もう、時計は朝9時を回っている。
当日の当日で、食材はあるのかしら?
しかも、ランチが希望なんて、無謀かなー。
「もー
私が電話しちゃうよ!」
「うん。お願い~」と朝食の食器を洗いながらオット。
「今日の今日で、ランチにぐるナイコースは可能でしょうか?」
「え・・・っと、何名さまになりますか?」
「2人なんですけど」
「はいっ
でしたらご用意できます!」
「ぐるナイコース、大丈夫ですか?」
「はい!大丈夫です!ちなみに、お誕生日とか何か記念日ですか?」
「あー・・・
ま、記念日っちゃ記念日、ワタシの誕生日なんですけど、やーねー、自分で電話しちゃうってやよねー。」
「(苦笑)」
「だからー、いいです。別に普通の食事で全然いいです
」
「いえ、では、サプライズにはなりませんけど(笑)、半サプライズぐらいで少しご用意させていただきますので
」
「えー
いいんですかー?じゃ、ワタシ、ちゃんと驚きますから
」
「うふふ。では13時でお待ち申し上げております」
もー
自分で電話してりゃ、驚くもんも驚けないわ!
そして、急いで向かいました。四谷「Specchio」
新宿通りは日曜日ホコテンやってるんだねー。
気持ちいいから、車道を歩こうかね。
お店の中は、外からは想像できない大空間。
吹き抜けで2階が見えるんだね。(オットのおでこもちょっと見えるね)
リチャード・ジノリのお皿を眺めながら最初のお食事がサーブされるのを待ちます
Entrata ~アミューズ~
静岡県三島“杉正農園”の有機野菜や長野県産の高原野菜の バーニャカウダ(単品 ¥1,600)
自分でも作れるバーニャソースには驚かないけど、お野菜が珍しいものばかり。
これってなーに?大根?これはゴボウ・・・じゃないよね、この輪切りの甘い野菜は何だろう?みたいな、色とりどりの珍しい野菜が美味しいなぁ。
Antipasto ~前菜~
オマール海老と帆立貝柱とズッキーニのゼリー寄せ 半熟卵と生ウニ添え(単品¥3,100)
ワタシは、チョーがつくくらいの<コンソメゼリー>好き!
最初に感動したのは、クニちゃんの結婚式で行った高輪のレストラン。
ワタシは司会だったため、ほとんど食事できなかったんだけど、
それでも運よくカリフラワーのコンソメジュレ寄せみたいのを食べられた。
その、ペースト状のカリフラワーとコンソメに超感動!
それ以来、もうコンソメゼリーに目がない。
ぐるナイでも、間違いなく私が頼んだ一品。
うわー、これ美味しい~~~~
半熟卵とウニのところも美味しい~
オマール海老じゃなくてブラックタイガーでいいから、1,500円で出してくれたら、毎年食べに来る(笑)
Primo Piatto ~パスタ料理~
蝦夷鹿のトマト煮込みと下仁田葱で和えた ウンブリチェッリ(単品¥1,800)
最初、オットと2人、目を見つめあいながらお肉だけを黙々と噛んでみる。
2人とも「エゾシカ」ってところに興味津々なんだ。(やーねー、食生活のレベルが同じすぎるわー(笑))
「そんなに臭みがないね」「アタシ、鹿って言われなければ牛肉だと思っちゃうわ
」「トマトに長ねぎを使うって面白いね」「麺がモチモチでおいしいよー」「ウンブリチェッリってこういうショートパスタのこと言うんだね」とか言ってるうちにペロリ。
ま、鹿は使えないにしても、トマトをケチらなければうちでも出せる味かな?適度な甘みがオットより私の好みでした。
Secondi Piatti 【Pesce】 ~魚料理~
本日鮮魚と浅利・タジャスカ種オリーヴ・ケッパーのオーブン焼き“アックア・パッツァ”(単品¥2,800)
今日の鮮魚は「すずき」でした。
要は、白ワインでアサリを開かせて、そこにトマトとオリーブ、そして別に焼いたすずきにかければいいんだよね?
生意気言えば、これはうちでも近しい味が再現できるね。
ちょっとしょっぱかったかな。
これには2,800円出せませんでした。
Secondi Piatti 【Carne】 ~肉料理~
特選黒毛和牛(A5)フィレ肉とフォアグラと加茂茄子の重ね焼き 黒トリュフソース
(単品¥4,800)
これも、ぐるナイで私が頼んだお料理です。
よっ!待ってました!
まず、A5のお肉はたぶん生涯初
あちこちのステーキやさんには行ったけど(ハワイでも行ってるし)、でも、A5は食べてないでしょう、たぶん。
一番下にソテーした加茂茄子・その上にA5牛・その上にフォアグラの3段重ねですよ。
そして、実にいい濃さの黒トリュフソース。
ワタシ、トリュフの香りがいまいちよくわからなくて、でも、出てきたのを嗅いだら思い出しました。
あ!これがトリュフだわ。
うーーーん、トリュフが大好きってわけでもないかな。もちろん嫌いでもないよ。
でも、よくお料理にスライスして出されるトリュフ、あれってどんな味なんだろう?
それはそれでもっとおいしいのかなー。
また、宿題ができたわー。
オットはあまりフォアグラに興味がなく、それは最初に食べたフォアグラの印象が悪かったかららしいんだけど、ここのフォアグラは充分美味しいと。でも、これ以上はいらないと。
柔らかいお肉にフォアグラをまとわせて食べると、いっそうコクが出て素晴らしいお味だねー。
これが4,800円のお味なんだねー。
あぁ、加茂茄子うまいなー。
オットはもっと硬い「ザ・アメリカンビーフ」も好きだと。
そりゃ、ワタシだってそうだよ。
結局、この柔らかさがお値段なんだね。
次に食べるのは入れ歯になってからにしよう(笑)
Dolce ~ドルチェ~
スペッキオ特製デザート 6種類の盛り合わせ(単品¥1,600)
ここで小さなサプライズ。
ワタシのケーキ皿にはチョコレートで書いたメッセージと(読めないけど)2本のろうそく。(筆記体の文字の最後にろうそくが立ってるのわかるかな?)
ここね!ワタシが驚くところはここね!と気づき、「わぁー
ろうそくまでー
」と過剰演技。
電話に出たお姉さんと大笑い。
「一緒にお写真とりますか?」とお店の方が言ってくださり、ろうそくドルチェと記念写真。(犯罪者のようだが)
その後、ろうそくを取りにいったん戻して、あらためてサーブしてくれました。
だからオットとはお皿が別。
紅茶のクレームブリュレ・ティラミス・パンナコッタ・ベリー系のシャーベット・焼きケーキ2種。ワタシはクレームブリュレが絶品。オットはチーズを使った焼きケーキの方の中に入ったナッツがうまいと(笑)
ドルチェはこれだけ食べられると幸せだなー
ふぅ~
もうお腹いっぱいだねー。
そして、最後に
Piccola Pasticceria e Caffè ~プティフール&カフェ~
食後にお好きなお飲物を小菓子と共に
あぁ、写真とるのを忘れちゃった。
あと少しだったのに。
メレンゲの焼き菓子と、マドレーヌ風のモチモチした焼き菓子と、文旦の皮を甘く煮たような砂糖をまぶした柑橘のお菓子と・・・コーヒーをいただきました。
《総評》
単品価格はHPに紹介されていたコース内容の紹介をそのまま転記しました。
単純に計算すると、15,700円。それにコーヒーと小菓子が入ったら17,000円ってとこかな。
17,000円と思っちゃうと、我が家的にはブルっちゃうけど、コースでリーズナブルだったので、よかったなー。
でも、1万円のお料理はやっぱり日常の価格ではないし、スペシャルならではの経験やサービスも加味されたお値段だよね。
うーーん。
ワタシはコンソメゼリーのやつを1,500円で毎月食べたい
決めたのもワタシ、予約したのもワタシなんだから、支払いぐらいはオットがバシッと決めてくれ。とチェックをお願いし、お会計を済ませ、出口でコートを着せてもらったら、
電話のお姉さんが、「ちょっとお待ちくださいね」と奥に消えた。
「なに?焼肉屋さんみたいにガムでもくれるのかな(笑)?」とワタシ。
ワゴンに運ばれてきたのは10冊ぐらいの文庫分。
全部を目の前で並べてくれる。
「お誕生日の方に、どれでも一冊本をプレゼントしています
」
「えー
いいんですかー?」
ここは、本当に驚けた(笑)
ホントのサプライズ、用意してるやーん!
やるやん、スペッキオはん!
「でも、どうして?・・・・あ
ポプラ社さんか!」
ここのビル、ポプラ社さんの建物なんでした。
お店をやっているのもポプラ社さんなのかどうかはわからないけど、目の前に繰り広げられたのはポプラ社さんの10冊。
「えー。どれにしよう。迷う~
」
内心「水嶋ヒロのkagerouはないのか?」と思ったけど、さすがにそれは聞かず。
選んだ本がこちら。
小池A子ちゃんと台湾の俳優さんで映画化にもなった「ペンギン夫婦の作りかた」。
石垣島のラー油のお話らしいです。
これなら薄いし(笑)すぐ読める。
老眼が進んでから、なかなか読書も億劫だけど、これはちゃんと読ませていただきま~す!
最後に、お店の前で写真を撮っていただいて、ごちそうさま!
今度は仕事の合間に安いランチでまた来ますね~。
追記:
夜。
オットは韓国海苔をつまみにビールを飲み、128円のカップラーメンを食べていた。
ワタシは、赤福2個の夕食だ。
1回にかける食事代って、千差万別。
1万円が幸せなのか、そうじゃないのかは、まだ答えが出ないでいる・・・(笑)