1月27日朝8:20、2階東側の窓から外の景色を見ると道を隔てたお向かいの家から小さい白煙が出ている。落ち葉の焚火かなと思い、家内にYさんとこ今頃焚火しているぞと呼びかけ、家内が窓に近づきアレッおかしいなと言う間に、黒煙に変わった。これは火事だと家の固定電話で119、我が家の住所と名前を言い、前の家が火事だと通報。消防署は地図を見ながら我が家を確認してどちらかの方角かを質問、私は我が家の東側でKさん、Iさんの家の間のYさん宅と説明すると分かったみたい、そこで私は住人のYさんが避難できたか確認するため電話を家内に渡し家を飛び出した。実はYさん認知症で、最近症状がかなり進んできている。その時、彼の家の前にたまたま女性が通りかかり、その家火事ですと2階から大声で呼びかけ、運よくその女性はYさんをデイサービスのバスに乗せるため来たヘルパーで、私が火事の家の玄関に駆け付けたとき、Yさんを玄関から非難させてきたところだった。そのヘルパーさんと後日話をしたら、玄関開けたら家の中は煙が充満していて「Yさん」と大声で叫んだら、すぐ出てきたので玄関近くでオロオロしていたのではとのこと。
私はその隣の家に80歳くらいのおばあさんが一人暮らしなのでインターフォンを押して知らせるが出てこない、今度は火事宅の下の家のインターフォンを鳴らすが出てこない。そうこうする内、近所から数人集まりだし、インターフォン応答なかった家の住人のドアを叩き、非難開始。
消防車が来るのに15分ぐらいかかったかな? その前に煙はどんどん大きくなり、破裂音が聞こえ始めた。火の粉も見え始め、家内は必死で消防に早く来て下さいと懇願していたみたいで、消防も今向かっていますと応答。 うちは道路を隔てているし、庭が広いので延焼はないだろうと思っていたが、火事宅は写真でも分かるように4-5軒密集しているので延焼だけはくい止めて欲しい。
消防車も10台ぐらいきたが消火栓の関係で2台で消火、家の前の道路に対策本部(机と地図)が設営、うちの庭(高台)に近所の人が上がってきて心配しながら消火を見ている。
私は第1発見、通報者として警察から事情聴取、家内も同じく違う警察官に聴取。火事発見状況、通報の経緯、Yさんが近所とトラブルがなかったかどうかなど聞かれできるだけ正確に伝える。最終的に警察はそれをA4 2ページの調書にしたので、内容の正確さを確認して私が署名、拇印をする。
約3時間ぐらいで延焼なしで鎮火。
悲しいことにYさんが散歩に連れて歩いていたペットの犬1匹(ミッキー)が犠牲になった。
出火原因は認知症のためガス供給は止めてあったが、暖房に電気ストーブがあり、過去2-3度タオルを乾燥させたりして焦げ付かせたこともあったらしく、今回もそれが原因であろうと近所の人とヘルパーの話。芦屋市に住むY氏の息子に電気ストーブは危ないのでエアコン設置をケアマネジャーから要請していたらしい。
当人はヘルパーに付きわ添われて火事の様子を眺めていたが、悲壮な表情は見られなかった。近くのデイサービスで保護するようだが、多分自宅の火事のことなど記憶に残ってないだろう。
先週私が薪割りのため丸太をトラックに積み込むときYさん近づいてきて、この丸太何キロある?と聞いたので多分15kgぐらいあるのではと答えたら、これどうする? 今から薪割りに行くと答えた途端に「これ何キロ?」「これどうする?」の連続質問、こんな会話は私も家内も何度も話しかけられるので嫌がらず忍耐強く応対はするが、認知症がかなり進行してきたのを実感していた。記憶に5秒前のことが残っていない。こんな人が一人で生活するのは問題だなと危惧をしていた矢先の事件だった。
夫婦とも少し怖い思いした一日であった。
1月28日(翌日)
昨夜も消防自動車一台待機して夜通し再出火しないかパトロールが続き、夜明けとともにくすぶり箇所に放水が始まった。鎮火しても、炭化した木材(布団)から再出火することもあるらしい。今日は現場検証でパトカーが早くからやってきている。またうちの庭から火事跡の写真撮影や、Yさんの普段の行動など聞かれ、最近の認知症が進行してきた感想を伝える。
友人が今朝の神戸新聞記事を送ってくれた。
登場人物は家内、写真提供者は私だ。