自分の手が好きじゃなかった。
指も形も大きさも。
その人は手のモデルじゃないかと思うほど美しい手をしていた。
細くて長い綺麗な指を持った綺麗な手。
その人のことが大好きだったけど特に大好きなのがこの綺麗な手だった。
「大野くん」
その人の姿を見つけると、かけ寄っていってその大好きなその人のその手を握る。
その人は手をつながれても嫌な顔一つせずそのままでいてくれる。
そしてつないだその手をまじまじと見つめる。
「綺麗な手だね。オレ自分の手が嫌いだからこの手が羨ましい」
そういつも思っていることを口にする。
「ええ?嫌いなの?何で嫌いなの?」
思いもかけない言葉だったようで心底びっくりしたようにそう言う。
「何でって。」
そんなのわかりきっていることじゃんと思いながら
「だって形も悪いし指も短いし…。
大野くんみたいに綺麗な手じゃないし…。」
そんな当たり前なこと、と思いながら答える。
「ニノの手は可愛らしい手だよね」
自分では想像しなかった言葉がその人の口からでる。
「か、可愛らしい?」
びっくりして聞き返す。
「うん、可愛らしい手だなってずっと思ってたよ。」
そう何でもない事のように自然に答える。
「この手が?」
今までどちらかと言えばコンプレックスだった自分の手を見つめる。
「うん。ニノの手。
可愛らしい手だからオレは好きなんだけどね」
大好きな人から思いもしなかった言葉が突然でるから
何だかわからないけど涙が出そうになる。
「好き?この手が?」
涙が出そうなのを堪えながらもう一度確かめたくて聞いてみる。
「うん、オレは好きだよ」
はっきりとその人はそう答えた。
その言葉がただその場を取り繕うための言葉じゃなくて
心からその人がそう言ってくれているというのがこの時なぜだか分かった。
「そうなんだあ、大野くんはこの手が好きなんだ」
思わず嬉しくて同じ言葉を繰り返す。
「うん」
同じ事を何度聞かれても嫌な顔もせずにっこりと微笑みながらそう答えてくれる。
「大野くん、大好き」
こういうところも何もかもやっぱりこの人が大好き。
そう思って思わずその人に抱きつく。
「ふふっ。ニノはそういつも言ってくれるね」
大人なその人は優しくて大きくて自分の中でとてもとても大きな存在。
「だって本当に大好きなんだもんっ」
そう言っていつものようにキスの真似をして
逃げようとしたらチュッと思いがけず唇にキスをされた。
びっくりしたのと嬉しさとから顔が真っ赤になったのがわかった。
「ふふっ。びっくりした?」
嬉しそうにその人はそう言った。
唇に手をあてたまま、うん、うんと頷くことしかできない。
「いつもキスしようとしてきてフリだけで逃げちゃうから
今度きたらこっちからしちゃおうって思ってたんだ〜」
そう大人なあなたは余裕の顔で嬉しそうにそう言う。
そんなあなたが大好き。
大人なあなたは二枚も三枚も上手で3つ下の自分にはとてもかなわないけど。
好き。大好き。
そして大好きなあなたがこの手を好きだと言ってくれたから
嫌いだったこの手がこの日から少し好きになった。
指も形も大きさも。
その人は手のモデルじゃないかと思うほど美しい手をしていた。
細くて長い綺麗な指を持った綺麗な手。
その人のことが大好きだったけど特に大好きなのがこの綺麗な手だった。
「大野くん」
その人の姿を見つけると、かけ寄っていってその大好きなその人のその手を握る。
その人は手をつながれても嫌な顔一つせずそのままでいてくれる。
そしてつないだその手をまじまじと見つめる。
「綺麗な手だね。オレ自分の手が嫌いだからこの手が羨ましい」
そういつも思っていることを口にする。
「ええ?嫌いなの?何で嫌いなの?」
思いもかけない言葉だったようで心底びっくりしたようにそう言う。
「何でって。」
そんなのわかりきっていることじゃんと思いながら
「だって形も悪いし指も短いし…。
大野くんみたいに綺麗な手じゃないし…。」
そんな当たり前なこと、と思いながら答える。
「ニノの手は可愛らしい手だよね」
自分では想像しなかった言葉がその人の口からでる。
「か、可愛らしい?」
びっくりして聞き返す。
「うん、可愛らしい手だなってずっと思ってたよ。」
そう何でもない事のように自然に答える。
「この手が?」
今までどちらかと言えばコンプレックスだった自分の手を見つめる。
「うん。ニノの手。
可愛らしい手だからオレは好きなんだけどね」
大好きな人から思いもしなかった言葉が突然でるから
何だかわからないけど涙が出そうになる。
「好き?この手が?」
涙が出そうなのを堪えながらもう一度確かめたくて聞いてみる。
「うん、オレは好きだよ」
はっきりとその人はそう答えた。
その言葉がただその場を取り繕うための言葉じゃなくて
心からその人がそう言ってくれているというのがこの時なぜだか分かった。
「そうなんだあ、大野くんはこの手が好きなんだ」
思わず嬉しくて同じ言葉を繰り返す。
「うん」
同じ事を何度聞かれても嫌な顔もせずにっこりと微笑みながらそう答えてくれる。
「大野くん、大好き」
こういうところも何もかもやっぱりこの人が大好き。
そう思って思わずその人に抱きつく。
「ふふっ。ニノはそういつも言ってくれるね」
大人なその人は優しくて大きくて自分の中でとてもとても大きな存在。
「だって本当に大好きなんだもんっ」
そう言っていつものようにキスの真似をして
逃げようとしたらチュッと思いがけず唇にキスをされた。
びっくりしたのと嬉しさとから顔が真っ赤になったのがわかった。
「ふふっ。びっくりした?」
嬉しそうにその人はそう言った。
唇に手をあてたまま、うん、うんと頷くことしかできない。
「いつもキスしようとしてきてフリだけで逃げちゃうから
今度きたらこっちからしちゃおうって思ってたんだ〜」
そう大人なあなたは余裕の顔で嬉しそうにそう言う。
そんなあなたが大好き。
大人なあなたは二枚も三枚も上手で3つ下の自分にはとてもかなわないけど。
好き。大好き。
そして大好きなあなたがこの手を好きだと言ってくれたから
嫌いだったこの手がこの日から少し好きになった。