今日はどうしようかと思っていたのだが、少し撮影に出た。あとは頭を刈って、花に液体肥料をやってフウランに水をやって、おやつが豆腐と葉ワサビだったとか(これは少し変か)、庭を少しだけ見るとか、買い物にゆくとか、日常だった。
だが4月に入ってから忙しさで日常が破壊されており、そのささやかな日常が少しだけ蘇ったのが嬉しい。
韓国の大統領選とフランスの大統領選が控えている。そしてトランプさんのわけのわからないプラグマティスト的な行動と、北朝鮮問題と中東問題と、影に隠れてベネゼエラが破綻した独裁国家だけでなく世界で危険な国上位という変な国の誕生と、なんだか世の中わからないな。
自民党も憲法改正したら世の中良くなるようなことを言っているが、グランドデザインそのものは全く語らない訳で。
ただこれらのことは全て、第2次世界大戦からの課題が解決できていないということが大きい。日本の憲法問題は70年代まではビビットな問題だった。独立とは何かという問題があるからだ。だが現在では国家が世界経済に組み込まれ、相対化してしまった。その状況では今の憲法は悪くはない。その上グランドデザインが明快なので、今のグランドデザインのない憲法論議と比べられない。ただ仮想敵国が変わってしまったので、修正が必要になっている。
ベネゼエラというのだけが第二次世界大戦の影響がないのかな。ただ冷戦時代のアメリカの反共政策が南米でものすごい問題ばかりを作ってきた反動という意味ではそうかもしれない。
ツグミがまだいたよ。
世界の先進国と言われている国たちの伝統文化を破壊したのは第2次世界大戦だった。そこからどう取り戻すのかが問題だった。科学技術や産業の発展で経済が発展した。それが多少の目くらましになった。何かが先送りにされた。
それは多分なのだが、個人の喪失だ。国家は取り戻せたが、個人が全体主義の中で失ったものは大きかった。
経済的発展で見えなかったことが低成長時代になって顕在化した。
失っていたものを確認できるかといえば、それはできない。探すしかない。だがグランドデザインがないのに正しさもわからない訳で、単純な形の復古主義が目立つ。
軽い話を。昨日のNHKFMの音楽三昧は、「戦後昭和歌謡」だった。色の名が入った歌詞の曲縛りであった。その中ですごく変な曲を発見した。大竹しのぶの「みかん」だ。
大雑把に歌詞を解説すれば、(彼氏のアパートに遊びに行ったら彼はいなかった。ドアの鍵は開いていた)部屋が殺風景だったのでお土産に持ってきたみかんを置いてきた。部屋はあなたの匂いが強かったのですぐに出た(浮気していないか家探しはしなかった)、そうして何処かへ鉄道に乗っている。暗い顔したあなたにみかんを剥いて食べさせたい。そう行った内容だ。
確かに女子視点から見たら、よくわかる。えらくドロドロしたものをあっさりとしたみかんで表現しているのは素晴らしい。ものすごい言い訳なのだが、自分がいたことを残さないと気が済まないという気持ちがよくわかる。だが男視点から見たら、みかんは消臭剤的なもんで、そいつを食わせられるのだぞ。その上何があったかわからんけど、とにかく一方的に押し切られているのだぞ。
大竹しのぶだったら許してしまうか。「かけおち83」を彷彿とさせる歌詞だ。戸川純の「蛹化の女」や山崎ハコの「呪い」より怖い。歌っているのが大竹しのぶだからより一層怖い。
阿久悠の歌詞だが、彼は預言者なのだろうか。
人は叫ばないと生きていけない。