さな漁村の背後に聳える灰色の壁。遠目には,巨大なコンクリート法面にも見える。

愛媛県は宇和島市,宇和海につき出した半島の中程にその壁はある。近付いてみると,それが幾段にも重なった石積みの段々畑であったことに気付く。黒い模様のように見えるものは,ビニールの温床。暖かいビニールの下では,早掘りの馬鈴薯が元気よく芽吹いている(夏から秋にかけては薩摩芋が育てられる)。大人でも足がすくんでしまうような急斜面が,今なお丁寧に耕し続けられている。斜面からは,冬でも穏やかな宇和海に浮かぶ真珠や魚の養殖筏と小さな島々が見える。

リアス式海岸で有名のこの地域は,古くから漁業が盛んであった。その一方で,平坦な場所はほとんどなく,大きな河川もなかったため,自給のための食糧と水には,苦労し続けてきた。その苦労が生み出したものが「耕して天に至る」といわれるこの段々畑という訳である。

かつては,この地域のいたるところで見られた段々畑も,現在では,蜜柑畑に姿を変えたり,放棄され,草や灌木が茂る藪のようになってしまっている。写真の遊子水荷浦地区の段々畑は,地元の保存会やオーナー制度などにより,その保存に尽力がなされている。

→ 重い荷物はモノレールで運ぶ
→ 階段のない場所は梯子で上る

追記:
1月8日(日)8時からNHKの「小さな旅」で,水荷浦地区の段々畑が紹介されるそうです。
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