長女に端を発した我が家の「チャングム」ブームであるが、正確にはNHK BS番組ドラマ『チャングムの誓い』(毎週木曜夜10時)、ぼくまでが木曜の夜には早仕舞いをし、テレビの前に座るようになってしまっている。もちろん録画は怠りないのだが、それを待ちきれないほど面白い展開なのである。山場が近づいている。
娘などは、あの台風の夜、これまでチャングムとは距離を隔ててきた次男を、ビデオ第一話から三話連続で見せるという暴挙に出た。彼が比較的冷ややかに父娘を眺めていたのは、自分が夏休みの前半ほとんどを福祉実習に費やし、毎夜、実習日誌に追われていたためである。実習を終え、休みが今月いっぱい残っている、と目論んでの娘の行動だ。
「いきなり子役の子の涙やろ、たまらんなぁ…」
だから、近寄らずを決め込んだそうな。それと、
「五十四話まであって、しかも完結してないんやろぉ…」
せっかちな男なのである。しかし、何と言おうと結果は娘にハメられたようである。後は意志の力である。別の短期の実習が始まっている。
「冬のソナタ」と異なるところは、男性のファンが多いということである。ブログにも書いたせいか、
「主人のためにビデオを回してもらえないか」
という問い合わせが多い。教室にもチャングムのファンは多く、各自職場で輪を広げておられるようだ。とりわけ団塊の世代といわれる我々オジさんがハマっているのが不思議な現象だ。そのためか、
「10月からは地上波でも放映されるみたいよ」
というネタを持ち込んでくれた方もいる。ほんとうだろうか。公式サイトにはまだ見当たらない。とにかくこの不思議なネットワークは善意の提供者によって拡大の一方である。
「えっ、『チャングムの誓い』を観ておられないですとぉ!? それは重症ですなぁ…」
どちらが重い病か分からない。
毎回最後に流れるテーマ曲が余韻を残す。曲名は「オナラ」。韓国の古語で、来てください、という意味だそうだ。アクセントに気をつけたい。