『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1152

2017-10-31 08:31:09 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『ほっほう、そうですか。マリアの集散所から、キドニアの集散所へ、イリオネス殿のところで建造した船の引き合いが届いた、そういうことですな』
 『はい、そうです』
 『それで、今月中に発注したいといっている。そういうことですか。イリオネス殿の方としては、納得して発注していただきたい、その機会の提供ということですな』
 『はい、そうです』
 『それでテムノスとしては、それなら、力を貸してやろうと同道してきたわけか。話が見える、見えてきています。私も、今、手がすいています、タイミングとして、マリアに所用があります。テムノスと話し合って、この私も手伝いましょう。明日、マリアへ同道いたします』
 『ありがとうございます』
 『それで、ひとつ尋ねますが、船の取引価格ことですが、どうされていますかな?』
 『船の取引価格については、その一切を集散所のほうに一任しています』
 『それは賢明なやりかたです。取引価格は集散所に任せておかれて大丈夫です。クレタ島全域の価格が統一されます。このクレタ島で発生する船舶の取引頻度、取引量、それらに関する、船舶の価格相場、取引形態等、集散所に任せる。安心の取引ができるというものです。また、船舶を求める方にとっても集散所を介することで取引を安心して行えるということです』
 『解りました。このクレタ島における大型商品の取引に関してのことを理解いたしました』
 『このクレタ島の東地区において、マリアの集散所は、島民にとって信頼されている集散所なのですな』
 『明日、エドモン浜頭がマリアへ同道下さる、ありがとうございます。私らにとってとても心強いことです。私らの営業の予定は、明日は集散所と打ち合わせを行い、明後日には、船の試乗会の催行を予定しています。よろしく願います』
 『船を引き合いされた方が誰であるか、それはわかりませんが、発注ということになるよう手伝います。そのように計らいます』
 『解りました』
 エドモン浜頭とイリオネスの話し合いが終わる、エドモンがテムノスと目を合わせる。
 『おう、テムノス、いま、イリオネス殿と話し合った件だが、明朝、出航前にマリアにおける対処を打ち合わせるがいいかな?スダヌスも同席してくれ』
 『解りました』
 テムノスとスダヌスが返事を唱和する。
 『イリオネス殿、そういうことです。明日、マリアの集散所へ同道いたします。私もあなた方が造った船にひとかたならぬ興味があります。テムノスからは船を購入したことは聞いて知っています。試乗会の催行に力を貸します。以上です』
 『このような仕儀になろうとは考えてもいませんでした。私らもこの業務に力を尽くします。よろしく願います』
 『明日の出航ですが、マリア着、昼前頃の予定でイラクリオンを出ましょう。係留については私が案内します』
 『解りました。その予定で出航の準備を整えます』
 『では、半刻後くらいには夕食の準備が整います。ご両人でこちらにおいで下さい』