本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

「妙適清浄句是菩薩位」

2013-04-24 15:58:25 | 住職の活動日記

 真言宗でいつもお唱えするお経に

『 理趣経 』 ( りしゅきょう ) があります。

 今日もお唱えしつつ、終わってから

経本の修理  …

 ( 折れたところから裂けかかってきているのです。)

さいわい、古い和紙の便箋が出てきたので、

短冊に切って補修してたのですが、  …

そこで、

気になった言葉、が  …  ??

  

    

 

   

 「 妙適清浄句是菩薩位 」 

( びょうてきせいせいくしほさい )

このお経は漢音で発音するせいか

「 清浄 」 ( しょうじょう ) と発音するところを

( せいせい ) というように読みます。

また、普通いうところの

「 菩薩 」  も  ( ほさ ) 

と簡単な発音になります。

 

 『 適 』  という言葉なのですが、

とても幅広い意味合いを持った言葉です。

 ① ゆく ( 往く )。おもむく。

 ② よめにく。とつぐ。

  ( という意味もあります )

 ③ よつぎ。あとつぎ。

 ④ 正妻。本妻。

というような、一群の意味があって、

 ① かなう。気に入る。

 ② あてはまる。「 適当 」

 ③ たのしい。たのしむ。「 快適 」

と、次のグループの意味が続いてきます。

 

 どうもこのお経の中では、

「 妙適 」  というのは、 「 たえなる、たのしむ 」

というような意味合いになると思います。

 

 

    

 

その後には、

『 適悦 』  というような言葉も出てきます。

「 悦 」 という字も  ( よろこび ) という

意味を持っています。

『 法悦 』  という言葉もあるように、

教えに出会った喜び、

十地経というお経の最初は

「 初歓喜地 」 ( しょかんぎじ )

で始まります。

真理に出会うということも、喜びが原動力になるのです。

その歓喜のこころで行を行じていくのです。

 この 「 理趣経 」 というお経も

初段はやはり、次の言葉

「 無量適悦歓喜 」 

と、無量の喜びの言葉が連なっています。

歓喜、喜びのこころで波羅蜜を

行じて行けと激励しているのでしょう。

 

 このたび得度され、5月から修行に入られます、

『 奎良さん 』  この最初の喜びのこころを

大切に、そして忘れず、胸に抱いて、

厳しい修行に望んでほしいと念願しています。 

 

 

 

コメント
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