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平成29年度 日本医師会医療情報システム協議会
日時:平成30年2月3,4日
場所:日本医師会大講堂
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資料
開会挨拶
1、改正個人情報保護法の医療現場での影響について
【講演】
1)改正個人情報保護法について -とくに医療分野
山本 和徳 (個人情報保護委員会事務局 参事官)
5月30日 改正個人情報保護法 施行
医療、介護分野で十分理解されていないのが現状。
個人情報保護法とは
すべての事業者に、保護法が適応 (小規模の事業所などにも拡大)
一方で、個人の権利・利益の保護と個人情報の有用性は天秤
改正点
個人情報保護委員会(政府から独立した組織)の新設
個人情報の定義の明確化
個人情報の定義に身体的特徴が対象となることを明確化
含むマイナンバー
要配慮個人情報については、本人の同意を義務化
5000以下の事業所でも保護法の対象に
個人情報とは
特定の個人を識別できるもの
基本的な4つのルール
・取得・利用のルール
勝手に使わない
・保管に関するルール
適切な保管 :なくさない、漏らさない
・提供に関するルール
本人の同意が必要、記録に残す 勝手に人に渡さない
・本人からの開示請求に対するルール
問い合わせに対応、必要がなくなった情報の廃棄
・ガイダンス
2)医療現場における個人情報保護の現状と課題
山本 隆一 (MEDIS-DC理事長/自治医科大学客員教授)
講演のポイントは、医療においては、患者が受診した時点で、院内掲示
による黙示の同意が得られたと考えることが許容されるという発言。
医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのた
めのガイダンス 第三者提供の特例
医療機関の受付等で診療を希望する患者は、傷病の回復等を目的として
いる。一方、医療機関等は、患者の傷病の回復等を目的として、より適
切な医療が提供できるよう治療に取り組むとともに、必要に応じて他の
医療機関と連携を図ったり、当該傷病を専門とする他の医療機関の医師
等に指導、助言等を求めることも日常的に行われる。また、その費用を
公的医療保険に請求する場合等、患者の傷病の回復等そのものが目的で
はないが、医療の提供には必要な利用目的として提供する場合もある
このため、第三者への情報の提供のうち、患者の傷病の回復等を含めた
患者への医療の提供に必要であり、かつ、個人情報の利用目的として院
内掲示等により明示されている場合は、原則として黙示による同意が得
られているものと考えられる。
3)医療分野における情報管理の強化
他業界に学ぶ情報管理とHPKIの普及の重要性
自見 はなこ (参議院議員)
政府と重要インフラ組織の連携
医療も、重要インフラ13分野のひとつ
もっとも、進んでいるのは、金融、電力、情報、
CEPTOR 医療分野にない
医療においても、国と連携したICTの強化に取り組んでいきたい
【指定発言 医療現場からの問題提起】
1)牟田 幹久 (長崎県医師会理事)
スムースな地域連携のための同意のあり方の明示を望む
ちいきをひとつの病院に
2)長島 公之 (栃木県医師会理事)
医療・介護連携特有の問題点 同意の取り方
医療連携と医療介護連携では、同意の取り方が異なる
3)目々澤 肇 (東京都医師会理事)
改正個人情報保護法の医療現場の影響について
-特に医療介護・医師間連携においてー
BYODで、運用が困難となっている。
BYOD比率は70%程度
JOINによる画像連携にBYODが使われている
BYODは、普及している
公開型SNSが医介連携に使われている
BYODを可能にして欲しい
4)金澤 智徳 (熊本県医師会理事)
閲覧許可同意のあり方ついて
くまもとメディカルネットワークにおける同意書のとり方
ディスカッション
同意書:患者が納得するもの、
独居、認知症では、同意なしも許容される範囲ではないか、
家族の同意:ケースバイケース、
黙示の同意、診療を受けていることが同意となる
単独で診療できる時代ではない、
ITを使わないと医療ができない時代が来る
BYOD
2013年、自分のスマホの禁
セキュリティーは、ベストエフォート、できる限りをする
原則として行うべきではない、
理由は、OSのセキュリティーが十分でない
今、BYODを緩和すると、システムのセキュリティー対策が進化しなくなる
2、日医IT化宣言2016の実現に向けて -日医の医療IT戦略
石川 広己
日本の医療ICTをリードする
医療等専用ネットワーク
医療データベースの研究などへの活用
医療等IDと新被保険者番号
マイポータルを活用して特定検診データの個人向け提供サービス
マイナポータル
マイナンバーとは異なる医療等ID
医療等分野専用ネットワークの相互接続モデル
Q,医療等専用分野ネットワーク
介護職の認証の仕組みは?
地域差がでる
Q,多職種連携には、歯科、薬剤師も加わるのか?
Q,医療等専用分野ネットワーク、既存のネットワーク
地域の医療情報ネットワーク、を相互に連携できるか、実証実験を行っている。
Q,SSMIXへ書き出す費用負担が大きい
全国展開への障害になるのではないか
日医からの働きかけ、をお願いしたい。
Q,電子カルテの普及は、まだ一部、紙カルテが優位
ORCAと繋がる電子カルテの無償配布等を考えている、
3、事例報告セッション
【地域医療連携ネットワークの相互接続モデル中間報告】
1、医療等IDを活用した異なる地域間での診療情報連携の仕組みと実証
小坂 真二 (島根県立中央病院長)
あくまで、仮定の上で、相互の診療情報閲覧が可能であった
2、群馬大学X日本海総合病院 「JPKIを活用して患者の確実かつ迅速な同意取得の仕組みの実証」
浅尾高行 (群馬大学味蕾先端研究機構ビッグデータ統合解析センター教授)
患者の移動を想定した患者情報の共有実験
異なるネットワークを相互接続基盤を介して接続、
JPKIと患者受診履歴情報を活用
患者の同意取得方法の実証
新しい契約形態による地域画像連携ネットワークの構築
3、医療機関等が医療等分野の様々なサービスを利用する仕組みの実証
比嘉 靖 (沖縄県医師会理事)
おきなわ津梁ネットワーク
相互接続基盤を介した、医療機関間、診療報酬オンライン、民間サービスなどの連携実証実験
Q1,まめネット、晴れやかネットに関して
ID-Link側の検査値がみにくい。
業者のビューアーに依存し過ぎている。→標準化した共有ビューアーの開発が必要では
Q2,実証実験の今後
みえることは分かったが(技術面)、解決すべき課題も多い
実証自験の継続が必要
国税を使った事業、安価なネットワークの構築、国が責任(管理)をもつシステム
国、ベンダーは、医療機関の負担を理解していない、
セントラルサーバーの災害時の脆弱性性
システムがメーカに依存し過ぎている、
誰が責任をもって運用するのか 運用主体は
HPKI,MedPost、の今後の展望
HPKIは、必須ではないか
多職種連携で、HPKIが必要なのか?
【都道府県/郡市医師会単位の取り組み事例報告】
1)ICTを利用した地域医療介護連携の事例 福岡県とびうめネット
西見 幸英 (浮羽医師会副会長)
クローズドSNS(iPad利用)による在宅多職種連携への活用事例
2)かかりつけ連携手帳による医療・介護連携へのPHR活用
佐藤 弥 (山梨県医師会理事)
患者自身のスマホに情報を載せた、電子版かかりつけ医連携手帳を開発した
3)医師資格証利用を基盤とする兵庫県医師会の情報化の取組
足立 光平 (兵庫県医師会副会長)
医師資格証を、さまざまな場面で利用している
生涯教育講座の利用
専門医資格の講習への利用
課題は、病院(勤務医)への普及、病院からの認証アクセスがネック、
4)かがわ医療情報ネットワークを活用した臨床試験の実施
南野 哲男 (香川大学医学部循環器・腎臓・脳卒中内科学教授)
かがわ医療情報ネットワーク(K-MIX+)を用いた新しい臨床試験プラットの構築
4、AIによって変わる医療の未来
1)IT活用に向けた厚労省の取り組み
佐藤 康之 (厚生労働大臣官房審議官)
2)IBM Watson Health -Cognitive Computingと医療の世界
溝上 敏文 (日本IBM)
3)人工知能と医療 -画像診断を中心に
吉川 健啓 (東京大学医学部附属病院22世紀医療センター)
4)AIによって変わる医療の未来
佐藤 寿彦 (株式会社プレジョン代表取締役社長)