ノーベル医学・生理学賞を受賞した英国の生理学者(アーサー・ヒル)が、栄光を築く背景には、醜い企みが行われていた事実が・・・
また、栄光の裏側では、丁度ヒル博士と同年代にライバルとして、研究成果を挙げていた同業者が、揃いも揃って 不幸な最期を遂げていた・・。
そのライバルのうちの1人が日本人(清原教授)であったことから、
かつて清原教授に師事した、日本人医師の津田が 真実に立ち向かう展開ということで、
ストーリが進んでいきます。
中には、ヒル博士が査読を行う医学雑誌に、一世一代の発明に至った研究論文の投稿を行ったところ、
そっくり全てを奪われて、ヒル博士が 自分の発明した研究成果をして発表しまい、
ましてや、この功績がひいてはノーベル賞の受賞に繋がってしまったという、
不本意な運命。。
っと、
こーゆー世界のドロドロした裏側に、腹立たしく思いながら読みました。
が、
ヒル博士のライバルと言われた同業の先生方の死因が、白血病死ばかり…
という謎解きが、ほんのちょっと障っただけだったのは、あっけなかったでしょうか…。
元々、帚木文学の美しい言葉の響きを こよなく愛するワタシとしては、
帚木先生の作品に限っては、サスペンス系よりも、それ以外の系統が好きなのであります。
それにしても、何の因果か…
帚木先生ご自身が、この作品をご発表後の約10年後に 同じ白血病に冒されるとは。。。
順調なご回復ぶりと何かで拝見しましたが、心配です。
多くの帚木ファンのためにも、先生、くれぐれもお大事になさって下さい。
そして、ゆっくりペースで これからもご活躍なさってください。(祈)