本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

お袈裟 ( 糞掃衣 )

2012-05-24 21:24:21 | 住職の活動日記

 お袈裟  糞掃衣 ( ふうぞうえ )  ともいいます。

お釈迦さまのご在世当時、着ておられる着物は 『 袈裟 』 といいました。

これは今のように立派なものではなく、

糞掃衣とも言いますように、トイレ掃除したあとのぼろぎれを

綺麗に洗濯して、次ぎ合わせて着たのがその始まりです。

 「 袈裟 」  とはインドの言葉です。

kasaya ( カーシャーヤ ) という言葉がそのまま 「 ケサ 」 となったのです。

 

 だから、袈裟は一枚の布をそのまま使うのではなく、

わざわざ、細かく切って、それをまた縫い合わせて作ります。

 

    

 

 ここに一枚の古い袈裟があります。

私が東寺にいる頃、三浦先生よりお古を頂いたのです。

そして、御影堂の10年間この袈裟を愛用して、護摩を焚きました。

そのあと、崇正が、醍醐の伝法学院で寮監をしていたときに、

更に一年着用していました。

 ご覧のように、本来の継ぎ接ぎの袈裟が更にまた、

継ぎ接ぎだらけになって、こうやって生き延びてきました。

もう捨ててしまえば、お役ごめん !!  ありがとうございました。

というところでしょう。

 

 お釈迦さまのお弟子さんに、とても物を大事にする方がおられて、

お弟子になって、袈裟を頂かれて、  それを大事に  …

数十年たっても、更に大事に  …

しまいに、お袈裟はだんだん、継ぎ接ぎが継ぎ接ぎを重ねて、

とても重そうに、大きく膨れ上がってきたそうです。

見るに見かねて、お釈迦さまも、

 「 モノを大事にするのはいいけど、

   そこまでしなくてもいいだろう。

   新しく作り直したらどうですか。 」

と、おっしゃった。 という話があります。

 

 この袈裟も、そこまではいきませんが、

本来の袈裟のように、継ぎ接ぎも増えてきました。

どうしようか      と考えたのですが、

恥ずかしいけれど、もう一度、衣店に修理をお願いしてみようかと思います。

 

 「 買ったほうが、安いですよ !! 」

 

と、言われそうですが、

自分にとっても歴史でもありますし、

三浦先生から頂いたということもあり、

また、崇正が着用してくれれば、生きるのではないかと。

 

 kasaya とは 壊色とか不正色、美しくない汚れた色

ということが本来の意味のようです。

 

 

 

 

 

 

コメント
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