【ノンフィクション作家は、常に二つの罪を背負うという。
ひとつは書くことの罪である。もうひとつは書かぬことの罪である。後者の罪をより重く考え、私は本書を執筆した。】
『女帝小池百合子』の著者、石井妙子氏のあとがきにあります。
さらにこう書かれていました。
【事実を知っていても、それを語ることを憚る空気が昨今、強まっているように感じる。取材者やマスコミへの不信もあるだろう。だが、それよりも何かを語ると大きな災禍が降りかかり、不幸に巻き込まれてしまうように思われ、人の口をつぐませるのだろう。とりわけ語る対象が権力者であれば、なおさらである】
3年半、よくぞ調べに調べたり…と感心することしきりです。
彼女は宿命に抗った。そのためには、「物語」が、必要だった!
小池百合子さんの生い立ちから現在まで…。
しかし、読み進めていくうちにハタと気付いたことがあります。たとえ学歴詐称があろうとも、媚びて、のし上がったと言われようとも、それは小池さん自身が自分の魅力を十分に分かっていた上での大いなる野心なのではないか…と。
「百合子さんは仕草や表情が豊かで、相手の気をそらさない、目を大きく見開いて、じっと上目遣いに相手を見る。男の人は百合子さんをからかっては、彼女がどう切り返すかを期待して喜んでいた。ダジャレやギャグが次々と飛び出す。だからカイロでは男性たちからアイドル的な存在だった」と、カイロに留学していた頃小池百合子さんと同居していた女性が語っています。
小池さんは、予想外の出来事をもろともせず、かえって味方にしてきました。
石原慎太郎氏の「厚化粧の大年増」発言もうまく切り替えしました。
これって小池さんの魅力であり、男社会でのし上がっていくための才能でさえあります。
トランプの暴露本も出ていますが、トランプにとっては暴露でもなんでもなく騒いでくれればくれるほど儲けものではないでしょうか?
本書は、小池百合子さんの暴露本ですが、同時に彼女の魅力満載の本でもあります。
読み終えてみた私の感想は「そんなことどうでもいい!」
今の日本は大変な岐路に立っています。彼女の政治手腕によって東京が変われば日本が変わります。
そうすれば、さらに女性初の総理候補になり最高峰まで上り詰めるでしょう。
日本が変われば、過去がどうあれ、彼女の実力以外のなにものでもありません。