TATSURO SHIBUYA + ARCHITECTURE LANDSCAPE DESIGN STUDIO

アーキテクチュアは建築、ランドスケープは景観。風景を生かす建築環境デザインに取組んでいます。

住宅版エコポイントの申請スタート

2010-03-09 23:05:10 | サステナブル建築
以前ブログでも書いた住宅版エコポイントの申請受付が開始されました。

この補助金を受け取るポイントを一言で言ってしまえば「高断熱化」に尽きます。
新築の場合、長期優良住宅もしくは地域毎に定められた次世代省エネ基準をクリアしておけば、受給基準を満たすことができる模様です。

改修の場合も、内窓の設置などが対象とされており、これも間にできる空気層を利用した住宅の「高断熱化」が想定されていると思います。

住宅の断熱性能を向上させることでエネルギー消費量を抑制し、環境負荷を低減すること。そしてそれをCO2削減につなげることが政府の目的だと思います。
産業界でのCO2削減には限界があるので、生活者のレベルでもCO2削減を実行しようという強い思惑があるのではないでしょうか。

そのために、エコポイントという「アメ」を用いて一気に住宅の断熱性能の基準を上げたことになります。

ただ、ここで定められた次世代省エネ基準等のエリアが問題になってきます。
というのも、定められているエリアがかなり大雑把で、実状と必ずしも一致しない地域が多々ある可能性があるのです。
つまり、レンジが広いので境界条件が甘くなる地域と厳しくなる地域があるということです。

例えば、白鷹の家のあるエリアは、次世代省エネ基準の地域区分がⅢ(山形県)であるにもかかわらず、多雪地域ということでワンランク厳しい地域区分Ⅱとされていますが、ここ数年実際には雪はそれほど積もりません。

おそらく、かなり粗いメッシュでエリア区分がなされていて、実際の山や谷、河川といったローカルな地形条件を反映したものにはなっていないのが現状なのだと思います。
東京や関西など雪の影響がないところでは、ほとんど問題にはなりませんが、東北や北海道というエリアでは、求められる断熱性能がシビアで、それが直接コストにかかってきます。

こうした地域ごとの微気候のようなものをきめ細かく境界条件として設定できれば、より実状に即したものになると思います。
現状のエリア区分の場合、例えば東北以北の地域ではエコポイントを多めに与えるなどのコストに見合った重み付けがあれば、さらに普及するのではないでしょうか。
そして、今後は、GISなどを活用したより細密なエリア分けとその情報提供が必要になると思います。

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