指標として、月間降下物中のセシウムを見ている。環境水準調査で見ているが、今の状況はこれではよくわからない。
平成23年の6月からグラフにした。
かなり落ち着いて来たのが解る。ただ2月から4月までは、気にする人は粉塵による被爆を避けるためにマスク着用がまだ良いかもしれない。
ただそれでも、盛岡で0.53 ベクレル/平方メートルまで下がった。過去5年間では平成 19 年3月期0.182 ベクレル /平方メートルが最大だったので、まだ不検出までは時間はかかるかもしれないが、かなり少なくなった。
ここでこんなニュースがあった。財経新聞のものだ。「今も毎時1000万ベクレル 大気中に放出続く」
東電の廣瀬直己社長が10月7日の閉会中審査の参議院経済産業委員会で語ったもののようだ。
だがこの審議会の詳細が解らない。どうもニコ動にライブ記録があるようだが、そこまでは当たれなかった。なので「大気中」か「海洋中」かはよくわからない。一応大気汚染なのだろう。
ただここで単位系を揃えておくべきだと思う。毎時1000万ベクレルのセシウムは10Mベクレルになる。10×10の6乗ということだ。一日240Mベクレルであり、年間では87.6Gベクレルになる。
事故後に起きたあの単位、ペタとかテラに比べればかなり少ない。ただ福島第一近辺にはまだそれだけの汚染が進行していると言う事にもなる。
なおこの記事の「セシウムの134、137を合わせて2万兆ベクレルになるとみている」だが、兆は10の12乗だ。SI 単位ではTと書かれる。20×10の16乗になる。10の16乗は京と言う単位になる。
もう一度SI 単位に戻すと200ペタベクレルになる。これが今まで放出して来た量なのだ。(かなり甘いと思う)
チェルノブイリのようにエクサ単位まで行ってしまったのは恐ろしい。だがここで変な事に気がついて欲しい。
なぜ1000万とか2万兆ベクレルという単位になるのかだ。これは日本の会計でよくある話しだ。表で(単位・100万)というのはよく見る。こう言った会計的な単位の使い方と、絶対的な単位の使い方をする理科学とは単位の使い方が違う。
理化学単位を日本の官僚と言うか文官は使えない。ここには二つの意味がある。法的に使えないと言うのと、普段使っていないので理解しにくいからいつもの単位にしてしまう。
ここは実際的にかなり問題だと思う。お金の単位とゴッチャになりがちだ。だからSI単位系があるのだ。
予想以上に、福島第一の過酷な状況が解った。ただピークレベルに比べれば、岩手県ではかなり影響は少ないと考えても良い。それは農産物のデーターからも、今回のデーターからも解る物だ。
実はこの項では、グラフの書き方でかなりイメージが変わると言うのを考えて、作ってみた。高さが変わらないように作った。その上で最後のこの一枚だけ、y軸の単位を2倍している。なぜそんな事をしたのかと言えば、山だけ見てまだ多いと言われたくないからだ。単位をしっかり見ないと、グラフは意味がない。
だからこのグラフの、内側を話している。
今日、驚いた事があった。岩手県内で米の品種作付けの状況が激変していた。あり得ないことが起きた。
ここで一つだけ付け加える。今年の岩手県のコメから、放射性物質は検出限界以下になっている。だから安心して欲しいのだが、風評被害はなにを起こしたかだ。
岩手県県南地域は、「ひとめぼれ」独占地域だ。この品種が主流で、他には餅米があるだけと言う状態だった。
24年度は、例年通りの作付けだった。だが風評被害が大きく、県南産地の米は値崩れした。23年度のように放射能汚染がないのにも関わらず風評被害があった直後だったが、作付け計画を変えられる時期ではなかった。
そこで25年度はあり得ない選択をした。今まで見向きもしなかった品種を県南で作っている。「どんぴしゃり」と言う品種は、あまりおいしくない。だが多収であり極早生でもある。「あきたこまち」もそうだ。「いわてっこ」もそうなのだが、県南地区で作る品種ではない。県北地域の品種だ。
安くなったから多収を目指す、という側面もある。次が大きいのだが、米の端境期を狙った品種選定の可能性もある。県南と県北では収穫期が一週間程度の違いがあるが、早い方が高く売れやすい。
ただ一番考えられるのは、県南地域で作られたマイナー品種は誰もが買わないと言う事だ。昔は中央が買ってくれた。だが今は県内で売る方向に切り替わったのだろうか。
そう言った戦略を考えなければ行けないほどになっているようだ。もしもそうだとすれば、悲しい事だ。