本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

捨て身のタックル!

2019-10-19 21:15:56 | 住職の活動日記

ラグビーワールドカップもいよいよ

準々決勝が始まりました。

明日は日本と南アフリカの大一番

今日の昼のテレビではそれまでの

日本の試合のダイジェスト版が

放送されています。

何回見ても素晴らしいパス回しに

拍手を送ります。

 

やはり日本の強さは

「捨て身のタックル」

一人で止めるのではなく

次々とダブルタックルで

相手を倒していきます

捨て身でなければできないことです

 

昔のことわざに

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」

と言われました。

溺れそうになると

無我夢中で何かをつかもうと

必死でもがき

それでなおさら溺れてしまう

力を抜いて身を任せれば

自然と体は浮くのでしょうが

なかなか

そういう具合にはなれません。

 

しかし、

その言葉に対して

「身を捨てずに何ができますか」

と言われた方もいらっしゃいます

「身を捨ててこそ… 」なんて

そんな呑気な話じゃないんだ

物事を成すには

自分の身を捨てずに何ができるか

という切実な話です

自分の一番大切なものを捨ててこそ

自分のやりたいことは

達成できるのだと、

そういうことだと思います。

 

仏教説話には

「捨身」 身を捨てる

という話がたくさん出てきます

『月のウサギ』もその一つです

兎が自分の身を挺して供養した

その功徳を讃えて

帝釈天が月にウサギの絵を描いた

というものです。

 

また、

『施身聞偈』という話では

教えを求めるために

自分の身体を羅刹に食べさせて

教えを求める

というものです

教えのために身を捧げる

というのはできないけれど

まだしもわかる気がします。

 

ところが、

『捨身施虎』(しゃしんしこ)

という、

お腹を空かせた母虎が

空腹のあまり自分の子を

食べようとしている

そこで、薩埵王子は自分の身体を

飢えた虎に食べさせる

という物語です。

 

今の考えからいうと

そんな馬鹿な!!

ということでしょうが

仏教の説話にはそういう話が

たくさん出て来るのです。

 

ラグビーでも

やらない私たちから見ると

あんな巨漢にぶつかっていき

それを止める

さぞ痛かろう!とか

考えてしまいますが

考えではなく体が反応して

自然と捨て身の戦法で

タックルが出来るのでしょう。

 

まあ、この激しい試合を見て

捨て身にならなければ

何事も成就しないのだと

あらためて感じるのです。

 

今日はイングランドと

ランク1位のニュージーランドが

勝ちました

明日はいよいよですが

日本の勝利を信じて

応援します

今から何かしらワクワクして

くるものです。

 

 

 

 

 

コメント
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