鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.352 (緩和ケアスキルアップ研修会)

2014-06-20 16:51:28 | 日記
6月18日、庄内プロジェクト主催の「緩和ケアスキルアップ研修会」が行われま
した。

まずは、鈴木聡先生から8月より運用開始予定のがん患者の口腔機能管理を目的
とした医科歯科連携についての説明がありました。この事業は、がん患者の周術
期あるいは化学療法時に、歯科医が介入し口腔ケアを含む歯科診療を徹底するこ
とで、術後肺炎などの感染症や放射線~化学療法による有害事業をなるべく軽減
させることを目的としたものです。

流れは以下のようです。

1、荘内病院で該当患者に歯科介入の重要性を説明し、がん連携歯科診療所(一
定の講習を受けた歯科医:40施設)の受診を促します。
2、患者は、希望の歯科診療所を予約後、荘内病院からの情報提供書を持参し歯
科を受診します。
3、診察した歯科診療所は、所定の書式で、診療内容などを荘内病院へ情報提供
します。
4、治療退院後は、必要に応じて、歯科診療を継続します。

周術期に歯科が関わる意義として、以下の説明がありました。
・挿管などによる歯の脱落予防
・術後の肺炎などの感染症予防
・傷口などの感染予防
・術後に食事をとりやすくする
・口腔粘膜炎の予防
・口腔乾燥の予防

次いで、鶴岡協立病院福村直毅先生から以下の講演がありました。

庄内が発信する嚥下障害治療
~安心して食べ続けられる地域を目指して~

講演要旨

・なぜ庄内から

従来、中等度から重症の嚥下障害(食べられそうで食べられない人)の安全な検
査や治療は困難であり、従って、胃ろうに頼らざるを得ない状況があった。

協立リハビリテーション病院では、STの「真横を向けば自立摂取ができそう」の
一言がきっかけで、完全側臥位法を考按、より安全な経口摂取が可能となった。

完全側臥位法は、咽頭機能代償能力が高く、一方、介護量はそれ程必要とせず、
優れた経口摂取法である。

・安全に食べる意義

日本は、肺炎死、窒息死が、先進国中ダントツに多い
協立リハビリテーション病院の肺炎発生率、抗生剤使用量、全国平均に比し、
極めて低い。また、特養への往診介入で、肺炎数が激減した

嚥下治療の効果
 本人にとって
  死(肺炎、窒息)のリスクが低下
  生活力低下の低減、
  安心して口から食べる生活が可能
 家族・介護者にとって
  安心して食事を提供
  安心して一緒に食べられる
  生活の実感

・生活と同居した治療

嚥下にまつわる文化の再生
 食べる姿勢や食形態にとらわれない、食べ続けられる文化へ
高齢者でも必要栄養量は低下しない、むしろ肥満気味長生きする
これからは「強化運動療法」と「強化栄養療法」

配布資料
https://drive.google.com/file/d/0BzItwTwB_6zeVE1vUTVVQUlKbVE/edit?usp=sharing

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No.351 (荘内病院地域連携推進協議会)

2014-06-20 15:25:06 | 日記
6月17日、鶴岡市立荘内病院 地域医療連携推進協議会が行われましたので、報告
しておきます。

配布資料
https://drive.google.com/file/d/0BzItwTwB_6zeWkFQTzI3WGI1ekU/edit?usp=sharing

鶴岡市立荘内病院 地域医療連携推進協議会
日時:平成26年6月17日 19:15~
場所:荘内病院 3F 講堂

1、開会

2、会長挨拶

3、報告 
 (詳細は資料をご覧下さい)

1) 平成25年度実績
・FAX紹介件数
25年度:5209件(前年度比300件以上増)、年々 増加傾向にある、
とくに増えているのが、神経内科、眼科、歯科口腔外科、放射線科
診療所からのFAX送信時にエラーが発生することがあり、FAXを増設した
 (委員から、急患室への送信でエラー多いとの指摘があり、検討してもらうこ
 ととした)

・Net4U紹介件数
22年度をピークに減少傾向

・ちょうかいネット利用状況
  25年度:1038件、(24年度:792件)
   (うち新規登録:986)
  日本海との連携:118(前年度:72)
  脳卒中、大腿骨パスにおいても半数弱をちょうかいネットに登録している

・地域連携パス運用実績
大腿骨、244 (運用開始以来大きな変化はない)
脳卒中、560 (運用開始以来大きな変化はない)
がん、累計で77件、(全県的には4番目)

・紹介率と逆紹介率、平均在院日数の推移
紹介率 :74.0%
逆紹介率:45.8%
  (地域支援病院の施設基準:紹介率65%以上、逆紹介率40%以上)
平均在院日数:13日

・医療ソーシャルワーカー相談件数
連携室:2名のMSW
退院支援が最も多い
家族関係の希薄化が目立つ
病棟で福祉制度などの勉強会を行っている

2)医科歯科連携について
がん患者の口腔機能管理を目的とした医科歯科連携
(手術あるいは化学療法をする患者の口腔ケアを地域の歯科診療所と協働す
  ることで、肺炎、口腔粘膜炎などの合併症を軽減しようという取り組み)
2回の委員会で運用方法、規約などを検討してきた、8月から運用予定
40の歯科診療所が手上げ

4、その他
FAXによる受診連絡票 : 新たに運用を開始した
次回 9月16日、 19:15~

5、閉会

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