テムノスとイリオネスは、歓談に及ぶ。
『ところでイリオネス殿、このたび、こちらへ来られた用件は、いかなる用件ですかな?』
『聞いていただけますかな。私らの用向きは、クレタ島の東地区への営業航海です。テムノス浜頭殿のもとへ新艇を納めさせていただいてのお礼の訪問でもあります。私らが手掛けて建造した新艇が不具合なく使っていただいているかの気がかりがあって、こちらへ来た次第です』
『ほう、そうか。それは先ほどオキテス殿から聞いている。イリオネス殿から聞くと用件に重みを感じますな』
『私らは、新艇を建造して納入をして使っていただいている方から、意見をいただき、ここをこうしたら船としてもっと使いよくなるといった改良点を教えていただき、これからの船づくりを行っていきたいと考えています』
『ほう、そうか。うまく言われる。なかなか殊勝だな。そのことについては、明朝、当方の船に乗り組んでいる者らに尋ねてくださればいい』
『あ~あ、それから、申しおくれました。パムテキオのパキオテ頭領殿への新艇の納入について力添えをいただき誠にありがとうございました。厚くお礼を申し上げます』
『おう、そのように感謝されるとうれしい、また機会があれば力を貸したくなるではないか。パキオテ頭領のところへの納入の折のことについては彼から聞いている。軍船を仕立てて納入に赴いたそうではないか。また、道中においての不逞の輩との海上交戦のことも耳にしている。大変だったな』
『長途の納入航海に身の安全を計ったまでのことです。その折にもスダヌス浜頭に案内してもらっての航海でした。そのようなわけでスダヌス浜頭の手をわずらわせています』
『おう、スダヌス、八面六臂の大活躍というところだな』
『ハッハッハ、テムノス浜頭、八面六臂の大活躍とは少々オーバーですな。ただ、このクレタ島について、この俺が彼らよりよく知っているということで手伝っているということです』
『いやな、我々としてもだな、お前がいるということでイリオネス殿のところの扉を開けて、気安く出入りして交流している。そのようなわけだ』
スダヌスが酒ツボを手に取る、声をかける。
『テムノス浜頭、ありがとうございます。飲みほしてください、酒を注ぎます』
『お~、ありがとう!手の届くところにあるもので勝負にきたな!お前も杯をあけろ、俺が酒を注ぐ!』
『イリオネス殿、さあ~、飲んで飲んで、杯をあけてください、注ぎます!』と言って、テムノスは、二人の酒杯を酒で満たした。
彼らは、話、言葉のやり取りを一段落させて食べる、飲むに集中する。
『テムノス殿、この魚、旨いですな!』
『あ~あ、それか。久々にアミにかかった大魚だ!魚の名前は定かではない。文句なしにうまい魚だ』
『ところでイリオネス殿、このたび、こちらへ来られた用件は、いかなる用件ですかな?』
『聞いていただけますかな。私らの用向きは、クレタ島の東地区への営業航海です。テムノス浜頭殿のもとへ新艇を納めさせていただいてのお礼の訪問でもあります。私らが手掛けて建造した新艇が不具合なく使っていただいているかの気がかりがあって、こちらへ来た次第です』
『ほう、そうか。それは先ほどオキテス殿から聞いている。イリオネス殿から聞くと用件に重みを感じますな』
『私らは、新艇を建造して納入をして使っていただいている方から、意見をいただき、ここをこうしたら船としてもっと使いよくなるといった改良点を教えていただき、これからの船づくりを行っていきたいと考えています』
『ほう、そうか。うまく言われる。なかなか殊勝だな。そのことについては、明朝、当方の船に乗り組んでいる者らに尋ねてくださればいい』
『あ~あ、それから、申しおくれました。パムテキオのパキオテ頭領殿への新艇の納入について力添えをいただき誠にありがとうございました。厚くお礼を申し上げます』
『おう、そのように感謝されるとうれしい、また機会があれば力を貸したくなるではないか。パキオテ頭領のところへの納入の折のことについては彼から聞いている。軍船を仕立てて納入に赴いたそうではないか。また、道中においての不逞の輩との海上交戦のことも耳にしている。大変だったな』
『長途の納入航海に身の安全を計ったまでのことです。その折にもスダヌス浜頭に案内してもらっての航海でした。そのようなわけでスダヌス浜頭の手をわずらわせています』
『おう、スダヌス、八面六臂の大活躍というところだな』
『ハッハッハ、テムノス浜頭、八面六臂の大活躍とは少々オーバーですな。ただ、このクレタ島について、この俺が彼らよりよく知っているということで手伝っているということです』
『いやな、我々としてもだな、お前がいるということでイリオネス殿のところの扉を開けて、気安く出入りして交流している。そのようなわけだ』
スダヌスが酒ツボを手に取る、声をかける。
『テムノス浜頭、ありがとうございます。飲みほしてください、酒を注ぎます』
『お~、ありがとう!手の届くところにあるもので勝負にきたな!お前も杯をあけろ、俺が酒を注ぐ!』
『イリオネス殿、さあ~、飲んで飲んで、杯をあけてください、注ぎます!』と言って、テムノスは、二人の酒杯を酒で満たした。
彼らは、話、言葉のやり取りを一段落させて食べる、飲むに集中する。
『テムノス殿、この魚、旨いですな!』
『あ~あ、それか。久々にアミにかかった大魚だ!魚の名前は定かではない。文句なしにうまい魚だ』
