下手だったから
もっと上、もっと上を
めざすことができた。
中山雅史
東アジアカップ 「 ザック・ジャパン 」
優勝 を飾ることが出来ました。
けど、試合内容はハラハラドキドキ、
数少ないチャンスをものにしての
優勝です。
よかった おめでとうございます。
今週の言葉、中山選手の言葉です。
フットボールの選手としては息の長い選手だということです。
それで、
「 どうして、長く続けることができたのですか ? 」
という質問に答えて、
『 自分は下手だったから、
もっと上、もっと上を
めざすことができた。 』
と話されておられました。
昨晩、世界の頭脳選手権みたいな番組がありました。
質問もわからないし、
答えも、わからない。
これから世界を背負っていくであろう
頭脳集団の集まりのようでした。
しかし、かのソクラテスは
『 無知の智 』
と、いわれています。
自分は何も知らない、
ということだけは知っている。
また、ジョブズさんも
『 愚かであれ 』 ( stay foolish )
と、スピーチされています。
今の世の中、知識を競う世界で、
「 愚かであれ 」 というのは
逆行するようですが、
一歩深く考えると、
いろんなことは知っているが、
肝心の自分のことは何も知らない、
ということがあります。
「 何のために生まれてきたのか 」
この一つがわからなかったならば、
せっかく生まれてきた意味をなくしてしまいます。
でなければ、名誉や財で自分を誤魔化して生きるしかありません。
お経の中では 「 名利 」 という言葉で出てきます。
名誉と利益です。
そこを厳密に分析して、
利益を隠蔽するために、
名誉というもので覆っている。
と、いやなことを書いてあります。
( そこまで分析しなくてもいいのに )
そういう中にあって、
中山選手は 「 自分は下手だから 」 と
自分の立場を一番下においておられたのでしょう。
理解する、という 「 understand 」 英語も
分けてみると 「 under 」 下に
「 stand 」 立つ、 となります。
自分の居場所を一番下に置かれたからこそ、
いつまでも、求める心が続いたのでしょう。
自分の立ち居地をどこに置くか、
出来上がった完成した自分と見るか、
愚かな自分と見るか、
人それぞれと思います。
たとえ歩みはのろくとも、
素直に愚かに一歩一歩ずつ歩む姿が
これからは信頼される人と成ることができるし、
また、
自分にとっても本当のことが見えてくるように思うのです。
いつまでたっても下手だから、 …
落ち着ける言葉です。
そして、精進努力ということが身に具わってくる
ようにも思うのです。