メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

タロットカード殺人事件

2009-01-19 18:24:43 | 映画
「タロットカード殺人事件」 (Scoop 、2006英・米、95分)
監督・脚本:ウディ・アレン
スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン、ウディ・アレン、イアン・マクシェーン、ロモーラ・ガライ
 
気楽に見られるコメディで、よく出来ている。あまりスリリングではないが。
ウディ・アレンは若い女優が好きで、監督としての起用、また共演が多い。ただスカーレット・ヨハンソンの場合は、「マッチポイント」(2005)でよほどうまがあったのだろう、これは名コンビであり、珍道中の雰囲気もある。
スカーレットが相手となれば、もう孫娘のようなものだろう。
 
ロンドン、そして郊外の貴族屋敷を舞台にしたのも、絵として楽しい。
物語は、死後の世界から戻ってくる人(イアン・マクシェーン)がいるくらいだから、おとぎ話も半分、推理ものとしてステロタイプでありながらむしろそれゆえ二人の掛け合いを楽しめるというつくりは、アレンが楽しみながら作った結果であろう。
 
スカーレット・ヨハンソンは、この作品や「私がクマにキレた理由(わけ)」(2007)など、このところ、ちょっと田舎っぽい、小柄で太めだが見方によってはいいスタイル、という得がたい型を作っている。
もちろんあのシンプルすぎる水着や眼鏡は、自信のあらわれと取れないでもない。
ヒュー・ジャックマンは、こういう2枚目をやらせれば今一番かもしれない。
 
最後の落ちは、少し前に予想がついてしまったが、それでもがっかりするほどではない。
 
アレンが終盤に飛ばして運転するミニカーのベンツ・スマート、「ソフィー・マルソーの過去から来た女」 (2007)ではカー・チェイスにも使われていた。これまでミニが使われることがあったが、映像のインパクトならスマートだろうか。シリアスなカー・チェイスには向かないけれど。

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