『もう、見ないで』
見ないで。
見ないで。
ミナイデ。
ミナイデ。
ミナイデ。
頭の中でその言葉だけが何度も頭の中に響き渡る。
確かにその少年の事を見ていた。
意識的に見ていた事もあるし
無意識に見ていた事もある。
そして。
視線を感じるのかこちらを振り返り
目が合ったことも何度かある。
それが気になり
嫌だったのだろうか。
もうあの少年の事は気にしないようにしよう。
高校生が出入りしているという事は
気になると言えば気になるが
あの少年の言う通り自分には関係のない話だ。
もう気にしないようにして
そして少年の言う通り見ないようにしよう。
そう決意した。
決意した。
決意した。
はずだったけど
そんなの、無理。
この場所にきてしまえば、その姿を無意識に探している。
かといって行かなければ、どうしているのだろうかと
気になってしまい家にいても何も手につかない。
自分自身、重症だなと思いつつも
なぜ、あの少年の事がこんなに気にしてしまうのかは
わからなかった。
ただ。
高校生が毎週のようにここに出入りしている事。
そして毎週出入りしている割には全然楽しそうでもなく
惰性でここにいるように見える事。
そして少年の時折見せる寂しそうな表情。
その表情に目が離せなかった。
そして。
いつもクールで笑わない少年が一度だけ
笑っている姿を見た事があった。
高校生の友達と何やら楽しそうに笑いあっている姿を一瞬見た時
やっと高校生らしい表情が見えたと
なぜだか凄くほっとした事を覚えている。
だから高校生らしく無邪気に笑う姿が
もう一度見たかった。
そして。
何よりもその少年が踊っている姿。
その姿が印象的だった。
その少年が踊るダンスは他の人が踊るダンスとは違う。
軽く何でもなく踊っているように見えるのに
なぜかとても綺麗に見える。
天性のリズム感とダンスの才能があるのだろう。
その少年の踊るダンスは見る者を魅了する。
その踊る姿に目を離す事ができなかった。
とは言っても。
見ないで、と言われたからには凝視する訳にもいかず
気付かれないように、悟られないように
その姿を探し、そして見つめた。
見ないでって言われても。
気になるって言われても。
この場所に来ると
無意識にその姿をこの大勢の人の中から探し出し
その姿を見ていた。
少年は目が合うと見ないでって言ったでしょって顔をして
睨んできたり知らんぷりしたり。
そしてぷいっと横を向いたかと思ったら
あっかんべーっといたずらっ子みたいな顔をして
舌を出してきたりしてくる。
逆効果なのにな。
その姿が可愛くてつい笑ってしまった。
そして。
この日はなぜか少年が一人だった。
いつもはあの高校生の子が一緒にいるのに珍しいな。
そう思いながらいつものように眺めていると
しきりにその少年に声をかけている男の姿が見えた。
「……?」
知り合いなのだろうか?
その様子をうかがっていると
その男が少年の手をつかんでいるのが見えた。
「……?」
何をしているのだろう。
少年は手を振りほどこうとしているみたいだが
男の手ががっちりと掴んでいるためかはなす事が出来ないようだ。
そしてVIP席にでも連れて行こうとでもしているのか
少年に何かしきりに話しかけている。
どうしよう。
助けた方がいいのだろうか?
かといって自分自身、あの少年に見ないでなんて
言われてしまっている。
そう思いながらその様子を見つめる。
少年はその男の強引さに困っている様子だが
そこはやっぱり高校生なのだろう、突っぱねることもできず
どうにもできないようだ。
そうこうしているうちに少年が手を引っ張られ
このフロアから連れ出されそうになっていた。
「……!」
思わず駆け寄った。
そして男の前に立つ。
「……」
「……」
少年がびっくりした顔で見つめる。
男は怪訝そうに何か用かと聞いてきた。
「その子、俺の親戚の子で
その子の親から見ているように言われてんで」
とっさにその男に向かって嘘をついた。
「……」
「……」
少年を見ると少年も自分の事を見ていた。
無言のまま見つめ合う。
少年がどう思っているかは全く分からない。
「さ、行こう?」
そう言って少年に向けて手を差し伸べた。
「……」
「……」
ドキドキしながらその少年の顔を見る。
少年はどう出るだろうか。
全く分からなかった。
また関係ないと言って突っぱねられるだろうか。
親戚なんかじゃないと言われ一蹴されてしまうだろうか。
自分の事は自分で対処すると嫌がられるだろうか。
余計なことはするな放っておいてくれと怒り出すだろうか。
「……」
「……」
どう出る?
胸の高鳴りを感じながらその少年を見つめた。
お誕生日でしたね~。
本当は誕生日ものの甘いお話しの方がよかったのかもしれないですが
そう言って下さると嬉しいです♪
そうですね。ここでは優しい感じの智くんが多いので新鮮だと言って下さって嬉しいです。
あの頃のビジュアルは薔薇の棘みたいに凄く綺麗だけど
危うさとどこか人を簡単には寄せ付けない棘があるように感じるんですよね。
続きを待ってて下さってありがとうございます♪
元気が出ました~♪
うれしいです。わくわく覗いて見た甲斐がありました。コメント書く余裕がなくて今日になってしまいましたが。
決心した、でも見ちゃう、どうしても目が離せない、という感じがとても絶妙な感じ。さすが~と思って読んでました。
智くんがどう出るか、続きが待ち遠しいです。
翔さんと一緒にドキドキして下さって嬉しいです♪
そういえばデビュー当時もそんな感じでしたね。
クールな表情かと思えばふにゃっとした笑顔を見せたりして
本当にギャップ王子ですよね。
何にもできなさそうな顔して何でもできちゃったり。
そんな姿に見ている方はやられちゃうんですよね。
続きが気になると言って下さって嬉しいです♪
ありがとうございました♪
わくわく覗いて見て下さって嬉しいです。
書いてる方は本当に嬉しい限りです。
そして絶妙だと言って下さって嬉しい♪
見てはだめだと言われても視界からもその存在自体も
自分の中で消す事が出来ない。
まだ愛とか恋とかでは全くない状態でのそんな状態が
書きたかったんですよね~。
続きが待ち遠しいと言って下さって嬉しいです♪
ありがとうございました♪
でもまた物語を書き始めて下さった事が嬉しくて!
私も何度もリピって読んでます!
これからも楽しみにしてます!(プレッシャー、すみません)
前から読んで下さっていたのですね。しかも何度も読んで下さっているなんて嬉しい言葉をありがとうございます。
そしてこうしてコメント下さった事本当に嬉しく思っています♪
そうなんです。こそっと再開してみました。
(もともとが更新が凄く少ないのであまり変わりがないように見えますが)
これからも楽しみにと言って下さって嬉しいです。
プレッシャーより嬉しい方が大きいんですよ♪
続きも下書きは終わったので近日中にアップ予定です。
ありがとうございました♪
そして今、智くんを見つめている・・・。
この様子が目に浮かんでいます。
そして私もちょっと緊張しています。
映画のワンシーンのようですね。
お話しの続きを、お待ちしています。ドキドキ。
翔くん見つめてますね~。
翔くんが智くんを見つめる眼差しってすごくまっすぐで優しくていいですよね。
ずっと一緒にいるのに変わらなくて優しくて大好きです。
この様子が目に浮かぶとおっしゃって下さって嬉しいです。
しかも映画のワンシーンだなんて!嬉しいです♪
今日続きをアップしました。
あそこからあれ?と、がっかりされなければよいのですが。
ちょっと(たくさんかも)不安もありますがもしよかったら見て下さい♪
ありがとうございました♪