先日、人生初の歌舞伎鑑賞を果たしましてね
おひとり様歌舞伎がなかなか楽しかったんですの。
で、もし歌舞伎にハマったなら、次は市にやってくる歌舞伎を観ようと、市のお知らせに○印をしておきました。
歌舞伎を好きになるかNo more.になるかは、何しろ1回観てみないことにはわからないでしょ?
だからチケットは第1回目が終わるまで買わない。
売り切れちゃったらそれも縁、と割り切っていたんですね。
結局、次は地元に巡業で来る歌舞伎を、前回よりは「気楽に」観ようとチケットを買いに行くことにしました。
うちのオットね、ワタシが考えた「遊び(計画)」に「俺も行く!」ということが多いんですよ
別にイヤなわけじゃないんだけど、ワタシ一人じゃない場合でも「俺も行く」というので驚くことがいっぱい
6月に行った台湾もそう。
11月に予定した益子焼陶器市もそう。
そんな金魚のフンオットなので、この前の歌舞伎座は声をかけずに一人で申し込みました
もともとお盆期間が仕事だったのもあるけれど、日にちを選べばオットが行ける日もあったはず。
けれど、うっかり「俺も行く」と言われたら、万越えのチケットを2枚手配しなくちゃならないのはワタシですものね
暗黙的に我が家には、提案した方が支払う…的な空気があって(笑)、ワタシが「歌舞伎座に行く!」「俺もっ」
これは危険な香りしかしませんよ
そして「モアイ君が仕事のこの日に歌舞伎座行ってくるんだぁ~」と事後報告をしたんですね
で今回の申し込みですよ。
その日は日曜日。
モアイ君もお休みの日です。
ワタシはさらっと「この日、市の歌舞伎に行ってこようと思ってるんだぁ」
「へぇ~、そんなの来るんだ。俺も行こっかな」
出たよ~来たよ~
案の定「俺も行こうかな」ときましたよ
まぁ、行くのは構わないさ。
けれど、寝ないよね?
モアイ君の睡眠のためにチケットを買うのは絶対にイヤ!
歌舞伎座でスヤスヤ寝ていた周囲の人のような余裕は我が家にはないからねっ
念押しをして、瞳の奥の覚悟を読み取ってそれでも行くというので、仕方ない。
ではチケットを、今回は最初から末席と決めていたので、一番安い席を2枚買いましょうかね
ワタシは仕事から直行だったので、オットとは文化会館で待ち合わせました。
トウモロコシご飯のおにぎりを自分で持って出たので、それを開演前に食べましたよ。
演目は2つ。
お友達の好きな「松也」も出るじゃーないの。
お席は本当に後ろの方。
いいの、決めてたんだから。
今回もイヤホンガイドを借りて、ワタシはもちろん予習もして、本番に臨みます。
モアイ君にも早目にイヤホンを装てんさせ、「解説を聞きなさい」と指示しました。
【封印切(ふういんきり) 新町井筒屋の場】
このお話はどこかで少し聞いたことがある様な気がします。
井筒屋お抱えの遊女梅川と恋仲になった主人公は、なんとか彼女を身請けしたいのだけど、手付金の工面ができません。
そこにライバルが現れ、梅川を身請けすると言い出し、その挑発に乗った主人公が、絶対に手をつけてはいけない武家屋敷に収めるはずの公金の封を切ってしまう・・・
公金封切りは死罪免れぬ行為のため、主人公と遊川はふたりで逃避行を始めるのです。
この主人公が中村鴈治郎さん。
扇千景さんのご長男といった方がワタシにはなじみがあります。
この鴈治郎さんが、お母様譲りの丸顔で、可愛らしすぎてワタシにはダメ。
女形の遊川役は市川高麗蔵さんなんだけど、コマゾーさんが鴈治郎さんより面長で背が高く、これまたう~ん
愛し合う2人の悲哀は十分に物語としてはウルッときたのですが、行きつ戻りつが長い!
ライバルとの挑発シーンも声が小さくていまいち意味不。
てっきり主役だと思っていた松也さんも序列的にはまだのようで、ライバル役なんだけれど、あまり表情がなくて(遠目で見えないのもあるが)、なんともピンと来ず。
もう少し前で見ればよかったのかも…との反省はありつつも、末席まで楽しめなければそこはお席じゃないわけで。
井筒屋のおかみ役の上村吉弥さんなど、いい役者さんも見つけられたので、そこは半分収穫でした。
あ。
近松門左衛門の『冥途の飛脚』を基に歌舞伎化したと書いてあるので、ちょっと知っているストーリーだったのかもしれません。
そして、歌舞伎特有の最後まで見せるわけじゃない表現。
主人公と遊川がこの先どうなるかは舞台では語らず、井筒屋から逃げるシーンまででオシマイ。
「井筒屋の場面をご覧ください」ってことなんですね。
モアイ君、起きてます。しっかりと
一幕と二幕の幕間には舞台セッティングがありました。
文化会館にはもちろん花道がないわけですが、ここを花道に見立てて、有効的に使っていましたよ。
ここに、一段高い舞台(地面)を作るってことは、第二幕は舞踊劇だよってことを前回覚えました。
舞台を一段高くすることで、足踏みの音がよく響き、つまりはタップダンス的に役者さんが踊るのです。
【蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)】
4役なさるのは扇千景さんの次男:中村扇雀さん。
この方は先日の8月歌舞伎でも二幕にわたって出ていらしたので、今のところワタシに一番ご縁のある役者さんのようです。
お兄さん(雁治郎さん)よりこちらの方が役に違和感はないけれど、やはりお歳を重ねて肌にしわが目立つ方の白塗り(女役)は少し…むむむと思うところがあります。
男性特有の骨ばった顔つきで女性を演じるのを見ると、あー、玉三郎さんや七之助さんは女役になるべくしてなっているなぁと感じました。
それでも!
扇雀さんの4役は見事で、女郎蜘蛛の精が「女童」になったり「座頭市」になったりと、早変わりよろしく場面ごとに所作を変え踊る姿は感激しました。
扇雀さんのご子息の中村虎之介さんの発声も見栄も大迫力で、次世代を担う若手のライバルたちに負けずに精進されているのがよくわかります。
女郎蜘蛛がぴゃ~っと糸を吐き、それを黒子さんがシュルシュル~と巻き取っていくのも面白く、松也さんも女郎蜘蛛に翻弄される源頼光を華やかに演じていらっしゃいました。
が、ワタシは松也さんにはハマらなかったようです…(と松也好きの友にもLINEしました)
舞台がダーンダーン!
いや、カッカッ!が近いかな?
コーンコーンかしら?
足踏みのたびに音が鳴って、楽しいったら
『戦う者同士(ここでは蜘蛛と頼光一派)が左右に首を5回・・・右左右左右と振るときは、両者の力が拮抗していることを表します。』
こんなこと、イヤホンじゃないと教えてくれないでしょう?
なるほど、首を左右に揃って振ったときは力が互角ってことなんだね。
こんな風に戦うさまを様式美として見せてくれる歌舞伎。
物語の最後にはきちんと勝ち負けがつくでなく、女郎蜘蛛を真ん中にばーん!とポーズを決めて、舞台が終わるのです。
あぁ、舞踊劇はやはり面白い
早変わりも、舞台チェンジも、なんてきらびやかで楽しいのでしょう。
横のモアイ君もずっと起きていましたよ
何を着ていけばいいのかしら?と悩んだ歌舞伎座と違い、このシト、ビーサンですよ
チリンチリーン
この気楽さは地元ならでは。
モアイ君の歌舞伎デビューはこんな風に敷居低く始まったのでした
おひとり様歌舞伎がなかなか楽しかったんですの。
で、もし歌舞伎にハマったなら、次は市にやってくる歌舞伎を観ようと、市のお知らせに○印をしておきました。
歌舞伎を好きになるかNo more.になるかは、何しろ1回観てみないことにはわからないでしょ?
だからチケットは第1回目が終わるまで買わない。
売り切れちゃったらそれも縁、と割り切っていたんですね。
結局、次は地元に巡業で来る歌舞伎を、前回よりは「気楽に」観ようとチケットを買いに行くことにしました。
うちのオットね、ワタシが考えた「遊び(計画)」に「俺も行く!」ということが多いんですよ
別にイヤなわけじゃないんだけど、ワタシ一人じゃない場合でも「俺も行く」というので驚くことがいっぱい
6月に行った台湾もそう。
11月に予定した益子焼陶器市もそう。
そんな
もともとお盆期間が仕事だったのもあるけれど、日にちを選べばオットが行ける日もあったはず。
けれど、うっかり「俺も行く」と言われたら、万越えのチケットを2枚手配しなくちゃならないのはワタシですものね
暗黙的に我が家には、提案した方が支払う…的な空気があって(笑)、ワタシが「歌舞伎座に行く!」「俺もっ」
これは危険な香りしかしませんよ
そして「モアイ君が仕事のこの日に歌舞伎座行ってくるんだぁ~」と事後報告をしたんですね
で今回の申し込みですよ。
その日は日曜日。
モアイ君もお休みの日です。
ワタシはさらっと「この日、市の歌舞伎に行ってこようと思ってるんだぁ」
「へぇ~、そんなの来るんだ。俺も行こっかな」
出たよ~来たよ~
案の定「俺も行こうかな」ときましたよ
まぁ、行くのは構わないさ。
けれど、寝ないよね?
モアイ君の睡眠のためにチケットを買うのは絶対にイヤ!
歌舞伎座でスヤスヤ寝ていた周囲の人のような余裕は我が家にはないからねっ
念押しをして、瞳の奥の覚悟を読み取ってそれでも行くというので、仕方ない。
ではチケットを、今回は最初から末席と決めていたので、一番安い席を2枚買いましょうかね
ワタシは仕事から直行だったので、オットとは文化会館で待ち合わせました。
トウモロコシご飯のおにぎりを自分で持って出たので、それを開演前に食べましたよ。
演目は2つ。
お友達の好きな「松也」も出るじゃーないの。
お席は本当に後ろの方。
いいの、決めてたんだから。
今回もイヤホンガイドを借りて、ワタシはもちろん予習もして、本番に臨みます。
モアイ君にも早目にイヤホンを装てんさせ、「解説を聞きなさい」と指示しました。
【封印切(ふういんきり) 新町井筒屋の場】
このお話はどこかで少し聞いたことがある様な気がします。
井筒屋お抱えの遊女梅川と恋仲になった主人公は、なんとか彼女を身請けしたいのだけど、手付金の工面ができません。
そこにライバルが現れ、梅川を身請けすると言い出し、その挑発に乗った主人公が、絶対に手をつけてはいけない武家屋敷に収めるはずの公金の封を切ってしまう・・・
公金封切りは死罪免れぬ行為のため、主人公と遊川はふたりで逃避行を始めるのです。
この主人公が中村鴈治郎さん。
扇千景さんのご長男といった方がワタシにはなじみがあります。
この鴈治郎さんが、お母様譲りの丸顔で、可愛らしすぎてワタシにはダメ。
女形の遊川役は市川高麗蔵さんなんだけど、コマゾーさんが鴈治郎さんより面長で背が高く、これまたう~ん
愛し合う2人の悲哀は十分に物語としてはウルッときたのですが、行きつ戻りつが長い!
ライバルとの挑発シーンも声が小さくていまいち意味不。
てっきり主役だと思っていた松也さんも序列的にはまだのようで、ライバル役なんだけれど、あまり表情がなくて(遠目で見えないのもあるが)、なんともピンと来ず。
もう少し前で見ればよかったのかも…との反省はありつつも、末席まで楽しめなければそこはお席じゃないわけで。
井筒屋のおかみ役の上村吉弥さんなど、いい役者さんも見つけられたので、そこは半分収穫でした。
あ。
近松門左衛門の『冥途の飛脚』を基に歌舞伎化したと書いてあるので、ちょっと知っているストーリーだったのかもしれません。
そして、歌舞伎特有の最後まで見せるわけじゃない表現。
主人公と遊川がこの先どうなるかは舞台では語らず、井筒屋から逃げるシーンまででオシマイ。
「井筒屋の場面をご覧ください」ってことなんですね。
モアイ君、起きてます。しっかりと
一幕と二幕の幕間には舞台セッティングがありました。
文化会館にはもちろん花道がないわけですが、ここを花道に見立てて、有効的に使っていましたよ。
ここに、一段高い舞台(地面)を作るってことは、第二幕は舞踊劇だよってことを前回覚えました。
舞台を一段高くすることで、足踏みの音がよく響き、つまりはタップダンス的に役者さんが踊るのです。
【蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)】
4役なさるのは扇千景さんの次男:中村扇雀さん。
この方は先日の8月歌舞伎でも二幕にわたって出ていらしたので、今のところワタシに一番ご縁のある役者さんのようです。
お兄さん(雁治郎さん)よりこちらの方が役に違和感はないけれど、やはりお歳を重ねて肌にしわが目立つ方の白塗り(女役)は少し…むむむと思うところがあります。
男性特有の骨ばった顔つきで女性を演じるのを見ると、あー、玉三郎さんや七之助さんは女役になるべくしてなっているなぁと感じました。
それでも!
扇雀さんの4役は見事で、女郎蜘蛛の精が「女童」になったり「座頭市」になったりと、早変わりよろしく場面ごとに所作を変え踊る姿は感激しました。
扇雀さんのご子息の中村虎之介さんの発声も見栄も大迫力で、次世代を担う若手のライバルたちに負けずに精進されているのがよくわかります。
女郎蜘蛛がぴゃ~っと糸を吐き、それを黒子さんがシュルシュル~と巻き取っていくのも面白く、松也さんも女郎蜘蛛に翻弄される源頼光を華やかに演じていらっしゃいました。
が、ワタシは松也さんにはハマらなかったようです…(と松也好きの友にもLINEしました)
舞台がダーンダーン!
いや、カッカッ!が近いかな?
コーンコーンかしら?
足踏みのたびに音が鳴って、楽しいったら
『戦う者同士(ここでは蜘蛛と頼光一派)が左右に首を5回・・・右左右左右と振るときは、両者の力が拮抗していることを表します。』
こんなこと、イヤホンじゃないと教えてくれないでしょう?
なるほど、首を左右に揃って振ったときは力が互角ってことなんだね。
こんな風に戦うさまを様式美として見せてくれる歌舞伎。
物語の最後にはきちんと勝ち負けがつくでなく、女郎蜘蛛を真ん中にばーん!とポーズを決めて、舞台が終わるのです。
あぁ、舞踊劇はやはり面白い
早変わりも、舞台チェンジも、なんてきらびやかで楽しいのでしょう。
横のモアイ君もずっと起きていましたよ
何を着ていけばいいのかしら?と悩んだ歌舞伎座と違い、このシト、ビーサンですよ
チリンチリーン
この気楽さは地元ならでは。
モアイ君の歌舞伎デビューはこんな風に敷居低く始まったのでした
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます