雲ひとつない青空。冷たい北風。
東京も北国に負けず劣らず極寒です。
ホームで、電車を待つのが辛いのか階段で行列ができています。
その間隙をぬって全速力で駆け上がる人がいます。
私は駅のエスカレーターや階段を駆け上がる人を苦々しく思っています。エスカレーターを足速に歩く人もキライです。
というのは、私には苦い思い出があるのです。
3年程前でしょうか。
私は重たいキャリーバッグを持って、ときわ台の駅の階段を上がりホームに向かっていました。ときわ台はエスカレーターもエレベーターもないローカルな駅です。
やっと階段を上がり、キャリーバッグの引き手を伸ばそうとしたその時です。
電車から降りたきた女性が脱兎のごとく走ってきて全身で私にぶつかってきたのです。
私はせっかく上がってきた階段を背面から真っ逆さまに落ちて行きました。そして、踊り場で止まったのです。
私の周りには人だかりができました。
ぶつかってきた女性はその瞬間、逃げましたが、一日中、ハラハラしたでしょうね。
「ときわ台で突き飛ばされた女性。転落死」(笑)
ところが私は恥ずかしさが先にたち、何事もなかったように再びホームに向かいました。
幸い私はかすり傷ひとつ負いませんでした。
これが不思議です。ショルダーバッグが枕になり頭を打たなかったどころか、あとから考えたら、まるで布団を身体に巻いて落ちていったように、どこも痛くなかったのです。数えたら14段ありました。
皆さん、都会は熊は出ませんがこのような猪が出没します。お気をつけください。(笑)(荻山貴美子)