「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~仮想空間の音楽の頼りなさ~

2009年05月07日 | オーディオ談義

ワディアの「170iトランスポート」(以下「170」)が昨年(2008年)の10月に発売されてから早いもので6ヶ月が経過した。

        ワディアの「170iトランスポート 」    

この170は「iPodをオーディオの核にする」という謳い文句のもとにデジタル・オーディオの雄「ワディア社」(アメリカ)から発売されたが、その役目を一言で言えば「iPod」のデジタルストレージ能力「最大48KHz/16bit」というCDを上回るクォリティを秘めた高品位なデジタルオーディオ信号をダイレクトに取り出してDAコンバーターへ送るというもの。

自分としては理論的に十分納得できる説明だと思うのでCDプレーヤーに取って代わる能力を持つ次世代のオーディオ機器だと直感し、ためらうことなく馴染みのオーディオ店(東京の「SIS」)から購入した。何よりもCDプレーヤーと比較して回転機能を必要とせず「漏れ磁界」などを心配しないでいいのが最大のメリット。

もちろん、こちらの懐(ふところ)事情もあり高価であれば”すぐ”に購入とまではいかないが、何とこの「170」は実に安価でたったの約6万円というのが大きな魅力。安くて高音質のオーディオ機器とくればまさに「鬼に金棒」。

しかし実際に使ってみて6ヶ月が経過したわけだが、その感想を率直に言えば当初の目論見どおりには十分能力を発揮していない、あるいは十二分に発揮させきれないジレンマを感じているところ。その理由を箇条書きしてみると次のとおり。

 まず手持ちのCDトランスポート「ワディア270」に比べて音質が落ちる。響きというか余韻が足りない。配信音楽ではそういうことがないので、結局CDをパソコンに取り込むときに音質の劣化が起こっている。当然これは「170」の責任ではないと思う。

 「iPod」の利用にはパソコンの「iTunes」の管理が欠かせないがこの「iTunes」が実に頼りない。先日のブログでも書いたようにこちらの落ち度が何にもないのに開いた途端に一方的に1500曲ものデータが無残にも分解されてしまった。

 「170」本体のツクリにややチャチなところがある。コストに妥協したのだろうがまず底が薄っぺらな仕切りになっていて振動対策がお粗末。しかも電源部が貧弱極まりない。

といったところ。

1の対策としてはパソコン内部のCD装置に問題があるので別売のUSB端子つきのCDプレーヤー(水平型)を購入してパソコンに接続してCDを取り込む。

2の対策は全くのお手上げ。そもそもこれはパソコンの不安定さに起因するもので結局「仮想空間の音楽の頼りなさ」ということに尽きる。

3については地道な改良が続けられている。といってもワディア社による改良ではなく日本国内の業者による改良。

                          

福岡市の「吉田苑」という会社が作って発売しているもので左の写真が「170」の専用インシュレーター「GETA」(26,800円)、右側の写真が強化電源ボックス「ENE-BOX」(34,800円)。

さすがに「170」の発売後6ヶ月ともなるときちんと適切に弱点を改良してくるメーカーが存在することに驚く。

オーディオにとって「電源対策」「磁界対策」と「振動対策」は「死命を制する」ともいうべきものだが普段は目に見えないので実に厄介だが、これらの製品は「170」を本格的に使いこなそうと思えば絶対の必需品になるだろう。

強化インシュレーター+強化電源ボックス+170iトランスポートで約12万円になるが、少なくとも同額のCDプレーヤーよりは音質が上なので新たにCDプレーヤーを求める方や買い替えを検討されている方には選択肢のひとつになる。

因みに詳細は「http://www.yoshidaen.com/wadia170.html」へ。

さて、自分のことである。実はこの「GETA」「ENE-BOX]を購入しようかどうか大いに迷っている状態がずっと続いている。

音質がよくなるのは間違いないし、値段の方もさほどではなく「清水寺の舞台から飛び降りる」ほどのものではないのだが
「仮想空間の音楽の頼りなさ」大いに足を引っ張っていてどうも「170」を本格的に使いこなすことにもう一歩踏み込めないのがその理由。

しかし、これまでの自分を考えると最後には購入することになるんだろうなあ~。


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