台風はこの地方においてはありがたいことに大過なく通り過ぎて行ってくれた。しかし、今回の14号、多くの犠牲者が出た。亡くなられた方々の年齢を知るたびに傷みを覚える。たった3日間で子どもの背丈を越す雨量に見舞われるとは、誰が予想出来たろう。ぼくたちは過去の災禍から何も学んでいないのか。砂防工事にはかなりのお金を費やしたはずだ。役立っていないのか、それとも地域格差で切り捨てられた箇所があるのだろうか。伊勢湾台風以降、台風による死者を絶滅させる努力が続けられてきたと信じていた。災厄はいつか必ずあると覚悟して備えているものの、少し心細さを感じてしまう。
大過なく、はよかったのだけど、警報が出て、小学校の授業が吹っ飛んでしまった。子どもたちのサプライズを狙って、密かに授業準備を進めてきたから、拍子抜けしてしまった。今でしか出来ないことがある。フットワークが悪く、テンポの遅いぼくにしてはしてやったりの企みだったが、シャボン玉だった。いやいや、だから大雨が降ったのか。
台風一過の空の下で、ベスト・オブ・ドリー・パートンを聴いている。豊かな胸元にばかり目が行くが、実はソングライターとしても秀逸である。ホイットニー・ヒューストンでヒットした「オールウェイズ・ラヴ・ユー」もこの人の作品だ。おっぱいから連想する訳ではないが、赤ん坊にミルクといったベストマッチで癒される安心感がある。一日中聞いていても飽きない歌声だ。