本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

みんなちがって みんないい

2007-09-12 00:21:42 | 住職の活動日記
 『 みんなちがって みんないい 』

 なるほどそうなんです。みんな違っているんです。

頭の中ではそう思うのですが、?

 でも、私の心の中にはすぐ、比べ合う心が芽生えてきます。

なかなか、『 みんないい 』 という心にはなれないのです。


 相田みつをさんの本の中の言葉を思い出しました。

   『 弔事に歓声あり 慶事に愁声あり 』

 だったと思います。 なんとひどい事をと思いました。

しかし、よくよく考えてみれば、

「 ご愁傷さまで、」 と言いつつ、心のどこかでほくそえんでいる、

「 おめでとうございます 」 でも、心の中では羨む心が芽生えている。


 みな、その心で悩まれたのではないだろうか。


 仏教では、その心を 『 マナ識 』 とおさえています。

日本語では 『 自他差別心 』 ( じたさべつしん ) 訳します。

読んで字の如く、『 自分と他人を差別する心 』 です。

『 心 』 を一面として捉えるのではなく、八つの心の層として分析しています。

『 マナ識 』 は第7番目の心です。


 仏教の中では、『 煩悩 』 を問題にするより、

この 『 自他差別心 』 を大事に取り上げる、ところもあります。

私は、煩悩より、この自他差別心のほうが、とても重要だと思います。

最後に良寛さんの歌をご紹介します、


   『 いかなるが苦しきものと 問うならば

             人をへだてる心と答えよ 』

 自分は、差別するという、深い認識が大事ではないでしょうか。

 そこで、『 みんなちがって みんないい 』 という心が生まれると思います。 
コメント
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