桜の花弁が鮮やかに開いては散り、世界の彩りとともに種々雑多な生き物たちが次々に動き始めては高らかに声を上げていく。それはまるで、己の存在を誇示するかのように。
風薫る春の季節、その時を謳歌するように刀也はのんびりと緑茶を淹れていた。西洋の紅茶も悪くない、大陸のそれも独特で面白そうだ。しかし今は日本茶が飲みたい気分である。
つくづくこの国の人間だなぁと思いながらお茶請けとともに盆へと載せると、てってこと縁側へと向かった。
「愛~、ちょっと休憩にしよう」
朗らかな表情で恋人の名前を呼ぶ刀也。
普段の仏頂面の彼を知る者ならば、きっと『誰てめぇ』な光景として映ることだろう。それくらい他所ではお目にかかれない。
「どうしたんだろ? 返事がないが・・・」
確かに布団の取り入れを頼んでいたはずだけど。そんなちょっとした疑問符が沸くが、それも縁側に着いて見回すとすぐに氷解する。
すぅすぅと声ではない声を出し、彼女は柱の一角に体を預け舟を漕いでいた。
だが心地良い日差しと空気に包まれては、それも無理のない所か。
「相変わらず・・・」
盆を傍らに置くと、嫌みのない苦笑を浮かべつつ、お陽さまが香る畳まれたばかりの薄い布団に手をかける。
このまま寝てると風邪をひきそうだ。彼女の側で軽く羽織らせようとし、しかし、ここで意図しなかった感情が現れた。
「・・・そういえば、寝顔を見るのは久々な気もする・・・」
幸せそうに眠る彼女を見て、最近の事が頭をよぎる。此処暫くの間、他所にばかり足を運んでいた。だが、それも漸く一段落つき、今はこうしている。
その辺もあってだろうか。こんなことを気に留めたのが少々驚きであった。
少し余裕が出来たということか? 自分の中の疑問に解答を当てはめるも、しかしそれもすぐに霧散する。
「・・・時間を作るべきかな。せめて、いつも気にかけれるぐらいに」
自然、彼女へと手が伸び、刀也はごく当たり前の風情で抱きしめていた。
癖の無いさらりとした髪に絹織物の様な肌、帯びた熱が重なっては柔らかく伝わり、胸の内が音を刻む。
その熱に充てられたのか、刀也は惹かれた恋人と長い長い口付けを交わした。
重ねた余韻を楽しみたいのか、ゆるりとそれを離すと、自然、表情がふにゃりと弛緩する。
だがそれも、淡雪の時間。
自分の様にはっと気付くや、途端、羞恥心が湧き出て朱に染まるのを自覚する。傍目で見ている人間がいるならば、湯気でも吹かんばかりに映るだろう、それ。
居た堪れなくなったのか、ふいと思わず顔を下げ、次いでおっかなびっくり彼女の方へと目をやり―――固まった。
「あの・・・トウヤくん・・・」
「あああ、愛!? いや、これは・・・ッ!?」
どう見ても起きてました。本当にありがとうございます。
はてさて、どんな対応したらいいのやら。この素敵な状況は、二人を熟れきった林檎の様に染め上げていた。とはいえ、愛が嫌がってはいなさそうのは贔屓目なのか、どうなのか。
刀也が混乱する頭をどうにか必死に回転させる。動悸が激しい中でどうにか口を開こうとするも、しかし神様はこの程度では許してはくれないらしい。
「………そういうのは、もちょっと人の見えない場所の方がいいと思うんだ」
突然の声に心臓が一際強く鳴り、びくりと驚き慌てては振り返る。そこには、顔を伏せたミリートが佇んでいた。健康的な肌を耳まで真紅に上気させ、嫌が応にも状況を理解させる。
「ミリー・・・・ト? ひょっとしなくても・・・」
「・・・・・・うん、全部見てた」
ぱりーん。刀也ん、更なる受難の道へようこそ。
ぶっちゃけ、自業自得である。情熱の律動に突き動かされたツケは、余りにも大きいようだ。恐らく、刀也の視界は真っ暗であろう。
三者三様に染まっては混乱する中、どうしようもなくうろたえた刀也が、回らない頭で弁解に駆け回る。
「あはは~、そんな照れなくてもいいですよ~? それに、恥ずかしいのは私の方ですし~」
「……トウヤくん、いっつもあんなことしてるの?」
しかし、そんなのは当然のように馬耳東風。愛からは子供をあやすような笑顔で抱き締められては宥められ、第三者のミリートからはジト目で容赦ないツッコミがトントコ入れられる。
詰まる所、
すごく・・・滑稽です・・・。
この状況を見ている人がいたら、恐らくこう口にするのだろう。
春だねぇ、と。
はい、どうも。
今回、刀也んの恋人さんにお越しいただきました。ちゃんとGMさんの許可は取ってありますよ。
うん。まぁ、お馬鹿話がやりたかったんだ、すまない。でも、全く後悔はしていない!
寧ろ清々している!!(オイ)
シリアスもいいのですが、こういう方が楽しいよね!! (ビシィッ)
というか、あれですよ。
刀也んの過去話は無駄に時間かけたのに、お馬鹿話だと割とすぐ出来るって、どういうことなの・・・(爆)
そりゃどうも・・・。
で、ちょっとまて。今回、配役おかしいだろ、色々と!
普通、俺がやったポジションて愛がなるんじゃないのか!?
(-― )
はっはっは。それだと展開が変わっちゃうじゃないですか。
それに、依頼でヒロイン表記された『男の子』が何を仰るのやら。個人的にはこれで間違ってないつもりです。
つか、刀也んはベタ惚れなんで実際やってそうですし(ヲイ)
―――ッ!? その減らず口を叩けないよう、針で縫って蝋で固めてやる!!
・・・・・・・一番気不味いのは、それを目撃する私なんだけど(ぁ)
トウヤくん、もうちょっと抑えて欲しいかも・・・(顔伏せ)
(-― )
そんな訳で、今回はこれで(ノシ)
風薫る春の季節、その時を謳歌するように刀也はのんびりと緑茶を淹れていた。西洋の紅茶も悪くない、大陸のそれも独特で面白そうだ。しかし今は日本茶が飲みたい気分である。
つくづくこの国の人間だなぁと思いながらお茶請けとともに盆へと載せると、てってこと縁側へと向かった。
「愛~、ちょっと休憩にしよう」
朗らかな表情で恋人の名前を呼ぶ刀也。
普段の仏頂面の彼を知る者ならば、きっと『誰てめぇ』な光景として映ることだろう。それくらい他所ではお目にかかれない。
「どうしたんだろ? 返事がないが・・・」
確かに布団の取り入れを頼んでいたはずだけど。そんなちょっとした疑問符が沸くが、それも縁側に着いて見回すとすぐに氷解する。
すぅすぅと声ではない声を出し、彼女は柱の一角に体を預け舟を漕いでいた。
だが心地良い日差しと空気に包まれては、それも無理のない所か。
「相変わらず・・・」
盆を傍らに置くと、嫌みのない苦笑を浮かべつつ、お陽さまが香る畳まれたばかりの薄い布団に手をかける。
このまま寝てると風邪をひきそうだ。彼女の側で軽く羽織らせようとし、しかし、ここで意図しなかった感情が現れた。
「・・・そういえば、寝顔を見るのは久々な気もする・・・」
幸せそうに眠る彼女を見て、最近の事が頭をよぎる。此処暫くの間、他所にばかり足を運んでいた。だが、それも漸く一段落つき、今はこうしている。
その辺もあってだろうか。こんなことを気に留めたのが少々驚きであった。
少し余裕が出来たということか? 自分の中の疑問に解答を当てはめるも、しかしそれもすぐに霧散する。
「・・・時間を作るべきかな。せめて、いつも気にかけれるぐらいに」
自然、彼女へと手が伸び、刀也はごく当たり前の風情で抱きしめていた。
癖の無いさらりとした髪に絹織物の様な肌、帯びた熱が重なっては柔らかく伝わり、胸の内が音を刻む。
その熱に充てられたのか、刀也は惹かれた恋人と長い長い口付けを交わした。
重ねた余韻を楽しみたいのか、ゆるりとそれを離すと、自然、表情がふにゃりと弛緩する。
だがそれも、淡雪の時間。
自分の様にはっと気付くや、途端、羞恥心が湧き出て朱に染まるのを自覚する。傍目で見ている人間がいるならば、湯気でも吹かんばかりに映るだろう、それ。
居た堪れなくなったのか、ふいと思わず顔を下げ、次いでおっかなびっくり彼女の方へと目をやり―――固まった。
「あの・・・トウヤくん・・・」
「あああ、愛!? いや、これは・・・ッ!?」
どう見ても起きてました。本当にありがとうございます。
はてさて、どんな対応したらいいのやら。この素敵な状況は、二人を熟れきった林檎の様に染め上げていた。とはいえ、愛が嫌がってはいなさそうのは贔屓目なのか、どうなのか。
刀也が混乱する頭をどうにか必死に回転させる。動悸が激しい中でどうにか口を開こうとするも、しかし神様はこの程度では許してはくれないらしい。
「………そういうのは、もちょっと人の見えない場所の方がいいと思うんだ」
突然の声に心臓が一際強く鳴り、びくりと驚き慌てては振り返る。そこには、顔を伏せたミリートが佇んでいた。健康的な肌を耳まで真紅に上気させ、嫌が応にも状況を理解させる。
「ミリー・・・・ト? ひょっとしなくても・・・」
「・・・・・・うん、全部見てた」
ぱりーん。刀也ん、更なる受難の道へようこそ。
ぶっちゃけ、自業自得である。情熱の律動に突き動かされたツケは、余りにも大きいようだ。恐らく、刀也の視界は真っ暗であろう。
三者三様に染まっては混乱する中、どうしようもなくうろたえた刀也が、回らない頭で弁解に駆け回る。
「あはは~、そんな照れなくてもいいですよ~? それに、恥ずかしいのは私の方ですし~」
「……トウヤくん、いっつもあんなことしてるの?」
しかし、そんなのは当然のように馬耳東風。愛からは子供をあやすような笑顔で抱き締められては宥められ、第三者のミリートからはジト目で容赦ないツッコミがトントコ入れられる。
詰まる所、
すごく・・・滑稽です・・・。
この状況を見ている人がいたら、恐らくこう口にするのだろう。
春だねぇ、と。
はい、どうも。
今回、刀也んの恋人さんにお越しいただきました。ちゃんとGMさんの許可は取ってありますよ。
うん。まぁ、お馬鹿話がやりたかったんだ、すまない。でも、全く後悔はしていない!
寧ろ清々している!!(オイ)
シリアスもいいのですが、こういう方が楽しいよね!! (ビシィッ)
というか、あれですよ。
刀也んの過去話は無駄に時間かけたのに、お馬鹿話だと割とすぐ出来るって、どういうことなの・・・(爆)
そりゃどうも・・・。
で、ちょっとまて。今回、配役おかしいだろ、色々と!
普通、俺がやったポジションて愛がなるんじゃないのか!?
(-― )
はっはっは。それだと展開が変わっちゃうじゃないですか。
それに、依頼でヒロイン表記された『男の子』が何を仰るのやら。個人的にはこれで間違ってないつもりです。
つか、刀也んはベタ惚れなんで実際やってそうですし(ヲイ)
―――ッ!? その減らず口を叩けないよう、針で縫って蝋で固めてやる!!
・・・・・・・一番気不味いのは、それを目撃する私なんだけど(ぁ)
トウヤくん、もうちょっと抑えて欲しいかも・・・(顔伏せ)
(-― )
そんな訳で、今回はこれで(ノシ)