宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

StarShoot Pro V2.0 ファーストライト

2012-07-11 16:10:00 | 天体写真(冷却CCD)
ワンショットカラー冷却CCDカメラであるStarShoot Pro V2.0
によるファーストライトです。

左が5minX5枚、右が10minX3枚で、共にダーク&フラット有り


ノートリミングなので周辺のコマ収差が凄い・・・
まあ、フラット補正の効果を確認する意味もあるので我慢。

撮影日時:2012年7月10日 21:34:17~23:11:52
撮影地:三峰ヘリP
星空指数:50点
気温:17℃

カメラ:ORION StarShoot Pro V2.0(SONY SuperHAD ICX413AQ)
レンズ:10cmF6 ニュートン反射
フィルタ:ORION SkyGlow Filter 1.25"

露出時間:5min X 5 , 10min X 3 の2セット
ダーク画像:5min X 3 , 10min X3 の2セット
フラット画像:5min用3枚、10min用3枚の2セット
フラット用ダーク画像:5min用3枚、10min用3枚の2セット

赤道儀:TS-90S
ガイド:5cm fl=250mm + SSAG + PHD

CCD制御&RAW現像:MaxIm DL Essentials Edition
画像処理:CS5

処理プロセス:MaxImにてFITS_16bitでダーク減算、フラット補正、
         カラー化処理、コンポジットまでを行い、出力を
         TIFF_16bitでcs5へ。ここでpfotoshop的画像処理を
         行い、最終的にJPEGに落とした。

------------------------------------

初めてなのでマニュアル通りにダークもフラットも撮りました。
このチップはAPS-C_600万画素ですから、1.25"のフィルタでは
四隅がケラレてしまいます。実際にフラット画像ではそうなって
いますが、キチンとフラット補正をやると何とかなるようです。

5minでは完全に露出不足。10minを3枚コンポした画像の方が
遥かに良い絵となっていた。今回は寝ぼけた夜空であり、
最後は月も上がって来ています。SkyGlow Filterを付けているので、
カブリは全く来ていません。30分ぐらいやっても良いかもしれない。

このCCDはとても安価ですが低感度との噂がチラホラ。
しかし、V2.0になってからの情報は皆無に等しく、今回ヒトバシラー
を買って出たという訳です。改造デジイチにLPS-P2を付けた場合、
やはり10分ぐらいは露出をかけると思います。
夏場に高感度で10分はキツイ筈で、冷却改造デジイチでない限り、
熱ノイズとの駆け引きとなりますね。
また、天体専用品なので無駄が無いのも嬉しい所です。
16bitだし・・・
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冷却CCD用フィルタ

2012-07-11 13:12:00 | 撮影機材
モノクロ冷却CCD用フィルタですが、
LuminanceにはORIONのSkyGlowを入れてあります。


Luminance

Red

Green

Blue



OⅢ

SⅡ

計7枚を常に付けっ放しとしました。
StarShoot Pro V2.0 ワンショットカラーCCD(APS-C)もこの
Luminance(SkyGlow)を使って撮影してみます。
昨晩NGC7000を試写したので、どんな絵が出てくるか楽しみです。

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K-30+O-GPS1アストロトレーサー・セカンドライト

2012-07-11 12:58:00 | アストロトレーサー
昨晩の奥秩父は21時~24時まで晴れていました。
冷却CCDのテスト撮影の合間にK-30+アストロトレーサーで撮影。


さすがに透明度も悪いし水蒸気も多いです。
2カット撮影に要した時間は約10分。
まさにスキマ撮影にもってこいですね!

撮影日時:2012年7月10日 22:06:04
撮影地:三峰ヘリP
星空指数:50点
気温:17℃
カメラ:K-30_RAW
レンズ:SAMYANG14mmF2.8(4.0)
感度:ISO 3200
露出時間:120sec
WB:Auto
RAW現像:SILKYPIX DS3.0 for PENTAX
画像処理:CS5


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冷却CCD降臨

2012-07-09 17:26:00 | 撮影機材
K-30とOptio WG-2を買ったばかりですが、
実は4月に冷却CCDを2台発注してありました。
それらが6月28日にやっと到着しました。
今回買ったものは全部米国ORION社の製品です。

・StarShoot Pro V2.0 Deep Space Color Imager (APS-C)

・StarShoot Deep Space Monochrome Imager Ⅲ (2/3")

・Nautilus Motorized Filter Wheel 7X1.25"

・31.7mm LRGB Filter set

・31.7mm SkyGlow AstroPhotography Filter

・31.7mm OxygenⅢ ExtraNarrowband Filter

・31.7mm Hα ExtraNarrowband Filter

・31.7mm SulfurⅡ Extra Narrowband Filter

直径φ163mmもあります。


電動フィルタホイールと組み合わせるとこんな感じ。


90S赤道儀に10cmF6反射、8cmF5ファインダー、SSAG 、
冷却CCD、電動フィルタホイールが付きました。これでピント
が合います。てんこ盛りですね~。冷却CCDがデカイ。


48mmのLPS-P2もデジイチ用に買ったのですが、国際光器に
発注したMPCCが何時になっても入荷しません。
4月発注で5月末の予定が、今度は8月末になるとのこと・・・
何とかしてくれ~~!
まあ、
そんなことも想定して、ちっこいモノクロCCDを選んだのだけどね。

SkyGlow FilterはLPS-P2とは蒸着膜の色が随分と違う。(透明)
これで光害が軽減出来るなら、発色もLPS-P2より良いかもしれ
ない。31.7mmのフィルターなので、APS-CサイズのPro2.0には
チョット厳しいけど、僅かに絞りが入ったと思えば良いかな。
夕空を撮った感じでは、四隅のケラレ(周辺減光)は分からない。

これだけ重装備になると、バッテリー容量が心配になってくる。
MPVから引っこ抜いた4年落ちの85D26Lでどれだけ持つのか・・・
実際の撮影シミュレーションでフル冷却し、ノートPCもフル稼働
させて5時間経過した。(気温 25℃)
今の所12.4Vで変化せず。 氷点下では確実に保温しないとダメ
だろうな。夏場で12時間、冬場で6時間は持ってもらいたい。
ディープサイクルバッテリーじゃないから常に満充電をしている
けど、4年落ちって所がセコイなあと、我ながら思う。
新品なら随分違う筈である。

今回購入した米国ORION社の冷却CCDはとても安価です。
現在はデジイチで撮影していますが、やはりモノクロ冷却CCDと
ナローバンドフィルターの組み合わせなどは魅力的です。
何時もの10cmF6鏡筒でも、2/3"の素子であればコマフリーに近い
し、トリミングしなくてもVC200L相当の視野となる訳です。
冷却デジイチ(IR改造品)は耐久性が無さそうだし、機能無駄が
多いので選定から外しました。(でも使ってみたいケド)

モノクロ冷却CCDの方はSONY ICX285AL 2/3" だから感度も良い
と思われますが、Pro2.0カラー冷却CCDの方は
SONY SuperHAD ICX413AQ ワンショットカラーなので、今となって
は古いですね。2002年の発売でistDやD70に使われていたよう
です。但し、撮像面が25.11X17.64mmもある600万画素チップです。
これをデジイチの代わりに使ってみようという訳です。
感度、低いんだろうなあ~~(;一_一)
作例も殆ど無いし・・・またも人柱~かあ。

バッテリーは、6時間で突然10Vまで低下して終わりました。

アラ、もうバッテリー切れだよ・・・orz
25℃で6時間じゃあ、氷点下では2~3時間しか持たないねえ。
バッテリーがヘタッている可能性があるなあー。
でも、まあ、ちゃんと冷却をしていたという証拠ではある。
この冷却CCDは、温度モニターが無いのでした!
制御ソフトはMaxIm DL Essentialsが付いて来るのだけど、CCD温度
のモニター機能が無い。まいったなあ~、外気-30℃ってことだが、
神のみぞ知るかい!


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最近作ったもの

2012-07-09 16:58:00 | 撮影機材
冷却CCDを搭載するに当たり、鏡筒周りのハンドリングを良く
しなければなりませんでした。何しろケーブルだらけ。
今回はA型アタッチメント(通称アリガタ)を取り付けました。




タカハシのM8_35mmピッチでワンタッチ脱着可能となりました。
アリガタヤ、アリガタヤ


少し前までガイド鏡として使ってきたRFT80_fl=400mmを大型
ファインダーに格上げし、少しは観望も出来るようにしました。
そのため、SSAGに使っていたTリングをRFT80へ戻すことになり、
SSAG専用品を旋盤で作ることになりました。
ココだけなんだか高級品っぽいです。



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K-30 + O-GPS1 アストロトレーサー・ファーストライト

2012-07-02 19:36:00 | アストロトレーサー
PENTAX K-30 + O-GPS1 アストロトレーサーでテスト撮影を
行いましたので、レポートをしたいと思います。

<総感>

・精密キャリブレーションがやりやすくなった(気がした)。

・K-5よりも赤い星雲は良く写るようである。

・高感度耐性がK-5よりも半段上のような気がする。

・K-5並みにバッテリーが持つ。K-rの1.5倍は持ちそうな感じ。

・GPSユニットの青色LEDとオレンジ警告LEDをOFFにできる設定が
 ある。実際、作動中はOFFに出来た。
 しかも、途中でGPSユニットのバッテリーが限界になった際、
 二つのLEDがフラッシングして知らせてくれた。有難い。

・アストロトレーサーの使い方が変更されていた。
 K-5 , K-r ではアストロトレーサーの設定画面に”撮影開始”
 というメニューがありましたが、K-30にはありません。
 アストロトレーサー設定画面で設定後、撮影は通常のBモードで
 行います。
 例えばアストロトレーサーの設定画面でタイマー露出時間を
 1分30秒に設定し、その後、メニューボタンを3回押すと通常の
 バルブ撮影画面のようになります。ここでシャッターを全押しすると
 アストロトレーサーでの撮影が開始されます。この時、
 グリーンボタンにアストロトレーサーのON-OFF機能が自動的に
 割り振られており、押すとアストロトレーサーをOFFにでき、
 その場合は通常のバルブモードになります。
 もう一度押すとアストロトレーサーモードに戻ります。
 今までと使い方が異なる(アストロトレーサーの格上げ?)ので、
 初めはアレ?って感じです。

 アストロトレーサーモード中は★///アイコンが出ます。
 ここで感度、露出時間、ISOを変更でき、設定した露出
 時間はアストロトレーサーの設定画面にあるタイマー露出時間に
 反映されます。Bモードでの撮影となったことから、タイマーリモート
 コントローラーによる連続撮影が出来るのではないか?
 これは次回試してみよう。

・Bモードでアストレ撮影を行う場合、グリーンボタンにON-OFF機能
 が割り当てられているが、OFFで撮影してもアストレが作動してい
 るようだ。これも次回の確認事項とする。

・アストロトレーサーモードで撮影を開始した際、K-30のSRユニット
 から”コトン、コトン”という音が聞こえてきた。
 SRが誤動作している。星空追尾でSRユニットが音を出すほど
 動く筈は無いため撮影中止。→ 実際に撮影は失敗していた。
 この現象が4時間のうち2カット発生した。原因は不明。

・アストロトレーサーのタイマー露出設定が10秒ステップになって
 しまったようです。K-5 , K-rでは1秒単位で設定できていましたが、
 K-30では10秒ステップです。

・LVがX6までしか出来ない。K-5 , K-r はX10まで可能。
 ピント合わせの時に役不足です。

<共通設定等>

---------------------------------------------------

撮影日時:2012年6月29-30日 23:54:20~02:54:30
撮影地:南魚沼市
星空指数:80点
気温:15℃ → 12℃
カメラ:K-30_RAW
レンズ:DAL18-55mmF3.5-5.6 , DA70mmF2.4 Limited
感度:ISO 3200~6400
露出時間:***
WB:Auto

ディストーション補正:OFF
倍率色収差補正:OFF
RAWファイル形式:DNG
拡張ISO:ON

D-Rangeハイライト:OFF
D-Rangeシャドウ:OFF

高感度NR:中(開始感度ISO800)
長秒時NR:OFF
色空間:sRGB
画像仕上げ:鮮やか
彩度:0
色相:0
キー:0

コントラスト:1
ファインシャープネス:OFF

赤道儀:無し → O-GPS1 アストロトレーサーを使用
ガイド鏡:無し

----------------------------------------------------

RAW現像:SILKYPIX DS3.0 for PENTAX
画像処理:CS5
プリンター:EPSON PX-G5300
カラー処理:Photoshopによるカラー管理
プリンタープロファイル:PX-G5300 photo crispia
マッチング方法:絶対的な色域を維持
用紙種類:クリスピア
色補正:ユーザ設定 -> 色補正無し
印刷品質:詳細設定-品質優先-双方向印刷 OFF

----------------------------------------------------
18mmF3.5(4.5) , ISO3200 , 120sec


18mmF3.5(4.5) , ISO3200 , 120sec


70mmF2.4解放 , ISO3200 , 90sec


70mmF2.4解放 , ISO3200 , 60sec


70mmF2.4(5.6) , ISO6400 , 90sec


55mmF5.6 , ISO6400 , 60sec


アストロトレーサーのB撮影時にグリーンボタンを押すと、
アストロトレーサーをON-OFFできる。この作例はOFFとして通常の
B(バルブ)撮影をしたのだが、星を追尾してしまっている。
LCDの表示は確かにOFFだったのだが・・・


4時間の撮影中に2カット、SRユニットが誤動作した。
その時の写真がコレ。


------------------------------------------------------

K-30とO-GPS1アストロトレーサー


アストロトレーサーの設定画面。


アストロトレーサーの設定画面で"MENU"を3回押して撮影画面に
戻る。ここが K-5, K-r と異なっている。つまり、
アストロトレーサーでの撮影も通常のB撮影と同じ所で行える
ように変更になった訳です。K-5 , K-rでは、アストロトレーサー
の設定画面の中に”撮影開始”メニューが出て来ましたが、
これでは連続して撮影する時に不便でした。改善された模様。


この状態で前ダイヤルで露出時間、後ろダイヤルで絞り、ISOボタン
で撮影感度を変更できます。変更した露出時間は、
アストロトレーサー設定画面の”タイマー露光”に反映されます。


<その他>

K-30にはリモート端子が付いていますが、カメラだけでもバルブ
撮影が出来るようになっていました。 それは・・・
K-rではIRリモコン時のシャッター動作をメニューで設定できます。
IRリモコンを、

”一度押してシャッター開”

”もう一度押してシャッター閉”

という設定です。
K-30では、メニューの設定画面にIR時の項目がありません。
そのかわり、B(バルブ)時のシャッター動作を指定できるように
なっており、IRリモコン使用時にも反映されます。
これを設定すると、IRリモコンが無くてもK-30のシャッターを

”一度押してシャッター開”

”もう一度押してシャッター閉”

が出来るようになるのです!! 素晴らしい♪

もうひとつ。
今回はシャッターを指で押したのではなく、純正のIRリモコンを
使いました。3秒後レリーズに設定して使用したわけですが、
その動作は・・・
IRリモコンを押すとまず、ミラーアップします。
3秒経つと”チャッ”っと音がしてシャッターが動作するんです。
凄い!自動ミラーアップではありませんか。素敵です。

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以上、駆け足でテストレポートをまとめてみました。
6月29日の夕方にカメラを受け取り、急いで動作確認を行い、
晴れている場所を探したら、新潟が良さそうでした。
埼玉県入間市から南魚沼市の撮影現場まで、片道3時間弱です。
梅雨なので関東は全滅でしたが、関越トンネルの北側は快晴。
しかし、米どころですから水蒸気が凄かった。
標高を上げるしかありません。結局910mまで登っての撮影でした。
下界は水蒸気でモヤモヤ~~~

六日町方面


塩沢石打&湯沢方面


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