宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

ZWO-CN15F4撮像のまとめ

2015-10-15 20:46:00 | 天体写真
ZWO-CN15F4でテスト撮像したものをまとめて貼っておきます。


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有間ダムで追加検証の巻き

2015-10-15 19:10:00 | 天体写真(冷却CCD)
昨晩は15分で行ける地元の有間ダムへ出没致しました。
イヤ、近くて楽だわ。22時45分現地入り。

夕方~ベタ曇りで今夜はアカンと思っていましたが、
機材を積みっ放しにしているのでノコノコ出かけて来ました。
運良く北極星が見えたので機材を展開して待機となりました。
結局、撮影に入れたのは0時20分からでしたが、それ以降はGPVの予報通り
快晴でした。(このエリアだけポッカリ穴が空いたように晴れ)

例によって個人的、かつ、勝手な備忘録ログです。

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撮影日時:2015/10/14-15
撮影場所:有間ダム
天候:雲多し、夜半から快晴、微風、結露無し
気温:11℃ → 8℃
星空指数:40 → 後に70
シーイング:3"角程度(PHD2にて確認)

撮像鏡筒:ZWO-CN15F4(15cmF4 , fl=600mm)
カメラ:Orion StarShootMonoⅢ(Sony ICX285AL 2/3inch)
フィルター:Orion 1.25"LRGB Filters

赤道儀:New ATLUX_E-ZEUSⅡ改+ひのきスーパーピラー
ガイド:自作オフアキ + 笠井フラットナー + QHY5L-ⅡM+PHD2_Ver,2.50

撮像時間:画像に併記
ダーク画像:***
フラット画像:***
フラット用ダーク画像:***

ASCOM Platform 6.1 SP1-6.1.1.2627
撮像ソフト:MaxImDL_Pro Ver6.10
画像処理:SI7 , Photoshop cs5

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・22:45現地着。極軸設定直後から曇ってしまい待機。

・0:20頃からvdb142を撮像開始。

・QHY5L-ⅡMの回転方向を赤経・赤緯に”正確に”合わせた。

・キャリブレーション時に”このキャリブレーションは信頼できません”
 が表示されなかった。三峰や県Pでは表示されていて??と思っていた。

・ガイドはRMS_Tot=0.93で安定していたが、突然暴走を始めて強制終了した。
 晴れていたし2秒露光で十分に検出出来ていた筈だ。
 こんな挙動を示すのではAutoSaveも安心できない。
 原因は何か?
  |
  +->なんかPHD2の設定に”大きな偏りによるファストスイッチ”
       なんてのがあり、これがチェックされているぞ。
       外してみようホトトギス。コレ、勝手に出力を反転する機能?
        |
        +->ガイド中に秀丸エディターを使っているとコケる
             みたいだ・・・

・10分露光するとかなり写ってくる。
 やはりF6で20分、F4で10分が適正露光のようだ。

・PHD2にガイド鏡焦点距離とカメラのピクセル情報を入力すると、
 グラフの目盛が角度秒表示になる。

・PHD2のグラフ目盛が1"角/目盛となっている。
 これは、焦点距離630mm、3.75ピクセルのカメラから計算しているようだ。
 実際には tan-1(0.00375/630) = 1.23"角である。

・試しに赤緯出力をOFFしてみたが、±1.5"角ぐらいでフラフラしている。
 これはシンチレーションが3"角ということだな。
 関東の平均シンチレーションが2.5"角程度と考えると、FL=630mm+3.75μm
 素子のオフアキ・ガイドシステムでビッタリ張り付くグラフになる訳がない。
 RMS Error Total=1.2"角、2.5”角P-PであればSSMonoⅢで点像になる。
 今回は概ねこの範疇に入っていた。


<vdb142>

・0:20頃から撮影を始めたが、イロイロ実験しながら撮っていたので高度が
 下がってしまった。RGB画像はB->G->Rの順で撮像し、低空大気の影響を
 少しでも軽減するように配慮した。

・ガイド出力をOFFしてアトラクスのピリオディックモーションを測定したところ、
 ±4"角であった。

・赤緯のガイドをOFFしてハンドボックス+グラフにて十分にガイドができる。

・ガイド中に秀丸エディターを使っていると、ガイドエラーになる確率が高い!
 因果関係があるのか??

・SSDのプチフリ問題などは大丈夫か?(4年前のFoce3_SSD流用ゆえ)
 ガイドカメラのロストは、実はこの辺りから発生しているのかも。


<M33>

・PHD2でガイド中に秀丸を使っていると、ガイド星をロストして赤緯が暴走する確率が
 高いことが判明! よって、AutoSave撮像中は秀丸を使ったドキュメント編集は
 しないことにした。
  |
  +-> L=4X600s , RGB=each 1X600s , 70min Total 中一度もコケなかった。
        約1時間、椅子で寝られた。

<総感>

・当たり前だが、撮像&ガイド中にPCでアレコレと作業をしてはならない。

・PHD2でシンチレーション測定が出来る。

・たった15分で行ける有間ダムでこれだけ撮れれば、秋冬は十分だと思う。

<今回の成果物>

vdb142 , L=3X600s , RGB=each 1X600s(2X2bin) , 60min Total


コレをたった1時間で出そうなんて甘いわけですが、流石F4鏡筒と高感度CCD。
低空とズギ林ギリギリのため星像がデカイ。

M33 , L=4X600s , RGB=each 1X600s(2X2bin) , 70min Total


1時間の放置プレイ撮像。
視野を回転させたので2インチ接眼部でややスケアリングが狂った模様。
しかし飯能市郊外、1時間の撮像でこれだけ出せるのは流石F4鏡筒と高感度CCD
の威力と言える。テスト撮影なのでフラットもダークも撮っていない。
RGBは時間短縮のため2X2ビニングで撮った。
   |
   +->ピンが来ている時に限ってこんなダメダメな星像になるのは、
        実は笠井コマコレを15cmF4に流用したことが原因でした。
        MPCCⅢに変更してからは納得できる星像になりました。

2/3inch_CCD+630mm(笠井フラットナーで+30mm)だと35㎜機換算で2520mmとなる。
ZWO-CN15F4は軽量で使いやすい半面、この拡大率だと総合的な剛性が不足する。
APSCクラスだと途端にお気楽になるため、やはり適材適所と言うことか。
F4と明るい為、低感度なStarShootPro Ver2.0ワンショットカラー冷却CCDが
ベストマッチだろう。

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