松花堂というと、
箱に入ったちょっとしたお弁当です。
石清水八幡を少し下ったところに
「 松花堂庭園 」 というところがあります。
「 松花堂 」 という名前、
これは 『 松花堂昭乗 』 という
お坊様の名前です。
この方は 「 石清水八幡 」 の社僧で、
真言宗のお坊さんで大阿闍梨の位まで
極めた方です。
お寺を弟子に譲り、
移り住んだのが、ここの 「 松花堂庭園 」
というところです。
「 松花堂弁当 」
もともとは、お百姓さんたちが使う
種を入れたり、道具を入れたりする
四角い箱、それを四つに区切ったもの
だったようです。
それを 「 松花堂昭乗 」 が
絵具箱や煙草盆に使っていた、
ということをヒントに
『 吉兆 』 の創業者 「 湯木貞一 」 が
料理をおさめ、お弁当に作り上げた
のが松花堂弁当の始まりだそうです。
その縁もあって、石清水を参拝したのち
松花堂庭園へ向かいました。
( 松花堂弁当が本命か ?? )
庭園を眺めながら頂く松花堂弁当
また、格別なものがあります。
出てきた、松花堂弁当
「 柿 」 の絵で包んだ中には 「 胡麻豆腐 」 が
絵は、
広げてみると 「 片岡鶴太郎 」 の描かれたもの
煮物、
八寸にあたるところでしょうか、
右隣には 「 おつくり 」 が、
お吸い物も 「 かに真薯 」 ( しんじょ ) が
入ったもの、
御飯は胡麻がかかった、ほんの少し、
食べ終わると、
器には 「 吉 」 も文字が出てきました。
デザートは 「 抹茶プリン 」
抹茶の味が効いた、さほど甘くなく
大人の味に仕上げてありました。
とても落ち着いた場所に立っています。
「 吉兆さん 」 のわりには
とてもリーズナブルにいただけて
庭の雰囲気とか入れると
満足度はかなり アップした場所でしょう。
また、この地は
先に書きました 「 吉井勇 」 が
昭和20年から23年まで移り住んで
谷崎潤一郎や志賀直哉そして梅原龍三郎と
親交を深くしたところでもあります。
「 聴くほどに 心かそけし松花堂
すむしあたりの松風の音 」
と、吉井勇が詠んでいます。
急用も入り、庭を見るまでには至りませんでしたが
我が家から10分足らず、
まだまだ見るべきところもたくさんあるようです。
もう一度別な角度からも
訪れてみたいと思っています。