宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

コリメーション・アイピースよ、お前もか!

2021-06-18 20:42:00 | オフセット斜鏡の光軸調整
”だからレーザとコリメータで位置がずれる”
https://sky.ap.teacup.com/eti_forest/981.html

と言う記事に間違いがありましたので、青字訂正をしました。

--------------

以前より、コリメーションアイピースで光軸調整してからレーザを
使って”確認”を行って来ましたが、それは、斜鏡のオフセット
ポイントを打点してある鏡筒だから出来たことだと気付きました。

本日、オフセットポイントが不明であると言う前提で光軸調整を
やってみました。その結果、コリメーションアイピースだけでは、
斜鏡を適当な位置に配置しても”合ったように見える”ことが
分かりました。やってみてください。

そもそも、コリメーションアイピースの調整方法と言うものは、
ニュートン反射鏡筒の斜鏡にオフセットなど施さなかった時代の
ものです。だから、”同心円に調整せよ”なんて書いてあるのです。
オフセット斜鏡では、主鏡に映った斜鏡とドローチューブ端面は
同心円になりません。
問題は、どのくらい偏心させれば良いのか? です。
それには、正確なオフセットポイントを測定しておかなければ
なりません。R200SSはメーカー公表値がありますし、私は自分で
測定して打点しておりました。

ところが、

オフセット量が不明・・・

という前提でやり始めると・・・全然だめですねえ~~。
斜鏡をどの位置に配置しても、光軸が合ったように調整出来て
しまいました。と言うことは、レーザ同様に光軸が曲がっているのに、
平気で合っているような顔をされると言うことです。
スケアリングもダダ狂う道理です。
斜鏡のオフセットが無かった時代は平和でした。

コリメーション・アイピースよお前もか!

ですね。

--------------


さて、

ここまでやって来て、斜鏡の真のオフセット点の打点が、
如何に大切であるか分かりました。
これさえしっかりとしていれば、別にレーザを使わなくても
実用域に持って行けます。
ただ、現場での微調整(移動によるズレや温度ズレ)で主鏡を
いじる場合、レーザがあると凄く楽です。

一連の光軸調整ドキュメントでの発見は、やはり、
レーザとコリメーションアイピースで一致すれば完璧である。
と言うものだと思っています。
オフセットポイントの打点は目安ではありますが、ここにピッタリ
一致しなくても良いです。レーザとコリメーションアイピースで
一致していれば、打点ポイントに非常に近いところになる筈です。
その結果として、フラット撮像のヒストグラムを切り詰めたテストでも、
概ね許容範囲に入るはずです。(入りました。)

---------------------

<オフセット斜鏡の光軸合わせで大切なこと>

1.斜鏡の真のオフセットポイントを打点する。

2.コリメーションアイピースとレーザで交互に光軸調整し、
  両者が一致するまで斜鏡の繰り出し位置を調整する。
  結果として、打点位置に近接する筈である。

3.ドローチューブの中心線に対する斜鏡のオフセット量が
  正しく設計・製作されていない限り、主鏡と斜鏡が同心円に
  見えることは無い。

  例えば、
  300FNのドローチューブ中心線は、主鏡面から852[mm]で90°
  曲げられた軸上にある。短径97.58[mm]で、オフセット12[mm]
  であれば、主光束を100[%]カバーできる。
  しかし、それでは大きすぎるので、実測短径は87[mm]となっている。
  この場合、光量バランスを均一に出来るオフセット量は10.5[mm]
  となる。しかし実際には4.95[mm]しかオフセットされていない。

  従って300FNで正しく光軸を合わせた場合、斜鏡が筒先側へ寄ること
  になり、結果として主鏡がやや右側に寄って見える。
  実際の焦点位置にピンホールを置いて覗くと、斜鏡よりも主鏡の
  方が大きく見えるため、そのズレは分からない。
  尚、主鏡の主光軸中心はドローチューブ中心線上にあるため、
  撮像すると光玉は均一に見える。
  オフセット量が足らないので、フルサイズでは右側が暗く見える。

  注意することは、
  ドローチューブ、斜鏡、主鏡が同心円状に見えるためには、
  ドローチューブ取付位置に対して、正しく斜鏡がオフセット
  されていなければならないことである。
  これは、ユーザ側ではどうにもならない。
  300FNは5.5[mm]オフセットが足りていないため、同心円状に見えない。

4.オフセット不明鏡筒をレーザだけ、またはコリメーションアイピース
  だけで光軸調整をやることは不可能である。
  
  ”いくらやっても” 片ボケ(スケアリング)、歪な星像から脱却
  出来ないメビウスに陥ってしまう。


安い物には棘がある・・・

300FNの場合には、斜鏡ホルダーから、何故か2°くらい斜鏡が傾いて
貼られている。よって、調整用の3本ビスを均等締めすると、
大きく傾いてしまいます。また、オフセット量も適当であり、
本来は10.5[mm]必要なのに4.95[mm]となっています。
だから、主鏡、斜鏡、ドローチューブを同心円にすると光軸が狂います。

楽しいにゃ~(-_-メ)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする