徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

酒造好適米 其の一「強力」

2008年09月24日 | 日本酒・ワイン・酒・食材・旬
毎度,日本酒の話です。

鳥取にいた頃に印象に残っている日本酒が3つあって,そのうちの1つが以前に紹介した諏訪酒造の「満天星」,それからローカル線で揺られ酒蔵を訪ねた「香住鶴」,そして最後の1つがこのお酒。

大学の頃,よく遊んでもらっていたサークルの先輩が呑み会の席に持って来て下さったもの・・・。当時は,日本酒のことは詳しくなかったので,“良いお酒で造るのに鳥取大学が関わったらしいぐらい”だったのですが,紙コップ(今にして思うともったいない)で飲ませてもらった時の印象「まるで水のように透明感のある感じ」が鮮烈だったことだけは記憶していて・・・,取り寄せてみました。

「強力」というのは,大正から昭和初期にかけて,鳥取県で広く栽培されていた酒米(酒造好適米)で,背丈の高さ等に起因する栽培の難しさから昭和29年に姿を消した鳥取県の特産米でした。

その「強力」を「本来の地酒とは何か?」いう視点に立ち,昭和63年に鳥取大学に保存されていた少量の種子を用い復活させ,造られた吟醸酒がこのお酒。

舌が多少肥えてしまったせいか,当時ほどの鮮烈さを味わうことは出来なかったものの,やはり透明感と深みを共存させたその味わいは絶品。美味しく頂きました。

→ 中川酒造
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大谷石「地下空間」

2008年09月18日 | ちょっといいとこ,いい景色
“自分の立っている場所の下(地下)は,どうなっているのだろうか?”

普段はそんなことを気にしない人でもここに来ると,そんな思いにかき立てられるはずである。

栃木県宇都宮市大谷,大谷石の産地と有名な地区。

以前にも一度訪れたことがあったのだが,あらためて再訪。前回は休館日で入ることの出来なかった大谷資料館に。大谷資料館はかつての大谷石の採掘場の跡を開放したもので,巨大な地下空間と大谷石採掘の歴史をまとめた展示室を見学することができる。

夏でも10℃前後の採掘場跡の地下空間は,思った以上に広く巨大で驚かされる。採掘場→地下軍事工場→政府米保管庫と時代の流れの中で様々な用途に使われてきた空間は,現在,見学のほかに,演劇やコンサートなどのイベントにも活用されている。

一方で,地域内に数多く残る採掘場跡は,産業廃棄物の不法投棄,崩落の危険性など多くの課題を抱える。

課題の解決は,採掘をやめることではなく,大谷石の採掘がもたらした負の遺産を踏まえながら大谷石を使い,地域のアイデンティティとして位置付けていくこと・・・。

人と大谷石の関係は続く。
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