「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオは勇気と根気

2013年08月24日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

去る8日(木)にグッドマン(イギリス)のエンクロージャーを手に入れてから、およそ2週間が経過したがいろいろ勉強させられることばかりだった。

はじめに、「AXIOM301(口径30センチ)+JBL075」を聴いたときは、もうこれで十分と思ったのだが、しばらく聴いているうちに「悪くはないのだが、音のスピードがもっとあればなあ」と、つい無い物ねだり。SPユニットの口径が大きくなると、コーン紙の重さが加味されて音声信号への反応が鈍くなるのは当たり前の話なのだが。

そこで、口径20センチのフルレンジ・ユニットの出番。バランス的には最も優れているように思う。量感もそこそこあるし、何よりも反応がシャープなのが得難いメリット。

           

18日(日)の作業で手持ちの4セットにすべて補助バッフルをつけた後、この1週間ほど入れ替わり立ち代わり試聴を繰り返してきた。駆動するアンプの方も真空管アンプ2台(WE300Bオールド、PX25アンプ各1台)とDCアンプ1台を交えての実験なので多大の時間を要した。

結論から言えば、どのユニットも魅力があって捨てがたい味があったが、過不足なく安心して音楽に浸れたのはナショナルの「20PW09」(写真の上段左側)だった。これは数年前にオークションで新品として手に入れたもの。

もう40年以上も前のユニットで、当時はその形状(ユニットの中央に丸い球が付いている)から「ゲンコツ」と言われたものだが、さすがに評判通りでその音色は全然色褪せていなかった。もう、惚れ惚れするくらいの音で、「音楽を聴くのならこれで十分」と思わせるものがあった。エンクロージャーとの相性も良かったのだろう。これで決まり~。

面白かったのはフォステクスの「SLE-20W」(写真の下段左側)で、周波数5000ヘルツあたりでクロスオーバーさせて、JBLのLE85ドライバーと組み合わせたところ、全帯域に亘って雄大な音が響き渡ってスケール感からいくとこれが一番だと思った。

ただし、グッドマンのエンクロージャーにJBLのユニットを上に載せるのは「水と油」みたいなもので、違和感がつきまとってどうしても良識が許さずあっさり諦めた(笑)。

しかし、この実験の余波は大きかった。「SLEー20W」一発だけでこれだけ低音が出るのなら、既存の「AXIOM80」システムの低音域に使っている2発にしても1発で十分ではなかろうかと思い立った。

このユニットを落札したときに「容積が55リットル以上のエンクロージャーに2発入れて使うように」という説明文に、ずっとこだわってきたわけだが、やはり実際に実験をして確認してみないと何とも言えないことを痛感。そこで、ためらうことなく2発から1発への入れ替え作業をしてみた。

                  

左側が改造前の写真。

いやあ、驚いた。「低音域を2発のユニットにすると量感は増すけれど、音が濁る。」とは散々聞かされてきたが、こんなに分解能が良くなるとは夢想だにしなかった。肝心の量感だって、これだけあれば十分。

「正しい音になると全体的に音の重心が下がり、音階が明瞭に聴こえる」というが、まったくその現象どおりで、早くこうしておけばよかったと、思わず天を仰いだ。

結局、今回の実験を通じて最大の収穫は我が家のメイン「AXIOM80」システムがすっかり生まれ変わったことで、グッドマンのエンクロージャー導入の余波は実に大きかった。

オーディオとは実験を何度も何度も繰り返す「勇気と根気」以外の何物でもないようで(笑)。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする