鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

日本海総合病院とのよりスムーズな在宅移行を目指した意見交換会

2018-12-25 16:47:00 | 日記
以前から懸案となっていた、日本海病院からのよりスムーズな在宅移行を目指したの話し合いの場がもたれた。
参加者は、南から在宅医療を考える会4名、ほたる3名、北からは日本海総合病院の連携室から医師を含む4名の計11名。

話し合いの前提として、
 あくまで日本海総合病院から在宅へ移行する患者を対象とし、
 このような患者のほとんどは、がん末期の在宅緩和ケア事例(昨年のデータでは年間16例)。

話し合いのポイントは3点に集約
 1、訪問指示書は誰が書くべきか
 2、北でも退院前カンファレンスを開催して欲しい 
 3、早期の退院調整を

1、基本は退院直後に在宅主治医が書くが、在宅主治医に指示書を書くだけの十分な情報がない場合は、病院主治医が書くこともあり
  結局は、ケースバイケース

2、退院前カンファレンスは、北では行われておらず、その代わりに担当者会議(北ではケア会議と呼んでいる)が行われている。
  担当者会議は、ケアマネジャーが招集、病院と介護との会議で医師の参加はない。主に在宅での生活をテーマにした会議
  退院前カンファレンスは、連携室が招集、病院と在宅主治医がメインの会議で、医療に重きを置いている会議、
  北のS医師より、在宅主治医が参加する退院前カンファレンスは、病院主治医との顔のみえる関係づくりにおいてとても重要なので原則やるべきとの意見があり、北でも前向きに検討することとなった。(この部分は話し合いでの大きな成果)

3、早期からの退院調整には、早期からの二人主治医制の導入、患者意識を変えるための取り組み、がんパスの導入などが考えられるが、今後の課題。


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日本海総合病院との連携 ~スムーズな在宅移行を目指した意見交換会~
日時:平成30年12月20日 19:00~
場所:鶴岡地区医師会 会議室
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進行:中村先生

1、開会とあいさつ

2、自己紹介

3、意見交換

 日本海総合病院の連携室 4名(含む医師1名)

  ・訪問看護指示書

   紹介状を退院前に送付、
    家族を介して、退院日、
    訪問看護指示書、病院、診療所、双方からだすことができる(保健所)
    診たことことがない患者の場合は、病院から指示書を出してもらった方が良い場合もある
    在宅医が指示書をだすのが適切ではないか
    家族が間に入って、紹介状で依頼することが多い
    往診日に退院させようと思ったが、それなら往診は1週間後にするといわれて困ったことがあった
    訪問看護指示書は在宅医が書くのが原則

   退院カンファレンス(日本海での現状)
    退院前カンファレンスはやっていない
    サービス担当者会議を病院でやっている
    退院前カンファレンス、連携室が招集する多職種での会議、
    福祉系職種、訪問看護師、病院看護師、 
    医師の参加はない

    新規に在宅医をお願いするケースは、全例行うことを原則にする
    医師の参加は不可欠
    連携室が招集
    1年で鶴岡へ依頼したのは16件 医師が参加したのは1回だけ
    実調、    
    カンファレンスシートの活用

    緩和ケアを断られるケースが多い
    日本海へ通院している患者は(病院に固執し)、診療所を受診したがらない

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荘内病院主催 合同懇談会

2018-12-25 16:29:08 | 日記
地域支援病院としての活動の一環である、荘内病院、登録医、医師会との懇談会が行われた。
今回は、荘内病院から3題の話題提供があり、各組織の代表のあいさつなどで懇親を深めた。
課題は、参加者(とくに診療所医師)が限られていることだろう。

荘内病院主催 合同懇談会
平成30年12月18日 19:00~
東京第一ホテル鶴岡 2F 鶴の間

1、開会

2、挨拶(三科院長)

3、話題提供

第一題
「急性心筋梗塞地域連携パス運用状況からみえてきた課題」
  リハビリテーションセンター副技士長 理学療法士 渡部美穂 氏

  かかりつけ医への紹介率が低い
  かかりつけ医のCAG実施率が低い

第二題
「特定行為研修を修了した認定看護師の活動」
  集中治療センター看護主任 集中ケア特定認定看護師 三浦 良哉 氏
  
  医師、歯科医師の判断を待たずに、手順書により一定の医療行為を行える 
  6か月~12か月の研修が必要
  Aライン挿入
  PICC挿入
  特定行為の利点
   タイムリーな実践、
   臨床推論による急変予測
   患者への説明  

第三題  
「ドクター出前講座 ~市民とかんがえる地域医療の取り組み」
  地域医療連携室 地域医療連携主任 原田真弓 氏

  昨年、3回実施、本年度2回実施
  クイズを多用したミニ講義、寸劇、車座ディスカッションなど

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鶴岡みらい健康調査セミナー

2018-12-25 10:10:33 | 日記



毎年この時期に行われている「鶴岡みらい健康調査セミナー」。
今回は、がんと就労をテーマに開催されました。
今やがんは慢性疾患と言われる時代、がんと付き合いながら長く生活できる環境となりました。
一方、そこには大きな困難もあり、社会の理解と支援が必要です。

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鶴岡みらい健康調査セミナー
 がんになっても自分らしく生きる、働く、暮らしていくために

平成30年12月16日 13:30~
鶴岡メタボロームキャンパスレクチャーホール
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基調講演
 35歳でがんになったパパの話
  キャンサーペアリンツ代表理事 西口洋平氏

  35歳でがん(胆管癌)告知
  2週間後手術、転医あり、インオペ、ステージ4
  一般的ながんの5年生存率 62.1%
  ステージ4は、2.9%
  現在、3.5年経過、週1回の化学療法
  余命1年と言われたが、・・
  告知から仕事復帰へ
   仕事仲間に涙なしでは語れない、
   人事部長に話をした、内勤、時短を勧められたが
   営業職のフルタイムでの復帰を希望
   週4日の勤務、有給がなくなる 営業成績下がる、賞与、月給が下がる
   毎月3-4万の医療費、
   貯金を切り崩しながらの生活、親の補助
   こどもには伝えられず、
   親の心配
   それぞれに、それぞれのサポート
   治療は永続的
   絶たれるキャリア
   病院は、冷たい場所 (思っていることを伝えられない)
   まわりに、同じ境遇の人がいない
   1年間にあらたに発生する患者は多い
   同じ境遇の人を探せる、
   こどもをもつがん患者のためのコミュニティサービス
   会員同士の「つながり」をつくりやすくする工夫
   ネット上での情報交換、ネットは地域を超える、
   受益者、余益者、
   会員:2800人 全国
   リリースから2年7か月
   平均、42.9歳、
   同時者同士の情報交換で、解決できることが多い、治療にも良い影響を与えるかも
   ネットだけでなく、直接会う機会(オフ会)も設定
   仲間の存在が考え方を変えて、前向きになれた
   なくなったとしても、
   つながることで前向きになってほしい
   世代のがん患者の声を届けたい
   持続可能なサービスにしたい 
   さまざまな企業との連携
   医師から奇跡といわれる 
   患者中心の発想は、好きではない
   みんなでつくる環境が良いのでは 患者は社会の一部(特別ではない)
   キャンサーの効果を証明するために、研究している

がん診断後の就労継続
 国立がん研究センター がん対策情報センター 土屋 雅子 氏

 がん対策情報センター
 HP:がん情報冊子

 第3期 がん対策推進基本計画
  分野別施策
   予防
   がん医療の充実 
   がんとの共生

なぜ、がんと仕事が重要か
 日本の労働の現状
 がんにかかる割合
  50歳台から増加
  がん患者の1/3は就労世代
  がんで就労している患者 35万人
  治療しながら働いている人は増加傾向
  治療としごとを両立を支援することが現実的
 がんは、長くつきあう慢性病に変化しつつある
 新規がん患者100万 1/3が就労
 高齢労働者の一層の増加が見込まれる
 がん就労者をとりまく関係者
  地域(かかりつけ医、支援センター、家族含む)、医療機関(医師、看護師、薬剤師・・)、職場(上司、同僚、産業医・・)
 周りの人に何ができるのか
 就労継続の実態
  退職:20%
  離職:40%

1、離職を早まらないで
  退職にいたるプロセス 60%は、まったく納得はしていない 
  職場への心配
  自分自身への不安
  治療と仕事の両立への不安
  家族の支援不足
2、自分の権利を知りましょう
  離職を早まらないで!
  医療からの情報は少ない
  がん制度ドック
  がんのお金に関する情報
3、職場で相談する人をみつける
  仕事の問題解決に役立った:約80%
4、仕事の悩みも医療者に相談してみてはいかが
5、治療計画と副作用を理解し、会社に説明しましょう
6、会社が知りたいことを主治医に伝えましょう  
7、あったら助かる配慮を具体的に職場に提案してみましょう
8、できることをアピールしましょう
9、無理をしない 結局辛くなるのは自分です
  無理は長続きしない 無理のない仕事をみつける
10、気遣いと感謝は潤滑油

癌になったことを話すか?
家族へ 85%
友人・仕事県警者 44%
近所へ 9%

鶴岡みらい健康調査
 参加:11002人
 優秀演題賞 2題
 鶴岡から日本へ、世界へ
 若手スタッフ5名が調査を継続
 メタボローム解析 →病気の予防、健康寿命の延伸 90歳でも社会で活躍できる時代を目指す
 健康だけでなく、生きがいをもつことが大事
 健康でいるために
  ・フレイル 予防 外にでかけられる=自分の居場所
   今年のみらい調査で、フレイルチェック行っている
  ・認知症 予防

 認知症予防調査
  2019年4月から開始
   MRI,認知症、フレイル、血液・尿検査、質問紙
   対象:65~79歳、500名

パネルディスカッション
がんとともに働く ~荘内地域の取り組み~

モデレーター:和泉典子(荘内病院 内科・緩和ケアチーム医師)
パネリスト:
 佐藤弘子(特定社会保険労務士/山形産業保健総合支援センター 両立支援促進員)
 五十嵐 真実(慶応義塾大学先端生命科学研究所 からだ館スタッフ)
 土屋雅子
 西口洋平

五十嵐さん
 42歳、大腸癌
 手術後、化学療法
 治療の辛さ、
 休むことによる後ろめたさ
 治療費が半端ない
 救済制度はあるが手続きが大変だった、
 再発を契機に仕事を辞めて、パートタイムの仕事へ
 入院中に、今後のことについての説明があれば、辞めずに済んだかもしれない
 自分がネガティブに
 身体障害者となった、
 学童保育、バイト、
 休みをもらうのは、心苦しい
 3年前から荘内病院、
 仕事があること、あてにされていること、子供がいることは、生きがい
 医療者は、病気になったことをもっとリアルに考えて欲しい
 がんセンターに、出張ハローワークがあった、鶴岡にもあればよい。
 
和泉さん
 がんとともに働く・生きる
 庄内プロジェクト
 就労支援 各種パンフレット、窓口、
 診断書の中に就業上の注意
 事例
 産業医とは
 
佐藤さん
 治療と職業生活の両立
 がんであることを会社に知られたくない人が多い
 がんの意味が変わってきた
 5年生存率は60%異常
  がんは長く付き合う慢性病
 労働者から、業務内容を主治医へ提出
 主治医は、それを参考に意見書を作成
 相談窓口を設置、相談して欲しい
 
ディスカッション
 荘内病院にハローワークの設置は難しいのか?
  県立中央病院には、月2回相談窓口がある
 会社にしろ病院にしろ、避難訓練(がん患者がいたらどうしよう)を定期的にやることが大事
 早い段階で、初期治療の段階での、予後の説明、「まずは病気の勉強をしなさい」という主治医の言葉が大事だったことは後で分かった
 寄ってきてもらえると助かる、医師ではなく、医師以外で良い
 会社には、がん患者でも、長く働いてもらう風土づくりが大事。
 解雇されると多くもらえることもある
 医師の配慮、患者からの遠慮のない発信、地域にある情報源の広報

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