今回、日本でALS患者に安楽死を処方した医師2名が逮捕された。
ALS=筋萎縮性側索硬化症は重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で有効な治療法は現在確立されてなく、患者は最後は寝たきりになり会話も呼吸も困難になるが、5感は正常なので苦痛と激痛が伴う難病である。今回この患者が安楽死を求め、それに有償(高額)で応じた医師が殺人罪で逮捕された。
私自身、最後は安楽死を望んでいる。人間(生物)には最後があり、激痛(苦痛)で終わるより安らかに眠ってこの世を去りたい(あの世へは行かなくてもよい)。 但し、それに対して対価を払うつもりはない。
積極的安楽死
自分で積極的安楽死を行った(未遂も)場合は、自殺なので犯罪にはならない(キリスト教国=特にカトリックでは犯罪扱い)。日本では他人による積極的安楽死は法律で明確に容認されていないので、今回のケースがこれにあたり刑法上殺人罪の対象となる。しかし過去、名古屋安楽死事件や、東海大学病院安楽死事件の判例では、下記の厳格な条件を全て満たす場合には違法性は無いとみなされ阻却されてた(刑事責任の対象にならず有罪にならない)ケースもある。
- 患者本人の明確な意思表示がある(意思表示能力を喪失する以前の自筆署名文書による事前意思表示も含む)。
- 死に至る回復不可能な病気・障害の終末期で死が目前に迫っている。
- 心身に耐えがたい重大な苦痛がある。
- 死を回避する手段も、苦痛を緩和する方法も存在しない。
- 患者の心身の苦痛からの解放が目的である。
- 医師が行う。
- 倫理的にも妥当な方法である。
- 患者の肉体的苦痛を除去・緩和するために可能なあらゆる方法で取り組み、その他の代替手段がない。
- 患者が自発的意思表示により、寿命の短縮、今すぐの死を要求している。
積極的安楽死を法的に認めている国は:
- スイス - 1942年
- アメリカ合衆国
- オレゴン州 - 1994年「尊厳死法 (Death with Dignity Act)」成立
- ワシントン州 – 2009年
- モンタナ州 - 2009年
- バーモント州 - 2013年
- ニューメキシコ州 - 2014年
- カリフォルニア州 - 2015年
- オランダ - 2001年
- ベルギー - 2002年
- ルクセンブルク - 2008年
- カナダ - 2016年
- オーストラリア ビクトリア州 - 2017年
- 大韓民国 – 2017年
消極的安楽死( negative euthanasia , passive euthanasia)もあり、予防・救命・回復・維持のための治療を開始しない、または開始しても後で中止して死に至らせる行為である。医療上の消極的安楽死の場合は、病気・障害を予防する方法、発症した病気・障害から救命・回復する方法、生命を維持する方法、心身の機能を維持する方法が確立されていて、その治療をすることが可能であっても、患者本人の明確な意思(意思表示能力を喪失する以前の自筆署名文書による事前意思表示も含む)に基づく要求に応じ、または患者本人が事前意思表示不可能な場合は、患者の親・子・配偶者などの最も親等が近い家族の明確な意思に基づく要求に応じ、治療をしないか治療開始後に中止して死に至らせることである。つまり延命治療拒否(中止)である。
多くの国で終末期の患者に対する消極的安楽死(延命治療中止)は広く普及している。
治療により回復の可能性がある患者、回復の可能性はなくても死に至るまで長い年月がかかる患者など、終末期ではない患者の場合は、消極的安楽死より治療による回復や延命が選択されるのが普通である(そうでないと医療の目的が不明)。
日本の国内法。
日本の法律では、患者本人の明確な意思表示に基づく消極的安楽死(=消極的自殺)は、刑法199条の殺人罪、刑法202条の殺人幇助罪・承諾殺人罪にはならず、完全に本人の自由意思で決定・実施できる。ただし、法律により強制隔離と強制治療が義務付けられている感染症は例外である(今回の新型コロナ)。
日本の国内法では、他人(一般的には医師)が延命治療中止行う場合は下記の条件のいずれかを満たす場合に容認される(違法性を阻却され刑事責任の対象にならない)。
- 患者本人の明確な意思表示がある(意思表示能力を喪失する以前の自筆署名文書による事前意思表示も含む)。
- 患者本人が事前意思表示なしに意思表示不可能な場合は、患者の親・子・配偶者などの最も親等が近い家族(より親等が遠い家族や親戚は親等が近い家族に代わって代理権行使できない)の明確な意思表示がある。
患者本人や近親家族の明確な意思表示に基づかない他人(一般的には医師)が治療を開始しなかったり中止をした場合は、刑法199条の殺人罪が成り立つ。
10年以上も前に家内の叔母(60歳代後半)はガンが見つかり入院した時は既に手遅れで余命1月ないと宣告された。そしていよいよ医者が明日まで持たないと思うので意識がない患者がこのまま安らかに眠って最後を迎えることもできますがと遺族に問いかけた。ところ叔母連中(患者の姉達)がそれを拒否し、夜中に付き添うことになったが、その夜、患者は意識はないが激痛でのたうち回り吐血して命を引き取った。付き添った叔母は、妹の悲惨な最後を目の当たりにして冷静な判断ができなかったことを悔やんだことだろう。
私は、積極的でも消極的でもいいが、余命が長くない(数日?)と分かった場合、苦しまずに旅立たせて(旅を終わらせる?)欲しいことを妻(もし生きていたら)、家族(息子2名)に明言しておこう。それまでもう少し人生を経験しようと思っているのに、コロナ(中国)の馬鹿野郎のため好きな旅行もできない。早くワクチンを普及させて貰いたい。
日本で新型コロナ感染報告例が増えてきたが、これは悪い事ではない。PCR検査を積極的に展開しコロナウイルス保持者を突き止めている。しかし、それでも夜の街をたむろする若者への社会的警鐘(行政指導、マスコミ報道)や、クラスター店や場所の営業停止も積極的にやるべきだ。