次はN.I.N.AにASCOM_Telescope制御を握らせ、特定エリアの天体
を片っ端から撮像する方法を書きます。
その際、各天体をPlateSolveして写野センターへ再導入させるのも
自動的にやります。当然PHD2ガイドも併用しますが、60秒程度では
ガイドしない方が、かえって良い場合もあります。
まずはCielにASCOM_Telescope制御権を与えて接続し、適当な天体で
同期させます。この例では、しし座のデネボラで同期させました。
この”同期”とは、
Cielで表示されているデネボラと鏡筒の写野が一致しており、
かつ、ASCOM_driver for E-ZEUS2がその座標を受け取ったことを
意味します。
同期が済んだら、CielとASCOM_Telescopeを切断します。
Cielは起動したまま残しておきます。
次に、N.I.N.Aを起動してCamera , FilterWheel , Guiderを接続し、
Telescopeも接続します。その際、NINAとASCOM_Telescopeで座標が
一致しない・・・などのメッセージが出たら、
Telescope to N.I.N.A
で接続してください。
ASCOM_Telescopeはデネボラの座標を持っているからです。
これでASCOM_Telescope制御がCielからN.I.N.Aへ移りました。
これ以降、Cielは天体の座標情報をN.I.N.Aへ送ることが仕事になります。
この同期作業は、別にCielである必要はありません。
ASCOM_Telescope制御が出来るステラ10でも良い訳です。
ただし、
N.I.N.Aへ天体座標データを送れるのはCielなど、現在は4つの
プラネソフトに限られています。
では、
今晩撮影するDSO天体をSequenceパネルに送り込んで行きましょう。
いちいちネットから画像が落ちてくるのはウルサイので、
Image sourceをSkyAtlas(Offline Framing)にしておきます。
まずはCielでM84をクリックします。
N.I.N.AのFramingパネルにCielからM84のデータを転送します。
Coordinatesアイコンをクリックするだけです。
続いてAdd as Sequence Targetをクリックします。
これで、
M84の情報がSequenceパネルに転送されたので、L画像を60secX10枚
セットしました。
同様にして、
M87、M86、NGC4450、NGC4571、M64をSequenceリストに加えます。
マルチタブになっていることに注意してください。
ここで各Sequence設定において、
Start guiding:ON
Slew target:ON
Center target:ON
としてあります。
つまり、自動的に各対象を自動導入し、PlateSolveしてセンタリングし、
PHD2ガイドをスタートさせる設定です。
この時、自動導入後に一定のタイムインターバルを設定できます。
Opption -> Equipment -> Telescope -> Settle time after Slew 10
ここでは10秒に設定しました。
また、
それぞれの撮影対象で、撮影開始までの時間も設定できます。
Sequence -> Delay start(soconds) 10
各10秒に設定しました。
さて、
これで撮像Sequence設定が出来ましたので、
あとはSequenceパネル右下の矢印をクリックして撮像を始めます。
各撮像対象が10分12秒で、6対象で1時間1分13秒掛かると出ています。
スタートしたらコーヒーでも飲みに行きましょうか!!
ピント合わせに関しては、ハッキリ言ってSharpCap3.2_Proの
方が優れています。直観的だし、画像キャプチャーという観点
でのライブビュー性能が非常に使いやすいです。
N.I.N.A画像は、基本的にFitsで入ってくるため、CMOSなのに
MaxImDLで撮像したCCD画像の様です。
これはImagingパネルですが、Sequence撮像とは別に画像の取り込み
が出来ます。右上のImagingパネルで設定します。
Focus調整をやるにはSubSampling Frameを指定すると便利です。
Enable SubSamplingボタンをONにしてキャプチャーします。
Exposure Timeですが、いったん単発ショットで読み込まないと
設定時間が反映されないようです。
いきなりLive Viewでやってもキャプチャー時間が変化しません。
ここでGain450などとやれば、30.5cmF4の鏡筒ではHαフィルター
でも微小星像が見えます。なので、私の場合はバーティノフマスク
を使っていません。Bahtinov Analyzer機能があるので、併用しても
良いかもしれません。
単発ショットで撮った画像にPlateSolveを掛けることも出来ますが、
そのためにはN.I.N.AがASCOM_Telescope制御を握っていなければ
なりません。
N.I.N.AとCielで一晩に数対象程度を撮像する方法を書きます。
例として、M100をLRGB撮影する方法を書きます。
PlateSlveまでは不要なので、CielとASCOM_E-ZEUS2を接続します。
・CielとE-ZEUS2をASCOM driver for E-ZEUS Ver,2.20aで接続。
・観測地データをCielとASCOM_E-ZEUS2で揃える。
・CielとN.I.N.Aで同時にASCOM_Telescope接続は出来ない。
どちらか一方の排他的接続となるが、Cielでクリックした天体データ
をN.I.N.Aへ”一方通行に送る”ことができる。
これにより、Ciel上で撮影対象をクリックしておき、N.I.N.A側で
そのデータをワンクリックでインポート出来る。
N.I.N.A側でASCOM_Telescope制御を掴んでいて、かつ、座標データだけ
Cielにリアルタイム転送できれば一番良いのですが、今のところ
できない?または私が設定できていない?
ご存じの方がいらっしゃいましたら、ご教授下さいm(__)m
・N.I.N.Aには32bit版と64bit版があります。
私の場合、古いOrion NautirusFilterWheelのASCOM driverが32bitで、
64bitのN.I.N.Aでは動きませんでした
よって、32bit版をインストールしてあります。
・N.I.N.AのEquipmentパネルからCamera , FilterWheel , Guiderを
接続します。ASCOM_Telescope制御はCielが握っているので使いません。
Focuserは非ASCOMの電動だし、Rotatorは付いていません。
雪の結晶アイコンをクリックすると冷却が始まります。
炎アイコンはウォーミングする際の速度を調整できます。
ASCOM_FilterWheelを接続
PHD2を接続(予めイニシャライズまで完了させておく。)
なお、現状で対応しているガイドソフトはPHD2のみである。
CielでM100を自動導入し、構図の微調整も行う。
N.I.N.AのFramingパネルでM100の情報をCielからインポートする。
Coordinatesアイコンをクリックすると入って来る。
この時、Image source = NASA Sky Surveyなどを選択してあり、
かつ、ネット接続があればこのような画像がDLされてくる。
尚、この画像はPC内に保存され、再利用できる。
ネット接続が無い場合はSkyAtlas(Offline Framing)を選んでおくと
このようになる。
Framingパネルから"Add as Sequence Target"をクリックすると、
SequenceパネルにM100の情報が転送される。
M100をLRGB撮像するSequenceを組んだところ。
LIGHTフレーム、各180秒露光、L=20枚 、RGB=各5枚、2X2binning、
Gain=250の設定である。
撮像される画像が何処に、どのような形式でセーブされるかを
設定できる。
Optios -> Imaging -> FileSettings
これで、Sequenceパネル右下の矢印をクリックすると連続撮像が開始
される。その際、PHD2 Guidingをスタートさせるかを設定できるが、
予めガイドさせておく方が確実である。
Sequenceは1時間45分42秒後に完了予定と表示されている。
5月29日~30日に掛けて、初めてN.I.N.AとCartes du Cielと言う
環境で撮影をやってみましたが、かなり使える印象でした。
今までにイロイロな環境で撮影をやって来ましたが、しばらくは
この組み合わせでやってみたいと思います。
いままで使ってきたソフトは、
MaxImDL_Pro , SharpCap3.2_Pro , PHD2
ステラ10 , SuperStarV
であり、ASCOM制御での撮像は殆どやっていませんでした。
まあ、それで過不足ある訳でもありませんが、個人的な興味から
N.I.N.AとCielに統合してみようかな・・・っと。
MaxImDL_Proは全部入りの統合ソフトであり、流石に高性能ですが
ライセンスが切れてしまいました。まだ一応一通りできるのですが、
問い合わせたらリニューアル代金が2万円程掛かるとのこと。
SuperStarVはE-ZEUS2と接続して自動導入に使ってきましたが、
どうにも進展が無いし、ASCOM対応もやってくれそうにないので
当面はオハコかな。軽くて良いのですけど・・・
ステラ10(あ~、まだ11にしていない)。
毎度お世話になっており、PGC天体のフレーミングなどでは助かります。
SuperStarVで導入しても、詳細はステラ10で確認したり計画したり
していました。以前よりASCOM経由でE-ZEUS2と接続できることも
分かっておりました(星羊爺さんに感謝!)。
同様にステラショット1でも動きましたが2はまだ試していません。
そもそも買っていませんし。
K-1に対応していないのと、当初はデジカメだけで冷却CMOS未対応で
魅力に欠けていたのが原因です。私にとっては費用対効果もあります。
と言うことで、今後は、
SharpCap3.2_Pro:PlateSolveによる極軸合わせ&電視系、
ピント合わせやカラーキャプチャーなど。
PHD2:定番ガイドソフトとしてN.I.N.Aとも連携使用。
Cartes du Ciel:ステラ10+SuperStarVの代わりになりそう。
N.I.N.A:一般撮像や多数天体の自動観測、自動撮影に使ってみる。
という方針を立ててみました。
気が付けば、殆どが無償ソフトウェアになってしまいました。
----------------------
っと言うことで、まずはCartes du Cielをカスタマイズ。
まだネット情報などを集めていないので我流です。
・ASCOM driver for E-ZEUS2で自動導入可能。
・追加カタログを入れるとDSO狙いにも使える。
下記は追加で入れたカタログ。
DSO-catalogs
SkyChart-data-Pictures-4.0-3421
Stars-catalogs
UCAC4-catalog-V2-Equator
UCAC4-catalog-V2-North
*GAIAデータは大きすぎるので入れませんでした。
これで16等星までの恒星、PGC天体などのDSOまで出せるようになりました。
主な天体やNGC天体は画像も出ます。
ここまで出せればステラ10の代わりに使えるし、SuperStarVの軽さも
備えた”現場で使えるソフト”になりますね。
写野のコーディネートもできます。
これは1220mmの焦点距離にASI183MMを組み合わせた場合。
DSS画像もDLできます。
一晩に3~5対象程度の撮像であれば、N.I.N.AでPlateSolveまで
やる意味はありません。また天球上のアチコチに指向させる場合、
完全に目を離せないというのもあります。
星図上でカーソルが動いて行くのも分かりやすいので、
このような使い方ではCiel + ASCOM_Telescope制御が良いかな。
その場合、N.I.N.Aは撮像ソフトに徹する使い方となります。