本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週の言葉 4/22~4/28 「富は海の水に似ている 飲めばますます

2013-04-21 18:30:31 | 今週の言葉

「 富は海の水に似ている

 

  飲めばますます

 

 喉が渇きをおぼえる 」

 

      ショーペンハウアー     

 

 

 祖父がこのショーペンハウアーのことを話しているのを

思い出しました。

 その頃は 「 ショーペンハウエル 」 と言っていたように

思います。

 この方は深く仏教を勉強しておられたようです。

ご自身も、

「 仏陀、エックハルトと本質的に同じ事を教えている。」

と、おっしゃっておられます。

 また、トルストイ、フロイト、アインシュタイン

などなどに深く影響を及ばされたようです。

 

 今週の言葉も、仏教でいう 「 煩悩 」 ということを

言い表しておられるのでしょう。

 「 欲ふかき 人のこころと 降る雪は

    積もるにつけて 道も 忘るる 」

という歌もあるように、

人の欲には限りがないのです。

 得れば得たで益々欲しくなる。

 

 そこで翻って思い出す言葉は

  『 吾 唯 足る 知る 』

という、京都の竜安寺にある

蹲 ( つくばい ) です。

 丸石で真ん中の水のあるところが

四角になっていて、その周りに

上から 「 吾 」 の 五の部分、

右側に 「 唯 」 の右の部分

下に 「 足る 」 の下の部分

左に 「 知る 」 の左側の部分が書いてあるものです。

 

 I learn to be contented

  ( 満足することを学ぶ )

という英語の言葉もあります。

 

 ショーペンハウアーも、

人間足ることを知らないと、大変なことになる

世界をも壊してしまうようなことになる、

そういうことを暗示している

その意味合いをこめて

 「 富は海の水に似ている

    飲めばますます

   喉が渇きをおぼえる 」

ということを示唆されたのではないでしょうか。

 

 

 

 

      

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「 若葉寒 」

2013-04-21 11:52:48 | 住職の活動日記

 「 最高気温は17度前後で若葉寒が続く。」

と、熊日新聞の 「 きょうの天気 」 に出ています。

 『 若葉寒 』  という言葉があるのですね !

「 わかばさむ 」  と読むらしいのです。

 そういえば、ここ数日寒い日が続きます。

さくらの頃も 「 花冷え 」 という言葉があるように、

花見に浮かれていると風邪を引いてしまいます。

 

 「 あらとうと 青葉若葉の日の光 」

 

と芭蕉も詠んでいるように、

一番若葉の美しい季節です。

 

    

 

イチョウも新芽を吹いてきました。

 

   

 

バラの新芽も朝日に輝いています。

 

  

 

ツタも朝露にぬれて、生き生きと

緑が目に飛び込んできます。

 

 芭蕉も 「 奥の細道 」 で

日光に詣でたときにこの句を詠んだのです。

 

 元禄元年四月一日

卯月朔日、御山に詣拝す。

往昔 ( そのかみ ) 此御山を 「 二荒山 」 と

書しを空海大師開基のとき、「 日光 」 と改給う。

千歳未来をさりて給うにや、今此御光一天にかがやきて

恩沢八荒にあふれ、四民安堵の栖穏なり。

猶、憚り多くて筆をさし置きぬ。

 

 とそのときの情景を奥の細道に詠んでおられます。

 

 観音さまの浄土を 「 ポータラ 」 といい、

それを音写して 「 補陀洛 」 と書きます。

よく、観音さまの霊場は山号として 「 補陀洛山 」 という

お寺がたくさんあります。

 その 「 補陀洛 」 を 「 二荒 」 ( ふたあら ) とも

書きました。

 「 二荒 」 を弘法大師が 「 日光 」 と書き直した、

と芭蕉は記しているのです。

 

 「 あらとうと、 」  と

日光の木々に差し込む光をそのように詠まれたのでしょう。

 

 今日も昼間はとてもいい天気になりました。

木々たちにとっては、日の光が降り注いでいるように

眩しいばかりの日があたっていました。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする