本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

水無月

2019-06-14 20:04:06 | 住職の活動日記

六月もはや半ば

この頃のお菓子は「水無月」

 

 

ういろうに小豆を乗せたもの

デパートとかに行くと

色々のお店の「水無月」が

並んでいます

 

年もちょうど半分

夏にを迎えるお祓い

「夏越し」のお祓いがあり

神社では「茅の輪」をくぐり

年の半分を過ぎたことの

お祓いをするのでしょう

 

その行事で宮中では

氷室より氷を出して

その上に小豆を炊いたものを乗せ

食したということで

庶民は氷は手に入らなかったので

氷に見立てたういろうに小豆を

乗せたお菓子にしたのです

 

もともと小豆は精進料理で

お坊さんが肉に似せた食べ物

ということで小豆を炊いたもの

をおかずとして食べたそうで

その頃は味付けせずに

ただ小豆だけを炊いたようです

 

そういえば、

仏さまへのお供えとして

飯汁米菓(おん・じゅう・べい・か

といって四種のお供え

ご飯と汁もの(茹で小豆)と

米はお餅、お菓子は干し柿など

というのが昔からの品々です

その頃は、なぜ砂糖を入れないのか

不思議に思っていたのですが

昔は砂糖を入れずにおかずの一種

ということだったのでしょう

おさがりとして

その小豆に砂糖を入れて

汁ものにして食べていました

 

求めた水無月は

「仙太郎」さんのもの

このお店も結構有名です

 

 

その包み紙には

「身土不二」の文字が見えます

今では、地産地消という意味で

使われているようですが

本来はれっきとした仏教用語で

お経の中にも出てきます

「身」(シン)身は体ということ

「土」(ド)土ですから環境

自分が生きるには身体と

生きていく環境がなければ

生きていくことはできません

 

弘法大師も

「身境冥会して道徳玄存す」

といわれています

身境ですから、

身と環境ということです

「身」ということはとても

大切に扱います

「即身成仏」といっても

「即心成仏」ではないのです

心が成仏するのではなく

身が成仏する

ここに「身」という大切な問題が

あります

心は好きなように考えます

また不平不満も言います

そういう心を黙って支えているのは

「身」という体です

心は嘘もつきますが

身は正直です

 

しかし、

生きていくのは環境です

環境が整えば

心が整います

心が整えば行いも整ってきます

 

「心と環境」

切っても切り離せない問題です

こころ、こころ、と

さかんにいっても

ころころかわていくのがこころです

環境を整えてこその「身」です

それで初めて心も整うのでしょう

 

 

といいつつ

なんともおいしい水無月を

頂戴いたしました。

環境が整えばこそ

おいしいものもさらにおいしく

いただけるのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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