ダイヤモンドオンラインに面白い記事があった。「福島県内の子どもの内部被ばく検出人数はゼロ。国内から初、食事による内部被ばく影響論文」だ。この検出件数ゼロと言うのは多少言い過ぎで、検出限界以下がほとんどで内部被爆はねんかん1㎜Sv以下になるだろうということだ。
中身は平田村のひらた中央病院でのホールボディカウントによる計測と、三春町の小中学生のほぼ全員を対象にしたホールボディカウントによる計測が対象になっている。後者は放射能を気にしない人や無視している人も含む数字で、敏感な人たちばかりの可能性はとても低い。
さてこの論文だが、東京大学大学院理学系研究科の早野龍五教授が現地の病院と協力してまとめたものだ。論文の抄訳はこちら。ダイヤモンドオンラインは会員制なので読みにくいが、こちらは簡単だ。ただ論文なので読みにくい所がある。ただそれでも抄訳なので大丈夫だろう。
放射能関連の報道は、ウエッブ上でもソースを書かないものが多い。リンクを張るなんて簡単なのだが、そうしない記事はうさんくさいと思った方が良いだろう。そういった意味でも良い記事だと思う。
実はこの記事と論文を読んで、とても驚いた。チェルノブイリやベラルーシの事例から見ても以前発表になったデータは低いと感じていた。それが今回まとまってみれば、やはり低いのだ。
これはどうゆう事かと言えば、以前のデーターから福島のデーターを当てはめれば、大きな予想値になるらしい。その上最大値が発表になっていたもののようだ。
推測は良くないのだが、ベラルーシやチェルノブイリと違って日本の食生活が異常なほどに豊かだと言う事があるかもしれない。1週間3食全部違うメニューだってありえる日本の食卓、これは以外と日本のみと言われている。これを支えるための物流もすごい。震災直後に北海道のサロベツ牛乳や九州の牛乳が売られていて驚いたが、あの混乱期でもこんな事が出来るのだ。地産地消が言われているが、それでは日本の食卓は成立しない。加工食品や冷凍食品もある。半分だけ地元のものを使うだけでも結構大変だ。
食材の数も非常に多い。結果的に摂取するセシウム量が分散されている可能性がある。
逆にチェルノブイリやベラルーシの場合、食事の種類は少なく食材も限られている可能性がある。そうおまけにソ連末期の事故でもある。事故対応が遅れた事もあった。その間地のものをたっぷり食べていた。特に野生のキノコ。まあそれまで野生のキノコに放射性物質が蓄積されると思われていなかったからし方がない所もある。流通もかなり悪い状態であった。そして内陸部なのでヨウ素の摂取量も少ない。こういった事が大きく重なったのだろう。
岩手県内の農作物や水産物のデーターはマメに見るようにしているが、そこでも検出量が少ない。この原因はどうも日本の土壌にある。粘土鉱物がセシウムを吸着して放さないようなのだ。そして堆肥由来のカリウムが農地にはかなり入っている。カリウム不足では植物もセシウムを取り込んでゆくだろうが、カリウムが多い状態なので結果として吸収量が少なくなるのだろう。
検査体勢もある。多分日本で一番厳しい検査体勢を持っているのが福島県だ。ある意味放射性物質汚染では、岩手より福島の農産物の方が安全かもしれない。全量検査当たり前、国の基準より更に低い検査基準を使ったりしている。それくらい厳しい。なお岩手の場合サンプリング検査だが、ちょっとでも出ると地域全部が出荷制限を食らう。サンプリングでも相当厳しいものがある。
なぜこの項を書いているのかと言えば、またどこかで福島勝利宣言やこんな東大の御用学者の論文なんて信用出来ないと、まるで終戦後のブラジルの勝ち組負け組みたいな神学論争が起きているに違いないと思うからだ。本来は福島県民の病気になる確率が下がったと喜ぶべき事なのだ。その上でなぜこうなるのかを考えるべき問題だ。その上で行く末を案じるしかないのだが。
見たいものしか見ない、その結果が原発事故でもある。肝に銘じるべきだ。
ひらた中央病院のデーターの中に、4人ほど数字の大きい例がある。この4人だが川魚や野生のキノコを食べていた。ちょっとうかつな人たちばかりと思うが、食生活指導を受けて3ヶ月後の検査では、セシウム量が半分に減っている。よく言われているセシウムの生体半減期の40日よりは長いものの90日で半減すると言うのは大きな事だ。多分なのだが、この4人は指導は受けたがあんまり守っていないような気もする。それでも体内にずっととどまると言われていたのが、やはり違うと言う事になる。
なおベラルーシやチェルノブイリと同様、野生のキノコを食べた人の蓄積が多いのは当たり前。
最後にこのデーターで面白い所がある。最初のうちはそのままの着衣でホールボディカウンターに入ってもらっていたのが、ガウンに着替えて入ってもらうようになったら数値がガクンと下がったのだ。たぶん原発嫌いな人の中にはガウンに秘密があるに違いないと言うかもしれない。だがそれはまずない。多分ガウンと言っても例の入院着だろう。特別に用意するほど病院のリネン室は暇じゃない。
問題は土壌汚染がまだまだ大きいと言う事だ。土ぼこりが服についてデーター値を押し上げていた。まめに着替えて洗濯する必要があると言う事だ。
ちょっとだけだが、安心材料がある。ありがたい事だ。そして多分だが、日本人の胃袋に驚く。
中身は平田村のひらた中央病院でのホールボディカウントによる計測と、三春町の小中学生のほぼ全員を対象にしたホールボディカウントによる計測が対象になっている。後者は放射能を気にしない人や無視している人も含む数字で、敏感な人たちばかりの可能性はとても低い。
さてこの論文だが、東京大学大学院理学系研究科の早野龍五教授が現地の病院と協力してまとめたものだ。論文の抄訳はこちら。ダイヤモンドオンラインは会員制なので読みにくいが、こちらは簡単だ。ただ論文なので読みにくい所がある。ただそれでも抄訳なので大丈夫だろう。
放射能関連の報道は、ウエッブ上でもソースを書かないものが多い。リンクを張るなんて簡単なのだが、そうしない記事はうさんくさいと思った方が良いだろう。そういった意味でも良い記事だと思う。
実はこの記事と論文を読んで、とても驚いた。チェルノブイリやベラルーシの事例から見ても以前発表になったデータは低いと感じていた。それが今回まとまってみれば、やはり低いのだ。
これはどうゆう事かと言えば、以前のデーターから福島のデーターを当てはめれば、大きな予想値になるらしい。その上最大値が発表になっていたもののようだ。
推測は良くないのだが、ベラルーシやチェルノブイリと違って日本の食生活が異常なほどに豊かだと言う事があるかもしれない。1週間3食全部違うメニューだってありえる日本の食卓、これは以外と日本のみと言われている。これを支えるための物流もすごい。震災直後に北海道のサロベツ牛乳や九州の牛乳が売られていて驚いたが、あの混乱期でもこんな事が出来るのだ。地産地消が言われているが、それでは日本の食卓は成立しない。加工食品や冷凍食品もある。半分だけ地元のものを使うだけでも結構大変だ。
食材の数も非常に多い。結果的に摂取するセシウム量が分散されている可能性がある。
逆にチェルノブイリやベラルーシの場合、食事の種類は少なく食材も限られている可能性がある。そうおまけにソ連末期の事故でもある。事故対応が遅れた事もあった。その間地のものをたっぷり食べていた。特に野生のキノコ。まあそれまで野生のキノコに放射性物質が蓄積されると思われていなかったからし方がない所もある。流通もかなり悪い状態であった。そして内陸部なのでヨウ素の摂取量も少ない。こういった事が大きく重なったのだろう。
岩手県内の農作物や水産物のデーターはマメに見るようにしているが、そこでも検出量が少ない。この原因はどうも日本の土壌にある。粘土鉱物がセシウムを吸着して放さないようなのだ。そして堆肥由来のカリウムが農地にはかなり入っている。カリウム不足では植物もセシウムを取り込んでゆくだろうが、カリウムが多い状態なので結果として吸収量が少なくなるのだろう。
検査体勢もある。多分日本で一番厳しい検査体勢を持っているのが福島県だ。ある意味放射性物質汚染では、岩手より福島の農産物の方が安全かもしれない。全量検査当たり前、国の基準より更に低い検査基準を使ったりしている。それくらい厳しい。なお岩手の場合サンプリング検査だが、ちょっとでも出ると地域全部が出荷制限を食らう。サンプリングでも相当厳しいものがある。
なぜこの項を書いているのかと言えば、またどこかで福島勝利宣言やこんな東大の御用学者の論文なんて信用出来ないと、まるで終戦後のブラジルの勝ち組負け組みたいな神学論争が起きているに違いないと思うからだ。本来は福島県民の病気になる確率が下がったと喜ぶべき事なのだ。その上でなぜこうなるのかを考えるべき問題だ。その上で行く末を案じるしかないのだが。
見たいものしか見ない、その結果が原発事故でもある。肝に銘じるべきだ。
ひらた中央病院のデーターの中に、4人ほど数字の大きい例がある。この4人だが川魚や野生のキノコを食べていた。ちょっとうかつな人たちばかりと思うが、食生活指導を受けて3ヶ月後の検査では、セシウム量が半分に減っている。よく言われているセシウムの生体半減期の40日よりは長いものの90日で半減すると言うのは大きな事だ。多分なのだが、この4人は指導は受けたがあんまり守っていないような気もする。それでも体内にずっととどまると言われていたのが、やはり違うと言う事になる。
なおベラルーシやチェルノブイリと同様、野生のキノコを食べた人の蓄積が多いのは当たり前。
最後にこのデーターで面白い所がある。最初のうちはそのままの着衣でホールボディカウンターに入ってもらっていたのが、ガウンに着替えて入ってもらうようになったら数値がガクンと下がったのだ。たぶん原発嫌いな人の中にはガウンに秘密があるに違いないと言うかもしれない。だがそれはまずない。多分ガウンと言っても例の入院着だろう。特別に用意するほど病院のリネン室は暇じゃない。
問題は土壌汚染がまだまだ大きいと言う事だ。土ぼこりが服についてデーター値を押し上げていた。まめに着替えて洗濯する必要があると言う事だ。
ちょっとだけだが、安心材料がある。ありがたい事だ。そして多分だが、日本人の胃袋に驚く。