どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

よくわからないが良い演奏

2013-10-07 03:56:10 | インポート
余りこういった事はないのだが、NHK音楽祭のワーグナー ガラ・コンサートが秀逸だった。

だが理由が解らない。

まずオペラが得意な指揮者フィリップ・オーギャンの事はよく知らない。ただN響で以前も客演していたと思うのだが、ちょっと違う演奏にも聞こえた。もの凄く淡々とした演奏で、コンサート形式だともっと何でもやって良いように思うのだが、ワーグナー大好きなデモーニッシュな演奏ではない。

テノールのサイモン・オニールはすばらしかったが、なんか声量が足りなかったように感じる。

ソプラノのエバ・ヨハンソンもすばらしかったが体調が悪いようだった。高音ののコントロールと発声が辛そうだった。

N響もなにかミスが多いように感じた。

だが、聴きたくなる演奏になっている。録音したのだが、未だ持ってなぜ聞きたくなるのかは解らない。


多分この演奏にはわずかな魔法がチョイチョイとかかっている。そのチョイがとんでもない事になっている。
凡庸な演奏に聞こえるが、同時中継で聞きながら鳥肌が立った。録音で聞き返しながら、未だ持ってなぜそうなったのかが解らない。

熱狂的な演奏でもなく、デモーニッシュでもなく、ひたすら淡々とした演奏なのだが、キュンキュンと心をつかまれてゆく感覚は、何とも言えない。

このライブを聞けた人は本当に仕合せだと思う。ラジオでこれだけの魔法にかかるのだから、ライブはもっと凄かっただろう、と思うのだが会場はどうも普通だった。多分、自分がかかった魔法に当惑したのだと思う。



今回のNHK音楽祭はマニアックな内容が多い。このワーグナーもそうだが、チョン・ミョンフン指揮、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団のビゼー特集は名演だと思う。特にメゾソプラノの藤村実穂子が凄い。何が凄いかって言えば、男が望むカルメンの妖婉さではなく、圧倒的な超越感で盗賊団のトップを表現している。で、これもチョイチョイで、瞬間的にエロを爆発させる。多分0.1秒ないと思う。

さすがバイロイトでフリッカやっただけはある。何しろあの名だたる歌手を全部食ったと言われているだけはある。それだけあのフリッカは圧倒的だった。

ということで、多分NHKが映像付きで放送すると思うのだが、ちょっと解らない。私の検索能力を上回っているようだ。ラジオでは予告していたと思うのだが。

これは面白い。