マリアへの営業航海に就航している試作戦闘艇は、艇首甲板があり、続いて、座席が構成されている。最前列の席は漕ぎ座ではなく艇に座乗する者の座席となっている。左右両舷に2座が配されている。次の座からが漕ぎ座となっている。舷に沿って片厳12座、両舷合わせて24座が艇尾に向かって配されている。そして、艇尾に舵座が設けてあるといった構造である。
イリオネスとテムノスが座しているのは最前列左舷の座である。
オキテスがイリオネスに声をかける。
『軍団長、イラクリオンの係留の浜へは、スダヌス浜頭の操舵によって着港させることになっています。イラクリオンの浜が指呼の前方に見えてきています』
『おう、考えていた着港時間より、早い到着だ』
『着港後はゴッカスの指示により、艇の点検整備作業となります』と伝えて、ゴッカスに作業の件を指示する。
座を立って、艇尾に向かうゴッカス、スダヌスと着港について打ち合わせる。
『おう、ゴッカス、帆張りはもう下ろしていいだろう』
ゴッカスが指示を発する。
『全帆をおろせ!漕ぎかた、漕ぎ開始!』
スダヌスは慎重舵操作で浜の係留位置に艇を就ける。後続のヘルメス艇もギアスが慣れた要領で係留位置に就けた。
イラクリオンの浜の東部、この一帯はエドモン浜頭が仕切っている浜である。その一画に2艇は無事に着いた。
一行は、艇を下りる、浜に揚がる、一同は無事の着港を喜び合った。
ギアスとゴッカスが顔を合わせる。
『おうっ!ゴッカス、いい天気、いい風に恵まれた航海であったな。それにしても考えていた航走時間がかからなかった。イラクリオンについたのが早かったな。日没くらいかなと思っていた』
『そうだな、太陽がまだこの高さにある。スダヌス浜頭にそのあたりのことを聞いてみようではないか』
二人はスダヌス浜頭の傍らによる、問いかける。
『スダヌス浜頭、艇の船足が速く、予定航走時間をかけずに到着したのでは?』
『おう、そうだな、櫂を使うことなく、いい風に押されて艇がよく走ってくれた。そのおかげだな。いい走りでイラクリオンについた。速かったな。この時間でこれだけの行程を航走したのは俺も初めてだ』
『そうですか、時間はどれくらいかかっていますか?』
『通常であれば、レテムノンからイラクリオンまでは、三刻と四半刻といったところだが、この行程を二刻と半刻くらいで走破したように思う。ギアス、お前のヘルメスも速かった。先行している俺らの艇によくついて走ってきた!重畳重畳!』
三人は、手を握り合って、この航路行程を速い船足で乗りきったことを喜び合った。
イリオネスとテムノスが座しているのは最前列左舷の座である。
オキテスがイリオネスに声をかける。
『軍団長、イラクリオンの係留の浜へは、スダヌス浜頭の操舵によって着港させることになっています。イラクリオンの浜が指呼の前方に見えてきています』
『おう、考えていた着港時間より、早い到着だ』
『着港後はゴッカスの指示により、艇の点検整備作業となります』と伝えて、ゴッカスに作業の件を指示する。
座を立って、艇尾に向かうゴッカス、スダヌスと着港について打ち合わせる。
『おう、ゴッカス、帆張りはもう下ろしていいだろう』
ゴッカスが指示を発する。
『全帆をおろせ!漕ぎかた、漕ぎ開始!』
スダヌスは慎重舵操作で浜の係留位置に艇を就ける。後続のヘルメス艇もギアスが慣れた要領で係留位置に就けた。
イラクリオンの浜の東部、この一帯はエドモン浜頭が仕切っている浜である。その一画に2艇は無事に着いた。
一行は、艇を下りる、浜に揚がる、一同は無事の着港を喜び合った。
ギアスとゴッカスが顔を合わせる。
『おうっ!ゴッカス、いい天気、いい風に恵まれた航海であったな。それにしても考えていた航走時間がかからなかった。イラクリオンについたのが早かったな。日没くらいかなと思っていた』
『そうだな、太陽がまだこの高さにある。スダヌス浜頭にそのあたりのことを聞いてみようではないか』
二人はスダヌス浜頭の傍らによる、問いかける。
『スダヌス浜頭、艇の船足が速く、予定航走時間をかけずに到着したのでは?』
『おう、そうだな、櫂を使うことなく、いい風に押されて艇がよく走ってくれた。そのおかげだな。いい走りでイラクリオンについた。速かったな。この時間でこれだけの行程を航走したのは俺も初めてだ』
『そうですか、時間はどれくらいかかっていますか?』
『通常であれば、レテムノンからイラクリオンまでは、三刻と四半刻といったところだが、この行程を二刻と半刻くらいで走破したように思う。ギアス、お前のヘルメスも速かった。先行している俺らの艇によくついて走ってきた!重畳重畳!』
三人は、手を握り合って、この航路行程を速い船足で乗りきったことを喜び合った。
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