先月の土曜日会社近くのラーメン店で昼から飲んでいた。大した量は飲んでいないのでほろ酔い程度のはずだが昼のアルコールは回るからか結構酔っぱらっていたらしい。
らしいというのはその後しばらく日がたってから、店の奥さんの小雅(シャオヤン)さんから「私さん」届いたよ~と私の携帯に電話がかかってきた。 私? シャオヤンさん? 重たいから店の外に置いてあるよと互いに怪訝な会話がなされた。 私は???重たいって何? え~~~やだ~頼まれた紹興酒届きました。と独特の日本語のイントネーションでシャオヤンさん。
そこで初めて私は紹興酒を頼んだ事をやっと思い出した!
この頃の私は普段でも物事への執着心が薄くなり他人から前日の話題を持ち出されてはじめてその日の事を思い出す感覚になっているのだ。起きた事に対して若い時ほどのこだわりがなくなっているのだろう。 良く解釈すると私は人間が丸くなったのか 枯れてきたのか。。
カッコつけて言うと枯淡の境地に入ったのか?
家族には単なる痴呆が始まったと言われている。言い返せない自分が悔しいなぁ。w
お酒が弱くなったのでたくさん飲むわけで無い、しかし少しの酒で気持ちよくなるんだ。それだけなら経済的にお得になったという話で終わるのだが、気持ちよくなった程度に飲んだ結果そのときの印象が薄いのだ。そう記憶がないのではなく出来事の印象が薄いのだ。
という事でこれから書くことは私のその状況から起きた出来事と思ってもらいたい。 どうも理屈屋なのと文才がないので言い訳、まえ振りが長い。
私は香港に事務所を構えて食品の貿易をしていた関係でお隣の大陸にもかなりの頻度で出かけていた。その体験の中で大陸の食べ物に憧れを持つようになった。その一つが浙江省の紹興酒だ何時かは本場へ出向き本物の紹興酒を飲みたいと密な夢を持っていた。
ほろ酔い時の記憶の中でシャオヤンさんが近くの親しい中華料理店で美味しい紹興酒を飲んだと私に話しかけていた、何でも甕から出した紹興酒で浙江省産の紹興酒という事だ。そして美味しいを強調するのでつい「それ飲みたいな」と言った。それから後の詳しい会話は断片的にしか覚えていないのだが、甕の紹興酒は最高だからお値段は高くてもいいから買ってもらいたいとお願いしたのだ、まああこがれの甕の紹興酒だし大陸迄出かけることを思えば多少高くてもいいとアホ親父は考えたんだろうね。 24Lも有ること確かめもせず。。。
そして先ほどのシャオヤンさんとの携帯の会話に行き着くのだ。
さっそくお店に出向いてみたら!
なななんと大きい。店に入らず外に一晩おいてあったらしい。
そりゃ大きいわ、ににに十四Lだもの~~
さすがにシャオヤンさんは大陸人だ、びくともせず「ねっいいでしょう!」
私さん目がテン。
お値段は2万円とのことで、シャオヤンさん「安いよ~」
どこまでも大陸的。
私さんはどこもスケールちっちぇーな~~~。 (涙
持ち帰り時車に乗せるにも一苦労王さんに手伝ってもらった。
家へ着いてからは私一人で何とか車から降ろして一寸摺りで家の中へ入れた。
段ボールを分解した中身
蓋は石膏でがっちり固めてある。
さてどうした物か、蓋の取り方がわからない。
王さんに電話で聞いてみたがカナヅチで割るみたいだよ程度の回答
しかしだね、カナヅチ振り上げて石膏を割ったらなかの甕迄割れそうだヨ。
仕方なくそれでもとユーチューブで調べたら載っていた。
見よう見まねで、恐る恐るドライバーをセットーで叩いた
なんとか鏡開き成功。
まず最初に笹の葉が出てきた。
それを剥ぐと、次は蓮の葉に包まれていた。
それが最後で後は栓もなかった。
蓮の葉を剥ぐと、急に芳醇な香りがあたりに漂った。
う~ん良い香りだ、これだけでもこの紹興酒は旨い事がわかる。
早速周りに飛び散った石膏の破片や粉をきれいに片づけて
甕の口をきれいに拭いて。。。
いよいよ中の紹興酒をそっと汲みだしてみた。
おおおお綺麗に澄んだ琥珀色だ!
香りも最高!
ユーチューブでふたの開け方を見たときに、知ったのだが
長期貯蔵の紹興酒は全体の一割程度の上澄み部分の酒は特別に美味いらしく
中華料理店では別途料金で提供するらしい。
調べておいてよかった。
24Lの一割なので、凡そ2L分を早速一升瓶に取り分けて別途保管した。
その後はデキャンタに取り分けて常温で飲んでみたが、シャオヤンさんが
言う通りまろやかで癖が全くなく美味しい。
その後に取り分け2Lペットボトルに入れた紹興酒はラーメン店に持ち込んで店にキープ。
日曜日に女房に送ってもらって酢豚など中華料理を頼んで楽しんでいる。
結果的には大正解なのですが。。
小泉今日子風に言うと。。
なんてったって24L!
古いね。w
小泉今日子 1985年12月25日
又家族から痴呆老人とからかわれる。
量が多いので、お酒好きな知り合いの社長さんや知人に
小分けをして今お届けしている最中。喜ばれている 。 多分。
後日家族はスーパーの本棚に並んでいた本を私にプレゼントとしてくれました。
どうも有難う!