時間があるようでなかなかないMarchさんの気ままな生活。
家事をしながら耳だけTVなーんてことはしょっちゅうでも、どっかりソファに座ってTV鑑賞をする時間が取れません。(ご飯の時ぐらいかな)
おそらく時間の使い方が下手なんだわね。
そんなわけで、字幕を読む必要がある映画や海外ドラマを観ることがほとんどできないでいるの。
晩ご飯のあとソファに横になって深夜まで、番組が終わっているのにも気づかずに
してるくらいなら、きちんと早寝して朝5時の静かな時間から、世間が動き出すころまでじっくり観ればいいものを。
今回、全21話の韓国ドラマをこの10日間で一気見しました!
お友達の23ちゃんがブログで「我が家的過去最高ドラマ」と言っていて、ワタシよりはたくさん観ているであろう彼女をもってして「過去最高」と言わせるドラマって!
そりゃ気になりますがな。
そしたら「持ってるわ」とみーちゃんが貸してくれたのを、そのまま長いこと自分の手元に置いておくのがワタシのいけないところ・・・
とうとうみーちゃんに「次が控えてるから早く観なさい
!」とケツをたたかれ、このまま返すわけにはいかないわっ!
そうしてミシンも晩ご飯の支度もそっちのけで時間を作ったのです。
全21話って約21時間と思うでしょ?
それがこのドラマ、1話65分の日もあれば95分の日もある。
「よしっ!今から1時間だけドラマを観よう」と観始めて時間を確認したら80分なんてことはザラで・・・
泣く泣く途中で出かけることもあったりと、テキトーなんです。
それでもカットされるよりはじっくり描かれていてよかったのだけど。
そんなわけでおそらく21話に30時間は費やした感じかな。
応答せよ1994
たぶん勧められなかったらワチャワチャした若者ドラマでしょー?と見向きもしなかったでしょう。
ワタシは特に高校を舞台にした学園・制服物にまったく拒否反応があり(韓国ドラマの場合)、御曹司と平民の恋(花より…的な)は非現実的だし、非行に走るドラマも嫌い。
それは「宮(クン)」でも言えるところ。
あの手の閉鎖的シチュエーションで繰り広げられるドラマはもう楽しいとも思えない感覚なんです。(年齢的にかな)
でも、このドラマは大学生が主役。
勧められなかったら観なかったでしょうけど、観始めたら懐かしいやら切ないやらでぐんぐんハマりました。
舞台はソウル。
「新村下宿」という下宿屋さんに集まった地方出身の大学生の日々を丁寧に描いたドラマです。
シーンが1994年~、2013年と2つの構成になっていて、つまりは2013年で40歳になろうとしている彼らの1994年を振り返る形で物語が進んでいくの。
この構成が面白い。
2013年現在、主人公の下宿屋の娘ナジョンはこの中の誰かと結婚しているのだけど、それが誰なのか最終話までわからないという謎解きを1994年から私たちは見ていくわけです。
その中に、恋愛あり挫折あり、若者たちの成長とそれぞれの親の愛が描かれていて、もうね~、腹筋ヒクヒクして泣いたかと思ったら次には大笑いしちゃうという、これだけ感情を揺さぶられたら「素晴らしいドラマ」じゃないはずがないですよ。
何かあれば『家族』全員でTVの前に集まるシーン。
この場所で彼らはニュースを観、ワールドカップを応援し、おそらく実際の1994年の時事が織り込まれていて、それを回顧するのは韓国の人なら楽しかったんじゃないかなぁ。
(日本人のワタシでも1994年の韓国を観るのは楽しかったもん)
地方から来た子供たちは下宿屋の夫婦のことを「お父さん」「お母さん」と呼ぶの。
この「両親」の愛が深い。とてもいい夫婦でした。
いろんな方言が飛び交い、いかにして垢抜けるかを努力するシーンなんて大笑いしながらもたまらなく可愛かった。
さっきまで「兄弟」げんかしてたかと思えばカセットテープを貸し合う子供たち・・・
ポケベルしかない時代はすれ違いも生じるし、携帯のようにはいかないの。
電話の前で電話が鳴るのを待つなんて、私たちの青春の頃と同じじゃないの。
なんて純粋で愛おしい子たちなんだろう?
けれどそれはいつか必ず終わりを迎えるわけで、兵役があり、結婚を意識し、子供たちが一人ずつ巣立っていくのを見守る親の気持ち(ワタシの気持ち)・・・
まさしくそれは「贈り物のような時間」なんだよね。
こんな下宿屋のオバちゃんやりたい!と途中で23ちゃんにLINEをしたけれど(笑)、じゃあワタシがずっと「オモニ」目線だったかと言えばそうではなく、同時にちゃーんとナジョンの気持ちで恋もしました。
ナジョンが恋をする「オッパ」スレギ。
キャー、スレギには堕ちるわね
ワタシ、ツンデレは好きじゃないんですね。
怒鳴るような乱暴な人が途中からいくら「デレ」に転じても、その乱暴さが怖いの。
このスレギは最初信じられないくらいだらしがない。
下着も着替えないし、腐った牛乳も飲んじゃう。
無頓着すぎてお風呂場のバスマットで体拭いちゃうなんて(笑)
でも、医学部ではトップの成績だったり、体調の悪いナジョンをいち早くみつけて、お皿洗いを代わってあげたりと、その優しさがいちいちワタシに刺さってくる
いざというときにだけキリッ!とする男性って、スキがないより素敵なのね。
「妹」ナジョンを優しくみつめる「兄」の瞳にたまらなく惚れました~。
いや~、これがいわゆる『ギャップ萌え』ですね。
ワタシ、頭ポンポン・・・されたいもん。
あぁ、このままナジョンはスレギと結ばれるのか、それとも違うのか。
Aを応援する人と、Bを応援する人・・・2派に分かれてみんなハラハラしたんじゃないかな。
結婚式のシーンで隣に並ぶ男性は、最後まで顔が切られており、ワタシは祈るような気持ちで背の高さとか一生懸命検証しちゃいました。
(たぶん、背の高さをわざと違えてたと思うよー。ナジョンの目線が正解の人と違うもん)
今知ったことだけど、今回のドラマは最後まで情報流出しないように、キャスト本人にも最終話で誰と結ばれるのかが知らされなかったらしい。
・・・ということは、最後の結婚式のシーン…最初に撮っているんだろうけど、ある男性1人だけと撮影したんじゃないそう。
相手を変え何シーンか撮ったんだってね。
長くなるので最後に一つだけ。
ワタシが最初に号泣したシーンは第4話。
ヘテはカッコいい都会の男になりたくて毎日おしゃれを工夫してはクラブに繰り出すの。
でも、どうにもダサすぎていつも門前払いを食らっちゃう。
故郷のオンマは《ソウルで事件・事故
》の度に息子に電話をしてきます。
「大丈夫なの?」「無事なの?」と。
それがだんだんうっとうしくなる息子。
「オンマ、ソウルは広いんだぜ。心配するなって」
ある日、故郷のニュースがソウルに届きます。
《ガス爆発事故》
今日も門前払いを食らったヘテが仲間からのポケベルをチェックせずに帰宅して、家で事故のことを知ります。
急いでオンマに電話をするヘテ。
電話は近所のお友達との長話中でなかなか通じません。
やっと出たと思ったら「あら~。ソウルでもこっちのニュースが流れるのかい?それはすごいねぇ!」とのんきなオンマ。
「やだねぇ、こっちだって広いんだよ」
このダサい格好が愛おしいわぁ。
「そんなことよりヘテや。送ったイチジクのジャムはもう食べたかい?」
「うん、みんなで食べたよ」
「そう。こっちのイチジクは特別だからね。また良いイチジクを買ったから、ジャムを作って送るね。お父さんにも食べさせないんだからね」
それはヘテの嘘なんだ。
イチジクのジャムはヘテの本棚に放置したまま。
親が子を思い、子が親を思う・・・
そんな当たり前のことがダサいと思い始めたヘテだけれど、ガス爆発と聞けば手が震えるほどオンマが心配。
オンマも同じ気持ちなんだな。
そして・・・
自室の本棚からジャムのジャーを出し、ヘテは食べるのです。
どう?
たまんないでしょ?
こんなエピソードがたくさん詰まっているの。
親の愛、子供の愛、仲間の愛、恋心、迷い、葛藤・・・
誰よりも寡黙で最初は「この子いらないんじゃない?」と思ったピングレも、口数が少ない分実は周囲を一番よく見ていて、スロースタートなりにグンと成長していく。
成長の速度がみんな違ってみんないい。
ワタシに代わってもう一度1994年から青春を体験してくれた彼らに、感情移入しながらとてもすがすがしい気持ちになりました。
ナジョンのお母さんが「結婚はちゃんと縁がある人とできるのよ」と言ったセリフも素敵でした。
将来有望だからとか口出しするのではなく、娘を信頼して縁がある人と結ばれなさい、と言いきれる母心。
イ・イルファって素敵な女優さんだね。
あー。
DVDは次が控えてるみーちゃんに返さなきゃ
ワタシ史上も最高のドラマ・・・も一回観たいよぉ。
応答せよ1994 : 全21話