太陽光自家発電システムのインバーターケーブル(正確には絶縁電線)が燃えました。
マイナス側の1本が燃えました。
家庭用SOLAR1システムとして、12.8[V] 200[Ah] LiFePo4とGIANDELの3000Wインバーターを接続している絶縁電線です。
GIANDEL 3000Wインバーターに付属されていたもので、21SQ x 2本使いです。(そもそも、2本使いは危ないのです。)
上段が当該SOLAR1システム、下段はSOLAR2で、こちらは24[v]システムです。
21SQ x 2本使いで使用していました。
設置場所は玄関で、かれこれ2年2箇月になります。
毎日使用しています。
エアコン、冷蔵庫以外の家電は、ほぼ全てこの2セットで賄っています。(冷蔵庫の自動バックアップ電源には使っています。)
今朝もいつも通り、電子レンジ、T-fal、トースターなどを使って朝ご飯を作っていました。
T-fal (1250W)、トースター(1300W)をSOLAR1で同時使用すると2,550 [W]にもなりますが、
バッテリー側は1.2倍して3,060 [W]として設計しています。
AC-100 [V]側には20 [A] の過電流ブレーカ+20 [A] , 30 [mA]の漏電ブレーカが入っています。
なので、通常は2分以内にどちらかのブレーカが落ちて保護される仕組みです。
ところが・・・
今朝はT-falでお湯を2回沸かした後、トースターを使っている時に玄関から電気火災特有のイヤな臭いが
漂って来ました。
あ~、燃えたか・・・
案の定、トップ画像の状態になっておりました。
玄関でコレですから、もう少しで火災案件です。
でも実はコレ、想定内の出来事だったんです。
< なぜ燃えた? >
・中華粗悪ケーブル(正確には絶縁電線)であった。
マイナス側黒色絶縁電線の1本だけが激しく燃えました。
トースターは1300 [W]です。
基本的にT-falとトースターの同時使用は行いません。
今朝はT-falで2回お湯を作った直後にトースターを使いました。
当然にケーブルは発熱状態であった筈ですが、21SQ x 2本使いなので許容電流は232 [A]です。
1300 [W]のトースターを使うと、バッテリー側では1.2倍の電流が流れます。
1300 x 1.2 = 1560 [W]
1560 / 12.8 = 121.875 [A] です。
21SQ x 2本使いであれば、設計上は余裕です。
ところが、
2年2箇月の使用期間により、マイナス側黒色絶縁電線のうち1本が徐々に劣化。
おそらくは微小な抵抗値の違いから片方の絶縁電線に電流が集中し、時には
1本の許容電流116 [A] を大きく上回って流れていたのでしょう。
その度に芯線が少しずつ焼損して行き、最近では殆どの芯線が焼き切れていたもの
と思われます。そのジュール熱にとうとう耐えられなくなり、被覆焼損に至った次第です。
とは言え、
これ程までになる経緯には理由があります。
それは、元々の絶縁電線品質が粗悪であったという事です。
最近信じ難い事件がありましたが、まさかリン青銅絶縁電線ではあるまいな・・・
キチンとした銅線絶縁電線であれば、21SQ x 2本使いでも、ここまで危険な焼け方は
しません。もちろん銅線に見えますけど、芯線の品質が悪ければ素線焼損も有り得ます。
なので、
ケーブルまたは絶縁電線の2本使いは危険なのです!!
21SQ x 2本 ー> 38SQ 1本に作り変えました。
205[A]対応のキャブタイヤ絶縁電線を50[cm]に切断して使用。
IV , KIV , HIV絶縁電線だと38SQで161~198 [A] ですが、このキャブタイヤ絶縁電線は205 [A] 対応です。
試しにT-falとトースターを同時に使用してみましたが、AC-100 [V] , 20 [A] の過電流ブレーカが落ちました。
合計2550[W]ですから、20[A]x1.25=25[A]、つまり2500[W]の仕様。
流石Panasonic、日本製の過電流ブレーカは正確ですね!
ちなみに、
2550[W]時にバッテリー側は3060[W]ですから、3060 / 12.8 = 239 [A] も流れる計算です。
このまま10分も流したら、流石に38SQ絶縁電線でも限界になってしまいます。
なので、上記2重のブレーカで保護する訳です。
<安全運用のために>
SOLAR1とSOLAR2は家庭用太陽光自家発電システムの検証用装置です。
当初より予備電源システムとして運用しており、趣味と実益を兼ねた実験装置です。
しかしながら、
これまでにも粗悪ダイオード焼損事故という火災危機案件が発生しており、
完全無人運用には至っておりません。
そもそも、
こんなエネルギー爆弾みたいな物を室内に設置するべきではありません。
・本格運用するなら48[V]システムを組んで、屋外の金属製防火ロッカーに設置するべき。
・大容量リン酸鉄リチウムイオンバッテリー、大電力インバーター、ヒートシンク付きダイオード、
信頼できる日本製ケーブル、日本製漏電ブレーカ、日本製過電流ブレーカを使用する。
・太陽光パネルカットオフ手動スイッチを設置する。
・バッテリーカットオフ手動スイッチを設置する。
・温度コントロールを別途設ける。
などが必須でしょう。
2年2箇月の運用検証により、流石に12[V]バッテリーシステムを家庭用に常設するのは危険すぎる・・・
という結論に達しました。まあ、当然ですよね。
200[A]も流せる絶縁電線を家庭内で使うべきではありません。
何しろ高額だし、加工し難いし、大電流の恐怖が付きまとうし・・・良いことが一つも無い。
48[V]システムなら50[A]なので現実的です。
今の2倍容量でも100[A]で納まります。
<総感>
2年2箇月、毎日使っての感想です。
・リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(JITA , Li-Time)は本当に高性能である。
・インバーター(GIANDEL 12.8V , 3000W , xijia 25.6V , 3200W)は確かな製品である。
・RENOGY ROVER 40A , 20A は素晴らしいMPPTソーラーチャージコントローラである。
・RENOGY 100W、175Wソーラーパネルは良い製品である。
世代が新しい100Wパネルの方が変換効率が良い。
一方で、
・中華大電流ケーブル(または絶縁電線)は粗悪品で信用出来ない。
これはGIANDEL 3000Wインバータに付属して来たものだが、ダメ品であった。
インバータ自体は80点製品と言えるので勿体ない。
・中華逆流防止ダイオードは全くもって信用できない粗悪品ばかりである!
何しろMC4コネクタの中に10A仕様のダイオードを、ヒートシンク無しで押し込み、
チョン付けハンダで密封して10A製品としてAmazonで売っている・・・アホか!
ソーラーパネルを並列接続する際に必要になる部品ですが、ヒートシンク付きで
15A程度の製品なら安心できる。心配なので自作した方が良いかも。
まあ、こんな所でしょうか。
最近の中華製品は・・・って表現を使う時は、本当にしょうもないダメ品を掴まされた時です。
最近の偽装SSDなんて、本当に笑っちゃうレベルでスゴイ詐欺商品ですよね。
アレを作れる技術をまっとうな製品に使って欲しいとは思いますが、
あんなもん、速攻でゴミ箱行きで良し!!
な訳ですが、
大電流を扱う製品では、火災リスクが高くてシャレになりません。
まず、信用しないことです。
良いと思ったメーカ品でも、製作者の力量で当たり外れが多いため信用できません。
大負荷を掛けて実力を試さなければ、安心して使用できません。
火災リスクは自己責任で回避するしかないのです。
あ、
最近の中国製望遠鏡関連は良い物が大変多くなってきました。
特にファームウェア、ソフトウェア、エンベデッドシステムは素晴らしい!
赤道儀の機構関連の工作精度はまだまだですねえ~。
しかしながら、
チャレンジングな製品を数多く出して来るし、改良対応も早い。
社員も経営者も若いのでしょうね。
と、言うことでオシマイ。
GW以降天体撮影に行けていない・・・なんとかしてくれ~( ̄▽ ̄)
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