hyperclub

パソコン教室アイラブハイパークラブです。
教室に流れるBGMなどを紹介します。

おもてなしの向こう

2005-09-03 21:52:09 | 音楽
 土曜日、スケジュールにぽっかり穴が空いた。こんなことでもなければ行けないと、鳥羽市のホテルマリテーム海幸園・樹風花にお邪魔した。maritime
モモちゃんのフランチャイズである。Webページでは何度も訪れているが、実際に入るのは初めてだ。折悪しく10時前で、チェックアウト・タイムとかち合って、エントランス付近は混雑していた。mogeさんならきっと言うだろう。
「空気を嫁よ」
「ハイ…」

 実に不思議なのだが、写真ではおなじみのエントランスからロビーまで自然に吸い寄せられる。もちろん途中にフロントがあり、ショップもあるのだが、導線の妙と言おうか勝手に足が進んでいく。ぼくの場合真っ直ぐだ、快感である。そして圧巻はつきあたりのロビーから一望する鳥羽湾の景色だ。こういう風景を見慣れた地元のぼくにもサプライズだ。

 まさに、光を観るだ。そんな感慨を超えた感動に揺さぶられる。全面ガラス張りのロビーからは、坂手の島が臨み、高名な三ツ島はもとより遥か渥美半島までが一望できる。品位に欠ける表現を許してもらえば、お金がとれる光景とはこういうのではなかろうか。maritime01

 正しくいえば、もの言わぬホスピタリティか。さりげないのだが、だから館内の雰囲気は快い。居心地のよさとでも言おうか、それが空気のように漂う。ぼくが厚かましいとかの問題では決してない。見事な演出に酔わされる。

 気づいたことがある。それはスタッフひとりひとりの力量だ。接客の態度を見ていると見えてくる。立ち居振る舞いのさりげなさ、それでいて長年の知己のごとくうちとけてもてなし、押し付けがましさを微塵も見せない。館という箱物に添って隅々まで血の通う接遇がある。それがプロなんだろう。老舗観光地の底力を見る思いだ。

 帰って、S氏に真っ先にこの話をしたとき、
「じゃあ行きましょう、ご一緒に」。

 客ではないぼくが感じるのだから、旅慣れたS氏ならほめ過ぎではないことを分かってもらえるだろう。

 夏の終わりを意識し、ビーチボーイズを聴いている。サーフィンU.S.A.を初めて耳にしたのは中坊だったか。エルビス以後、ビートルズ以前。もちろん重なってはいるが、青春とともにあったサウンドだ。聴きつつ、ふとモニタを見ると、くたびれたオヤジが映っている。当然、気のせいさ。